万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国企業への資本市場開放は大丈夫?

2010年05月23日 14時55分17秒 | 国際経済
レナウン、中国企業の傘下に 数十億円出資受ける方針(朝日新聞) - goo ニュース
 経済成長著しい中国は、企業戦略として、積極的に海外企業の株式取得に乗り出しているようです。ところで、共産主義国の企業に自国の資本市場を開放しても、大丈夫なのでしょうか。

 共産主義国家の企業に対して、自由主義国が、自らの市場を開放することにはリスクが伴うものです。先端技術の流出に加えて、本国主義が一方的に適用されますと、自国の企業が、中国当局のコントロール下に置かれる可能性もあるからです。また、中国政府は、経済への政治介入を是としていますので、中国資本の出資を受けた企業の経営が、中国市場や中国人雇用重視に偏ることも考えられます。また、現在は、元安円高なのですから、日本企業による中国企業の買収や合併があってしかるべきなのですが、そうしたニュースも、あまり聞こえてきません。もしかしますと、中国の資本市場には、海外企業に対して何らかの規制が設けられており、市場開放のレベルに不公平が生じているのかもしれません。

 今後、元高となりますと、さらに中国企業の海外企業の買収が増加すると予測されますので、共産主義リスクに鑑みて、中国当局にさらなる自由化を求めるとともに、もし、中国側に不公平の原因となる規制があるならば、相互主義に照らして、何らかの対抗措置を検討すべきと思うのです。

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コメント (7)
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