万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日本国は非核保有国の安全問題を提案すべき

2009年04月09日 17時36分15秒 | 国際政治
自民・坂本氏「日本も核を」 党役員連絡会で発言(朝日新聞) - goo ニュース
 日本も核を、と叫ぶだけでは、イランや北朝鮮と同列の国家と見なされ、むしろ、国際社会から警戒されることになります。もし、日本政府が、自国の安全を考えるならば、非核保有国が抱えているNPT体制の制度上の欠陥を国際社会に提起すべきと思うのです。

 現在のNPT体制では、条約に違反して核開発を行い、密かに核を保有することになった国に対する有効な制裁規定はなく、国際査察の受け入れが義務付けられているに過ぎません。違反国に対する制裁や対抗措置は、あくまでも個別の国家の判断に任されております。また、国連安保理も核放棄に対して有効に機能するとも思えませんし、六カ国協議といった多国間交渉も無力を露呈しています。この状態では、条約を誠実に守っている非核保有国だけが、常に、他国からの核攻撃の脅威にさらされるという不利益を被ります。

 日本国政府は、NPT体制を洗いなおし、日本国を含めた非核保有国の安全を確立する方法こそ提案すべきと思うのです。ルール違反をした国だけが優位に立つ、というアンフェアな状況は許してはならないのではないでしょうか。

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コメント (4)
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