万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日中ガス田出資比率問題―埋蔵量比が合理的

2010年05月13日 17時52分32秒 | アジア
白樺ガス田 出資5割超、中国に 政府方針 先行開発を配慮(産経新聞) - goo ニュース
 日本国政府が、日中共同開発を予定している白樺ガス田の出資比率について、中国側に有利な形で合意する方針であること分かり、国内に波紋を広げているようです。この問題、もし、共同開発するならば、出資比率は、双方のEEZにおける埋蔵量に比例させるべきではないかと思うのです。

 東シナ海におけるガス田の分布や埋蔵量については、詳しいデータを入手していませんので、正確なことは言えないのですが、もし、偏りがある場合には、不公平、あるいは、一方の一方に対する資源の侵害問題が発生します。たとえば、極端な例では、X国側に90%、Y国側に10%の埋蔵量があるとしますと、共同開発と言う名の下で、両国での折半方式では、Y国側は、X国側の地下資源を獲得できる一方で、X国は、自国の資源を合法的にY国に譲ることになります。

 中国政府は、海洋法条約に違反して、先に資源開発に着手したのですから、この違法行為を追認することには問題があります。日本国政府は、データに基づいた合理的な出資比率を提案すべきと思うのです。

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