鎬というのは金偏の漢字であることから想像がつくかもしれないが、刀の刃と峰の間の稜線のことである。陶芸で面取りという装飾技法があるのだが、面を平らにしたものを「面取り」と呼び、面を抉るように削って面と面の境目を強調したものを「鎬」と呼ぶ、のだそうだ。今日初めて知った。
陶芸を始めたのが2006年10月初頭。習い始めてちょうど1年経過したところで、2007年10月から2009年3月まではロンドン勤務のため中断の後、2009年4月から今日まで、ほぼ週1回2時間半の同じ陶芸教室に通い続けている。今年1月に初の個展、8月には初の青空市出店を経験でき、お客様に買って頂けるところまでたどり着いた。今週は、初めて、普段通っている陶芸教室以外の先生から指導を受けている。始まる前は、何か違うところがあるのかないのか、不安と期待が入り混じっていた。いざ授業が始まってみると、学生側の経験にばらつきが大きいこともあり、講座は初心者対象の内容で、知識や実技の自分の中での整理に大変有益である。不安は杞憂に終わり、講座3日目を終えて期待通りの進捗だ。
普段は街の陶芸教室での授業なので、実技中心で特に知識教育のようなものはない。技法を習う都度、それに関連した説明を受けるだけである。それで作品の制作には十分である。あとはなるべく多くの作品を観て、自分のなかの造形のイメージのストックを増やしていくことが、これからの展開の上で重要なことだと考えている。陶芸そのものよりも陶芸を通じて、自分であるとか、自分が暮らす社会であるとか、生活というものをしっかりと観察できるようになりたい。そして、「なるほど、たぶん、そういうことなのだろうな」という思いに至ったところで、この世から静かに消えるというのが理想だ。
今日は家に帰ってから、「POTTERS AT WORK」というドキュメンタリーのDVDを観た。これは九州の窯元での作業の様子を収録したものだ。撮影は1976年春、焼成には登窯を使い、登場する職人たちの過半は蹴轆轤を使っている。先月、民芸学校で訪れた瀬戸の本業窯にも登窯があったが、現在は使われていない。蹴轆轤も登窯も、それが実際に稼働している様子というのは、今となっては貴重な映像である。このドキュメンタリーの本編は30分。30分で陶磁器を手作業によって完成させることはできないので、かなり大胆に編集されている。このDVDが発売されたのは2007年で、私がこれを入手したのはロンドンから帰国した後、と記憶している。入手直後に観たときは、肝心のところが映っていないと感じられたのだが、久しぶりに観てみると、感心する場面がいくつもあった。当時は見えなかったものが、今は見えるようになった、ということだろう。
昨日書いたことの繰り返しになってしまうが、改めて手捻や紐作りといった、自分の手だけで造形する作業に取り組んでみると、言葉では説明できないのだが、自分のなかで点頭を感じるのである。単なる気分転換や刺激ではない、もっと大きなことを感じるのである。
陶芸を始めたのが2006年10月初頭。習い始めてちょうど1年経過したところで、2007年10月から2009年3月まではロンドン勤務のため中断の後、2009年4月から今日まで、ほぼ週1回2時間半の同じ陶芸教室に通い続けている。今年1月に初の個展、8月には初の青空市出店を経験でき、お客様に買って頂けるところまでたどり着いた。今週は、初めて、普段通っている陶芸教室以外の先生から指導を受けている。始まる前は、何か違うところがあるのかないのか、不安と期待が入り混じっていた。いざ授業が始まってみると、学生側の経験にばらつきが大きいこともあり、講座は初心者対象の内容で、知識や実技の自分の中での整理に大変有益である。不安は杞憂に終わり、講座3日目を終えて期待通りの進捗だ。
普段は街の陶芸教室での授業なので、実技中心で特に知識教育のようなものはない。技法を習う都度、それに関連した説明を受けるだけである。それで作品の制作には十分である。あとはなるべく多くの作品を観て、自分のなかの造形のイメージのストックを増やしていくことが、これからの展開の上で重要なことだと考えている。陶芸そのものよりも陶芸を通じて、自分であるとか、自分が暮らす社会であるとか、生活というものをしっかりと観察できるようになりたい。そして、「なるほど、たぶん、そういうことなのだろうな」という思いに至ったところで、この世から静かに消えるというのが理想だ。
今日は家に帰ってから、「POTTERS AT WORK」というドキュメンタリーのDVDを観た。これは九州の窯元での作業の様子を収録したものだ。撮影は1976年春、焼成には登窯を使い、登場する職人たちの過半は蹴轆轤を使っている。先月、民芸学校で訪れた瀬戸の本業窯にも登窯があったが、現在は使われていない。蹴轆轤も登窯も、それが実際に稼働している様子というのは、今となっては貴重な映像である。このドキュメンタリーの本編は30分。30分で陶磁器を手作業によって完成させることはできないので、かなり大胆に編集されている。このDVDが発売されたのは2007年で、私がこれを入手したのはロンドンから帰国した後、と記憶している。入手直後に観たときは、肝心のところが映っていないと感じられたのだが、久しぶりに観てみると、感心する場面がいくつもあった。当時は見えなかったものが、今は見えるようになった、ということだろう。
昨日書いたことの繰り返しになってしまうが、改めて手捻や紐作りといった、自分の手だけで造形する作業に取り組んでみると、言葉では説明できないのだが、自分のなかで点頭を感じるのである。単なる気分転換や刺激ではない、もっと大きなことを感じるのである。