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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

NPT体制には全世界の国々の参加が不可欠

2009年05月16日 12時36分06秒 | 国際政治
勧告案で合意できず閉幕=議題は採択-NPT準備委(時事通信) - goo ニュース
 昨日閉会となったNPT準備委員会では、来年度の再検討委員会で話し合われるべき議題が採択され、核軍縮に向けての大凡の方針が決定されたようです。ところで、NPT体制が効果を持つためには、全世界の国々の同条約に加盟する必要があると思うのです。

 2003年に、北朝鮮は、NPTからの脱退を一方的に宣言しましたが、国際社会はこれを認めず、現在でも、曖昧なペンディングの状態にあるようです。北朝鮮は自らをNPTの非加盟国と見なす一方で、国際社会は、かの国を加盟国として扱おうとしているのです。こうした主観と客観で不一致が生じている国がある場合、再検討会議において拘束力のある行動規範が決定されたとしても、加盟国の安全は保障されません。たとえ、条約によって非核保有国に対する核使用を禁じられたとしても、非加盟国、あるいは、北朝鮮のような自国が加盟国であるとは意識していない国が、非核保有国に対して核攻撃を加える可能性が残されているからです。

 準備委員会では、来年の再検討委員会の議題には含まれていないようですが、核兵器を保有していながら、NPTに加盟していない国をどう扱うのか、と言う問題も、議題とすべきではなかったのかと思うのです。

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