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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

台湾の主権未定論は”不適切発言”?

2009年05月04日 14時58分23秒 | 日本政治
「台湾の主権未定」 日本代表が不適切発言 当局の抗議受け撤回(産経新聞) - goo ニュース

日本交流協会台北事務所の斎藤代表が、台湾の主権は未定であるとした発言に対して、台湾外交部は、”不適切発言”として厳重に抗議したと報じられています。しかしながら、この厳重抗議もまた、見方を変えますと、”不適切発言”なのかもしれないと思うのです。

 何故ならば、国家承認や政府承認に関する政策は、それぞれの国の外交権に属するものであって、他国がそれに介入したり、自国の方針を他国に押し付けることはできないからです。斎藤代表は、政府の見解ではなく、個人の見解とする弁明を行ったようですが、たとえ、これが政府代表としての公式の発言であったとしても、台湾外交部がクレームを付けることもまた、おかしなことなのです。しかも、独立を主張していた民進党前政権にあっては、主権未定論こそ政府の公式見解でもあったのですから。

 台湾の主権の帰属の問題は、センシティヴな問題ではあるからこそ、台湾政府の強硬な姿勢は、台湾の将来の選択肢を自ら狭めることになるのではないか、と心配のです。

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