万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日韓局長級協議-日本国政府は慰安婦問題を司法解決に持ち込むべき

2014年04月15日 17時22分32秒 | アジア
 日韓関係が最悪な状態にある中、明日16日には、日韓局長級協議が開かれるそうです。報道によりますと、初回の協議では、慰安婦問題のみを議題とするものの、二回目以降は、竹島問題など様々な懸案について話し合う予定なそうです。

 慰安婦問題については、韓国側は、河野談話の再検証について反対を表明する一方で、(1)日本政府による法的責任の承認、(2)首相の謝罪、(3)政府予算による支援の3点を求めています。しかしながら、法的責任となりますと、事実認定に基づく司法判断を要しますので、ICJといった国際司法制度に付託することが望ましく、司法解決を回避しながら法的責任を認めるよう求める韓国側の態度は自己矛盾しています。日本国政府は、日韓請求権協定で解決済みと主張していますので、この問題は、本来、国際裁判や仲裁において、慰安婦被害の事実認定に基づく国際法上の日本国政府の法的責任、並びに、日韓請求権協定の解釈を争うべきなのです。司法解決ともなれば、当然に、裁判所による証拠調べの一環として、元慰安婦証言の信憑性を改めて調べることになります(元慰安婦証言は矛盾に満ちており、証拠力が乏しいことは既に判明している…)。政治的妥協の産物としての河野談話は、韓国側の約束反故により有名無実化していますので(以後、歴史問題は持ち出さないとする約束を破った…)、日本国政府は、韓国に対して譲歩する必要は全くないのです。

 慰安婦問題に関する局長級協議は、両国の主張が平行線を辿ると予測されていますが、膠着状態こそ、この問題を司法解決に持ち込む日本国政府にとっての最大のチャンスです。問題を朝鮮半島に絞ることができますし(占領地での犯罪とは分離…)、解決手段は、司法しかなくなるのですから。河野談話の否定に関しては、中韓のみならずアメリカなども反対していると報じられていますが、司法の場で事実が明らかとなれば、国際社会もまた、河野談話の消滅を認めざるを得なくなると思うのです。

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コメント (6)
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