熊本熊的日常

日常生活についての雑記

2009年02月14日 | Weblog
久しぶりに蕨の商店街を歩いた。西口駅前から国道17号に至る1車線の通りは、昔は賑やかだったと記憶していたのだが、それは自分のなかで作り上げられた幻想なのかもしれないし本当に賑やかだったのかもしれない。

日本各地で従来型の商店街が荒廃しているという話を耳にする。それぞれの土地にそれぞれの事情があるのだろうが、首都圏の場合は、鉄道の新線ができることで人の流れが都心に集中するようになったということだろう。また、市場経済の帰結として、同じ商品でも大量に仕入れることで売値を安くすることができる巨大商業資本が定価に近い価格で販売しないと利益を出すことができない中小零細商店を駆逐したということもあるだろう。

蕨の場合、子供の頃によく訪れた書店とか、親に付いて買い物に出かけた商店が比較的数多く残っていることに少し驚いた。もちろん、歯が抜けるように空き地になっていたり、営業しているのかいないのかわからないような店舗もあるのだが、そうしたものが思ったほどには多くないのである。それと建物が昔と変わらない、いかにも昭和風というのも多い。

昔の家並が残っているということは、バブル期を素通りしているということだろう。勿論、それぞれの人々にそれぞれのバブルは訪れたのだろうが、都心からの距離や利便性を考えれば、何事も無くあの時代を通り過ぎたはずは無い。妙に好奇心をくすぐられる不思議な街である。