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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

STAP細胞論文不正問題-万能性へのミッシングリング

2014年04月09日 15時45分22秒 | その他
会見前に小保方氏がコメント配布「実験は確実に行われておりデータも存在」(産経新聞) - goo ニュース
 Nature紙への論文掲載により、科学の常識を覆す世紀の大発見として、一躍世界の注目を集めたSTAP細胞。夢の技術と期待されながら、その後は、論文に関する数々の疑惑が噴出し、急転直下の展開となりました。

 本日、ようやく疑惑の渦中にあった小保方晴子氏が記者会見を開き、一連の疑惑について自ら釈明しております。結局、本日の会見だけでは真相の全容解明には至らず、逆に、一つの重大な謎が残されました。それは、記者からの質問があったにも拘わらず、小保方氏が、共同執筆者であった若山氏が明らかにした事実に関する説明から逃げてしまったことです。若山氏によりますと、全てのマウスでSTAP細胞が作成できるのかを確かめるため、遺伝子系統129のマウスでSTAP細胞の作製を依頼したところ、戻ってきたSTAP細胞は、遺伝子が別系統のマウスのものであったそうです。胎盤といった臓器の作成に成功したことが、STAP細胞の万能性を証明していたのですから、仮に、若山氏が受け取った細胞が、最初の時点からSTAP細胞ではないとしますと、ストレスで刺激を与えることで変化した細胞が、万能性を備えているとは言えないことになります。つまり、細胞の変化と万能性、あるいは、初期化との間には、ミッシングリングが存在してしまうのです。

 記者との質疑応答において、小保方氏は、過去に200回ほどSTAP細胞の作製に成功していることも明らかにしており、STAP細胞の存在証明は、今後の再現実験の成否に持ち越されることになりそうですが、誰もが検証可能な形で再現実験を行い、結果を包み隠さずに公表することこそ、日本国の科学に対する信頼を回復する道であると思うのです。

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コメント (6)
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