万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

NPTに制裁条項を加えては?

2009年05月07日 17時12分53秒 | 国際政治
北朝鮮、新たな核実験を準備=朝鮮日報(トムソンロイター) - goo ニュース
 今月の4日からNPTを再検討するための国際会議が開催されており、核兵器廃絶に向けて、加盟各国は、積極的なアピールを行ったようです。その一方で、国際社会を挑発するかのように、北朝鮮は、核実験の準備を加速させているとの情報が流れています。

 もし、本気で核兵器の廃絶を目指すならば、NPTには、条約違反国に対する制裁条項が必要なのではないか、と思うのです。現行の条約は、加盟国に対して核拡散防止を義務付けたものであり、NPT体制の維持は、義務を順守しようとする加盟各国の誠実な態度にかかっています。いわば、加盟国の自発的な協力がNPT体制を支えているのであり、もし、一国でもこの義務を放棄する国が現れますと、体制そのものの存続が困難になるのです。実際に、北朝鮮やイランの核開発は、NPT体制への重大な挑戦を意味しています。

 大量破壊兵器の開発は、武力制裁の正当な事由とはなり得ますが、再検討会議において、制裁条項が具体案として審議されるとなりますと、それは、心理的にも北朝鮮に対する強力な抑止力となるかもしれません。核の廃絶を訴える舞台に留まることなく、再検討会議では、核を持たせない方法に知恵を絞るべきと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする