万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

偽装ミサイル防止策―宇宙条約の改正を

2009年04月03日 15時51分51秒 | 国際政治
日本の「重要対象」に報復も=ミサイル迎撃なら-北朝鮮軍が警告(時事通信) - goo ニュース
 北朝鮮は、宇宙条約に加盟した上でIMOやICAOに通達を行い、今回のミサイル実験は合法的な人工衛星の打ち上げであると主張しているようです。もし、実際にはミサイル実験であったとしても、人工衛星に偽装すれば許されるという前例がつくられるとなりますと、今後とも、同様の事件が起きる可能性があります。

 宇宙条約の目的はあくまで平和利用であり、締約国は、この目的に沿って行動する義務があります。しかしながら、当条約には、締約国の宇宙利用が、本当に平和利用が目的であるのか確かめる手段が定められていません。また、近隣諸国の安全が損なわれる可能性がある場合の措置についても、規定を置いていないのです。いわば、各国の良識と良心に任されていると言えます。そうして、条約にこうした盲点がある故に、北朝鮮のような目的を偽装しようとする国も現れてしまうことになったのです。
 
 偽装ミサイル実験を防ぐには、ある国の実験が他の国の安全を脅かす可能性がある場合には、危険にさらされる国が、実験に先立って目的の調査や中止を求めることができるよう、宇宙条約を改正すべきなのではないでしょうか。人工衛星というミサイル実験の口実は、封じるべきと思うのです。

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コメント (2)
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