万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

公約を守っても守らなくても非難を浴びる鳩山首相

2010年05月07日 17時56分52秒 | 日本政治
首相「公約でない」に「また余計なことを…」(読売新聞) - goo ニュース
 民主党政権発足以来、我が国は、普天間基地移設問題に揺れてきましたが、鳩山首相は、公約を守っても守らなくても、結局、非難を浴びる運命にあったと思うのです。

 何故ならば、公約を誠実に守り、普天間基地を県外や国外に移設したとしても、おそらく、安全保障の現実を無視しているとして、今以上に激しい批判に晒されたことが予測されるからです。先の衆議院選挙の民主党のマニフェストには、基地移転に関する具体案には触れていなかったそうですが、首相の非現実的な提案には、国民の多くが危惧の念を抱いたはずです。マニフェストには、一括選択という欠陥がありますので、必ずしも、基地再編の見直しについて、国民の多数が賛成して投票したわけでもないのです。むしろ、首相が基地移設を断念したことに安堵した国民も多かったのではないでしょうか。

 沖縄を含む我が国の安全保障を考えれば、民主党政権に基地の県外・国外移設を期待していた人々にとりましては、首相の翻意は、許せないことなのでしょうが、理想路線を直進するよりは、はるかに国益にかなっていると思うのです。

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コメント (6)
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