万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

毒入り餃子事件―責めを負うべきは日本の警察か

2010年05月19日 16時11分53秒 | アジア
ギョーザ袋の穴見逃し「捜査ずさん、誠に残念」(読売新聞) - goo ニュース
 最近になって、中国国内で毒入り餃子事件の犯人が逮捕されたことを受けて、中井国家国安委員長は、我が国での捜査が杜撰であったとする”反省の弁”を述べたようです。

 あたかも、犯人逮捕が遅れたのは、我が国側に原因があったような言い方なのですが、この事件、捜査が行き詰ったのは、中国側が、日本国内での毒物の混入を主張したことにもよります。事件発生後、我が国の警察は、いち早く毒物であるメタミドポスの成分を分析し、中国国内で使用されている農薬が使われた可能性が高いことを突き止めています。つまり、中国国内での犯行を示唆したわけですが、中国側の強い反発を前に、捜査が停滞してしまったのが実情であったのではないでしょうか。国民は、この顛末に、政府の圧力さえ感じたはずです。

 小さな注射器後を発見できなかったことは、確かに警察の落ち度であるかもしれませんが、このことは、むしろ、犯人の供述を裏付ける証拠が見つかったと評価すべきこのなのかもしれません。これまでの主張を一転させて、中国政府が、突然に犯人逮捕を公表した途端、自国の警察を責め始めた中井委員長の態度豹変には、どこか卑屈な傲慢さを感じるのです。

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コメント (2)
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