万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

慰安婦問題の司法解決は日本国側に不利?

2014年04月16日 15時51分32秒 | アジア
 昨日、本ブログの記事で慰安婦問題の司法解決を提唱したのですが、河野談話の公表や国連人権委の報告書採択に際して反論しなかったことが仇となって、この問題について、ICJに付しても日本国に不利なのではないか、とするコメントをいただきました。確かに、これまでの日本国政府の不用心な韓国への配慮と”事なかれ主義”が日本国に不利に働いてはいるものの、そこまで不利とは言い切れないのではないかと思うのです。

 先日も、調査捕鯨に関して日本国政府の主張が通らず、ICJで敗訴しましたので、慰安婦の件についても心配の声があがることは当然と言えば当然です。しかしながら、政治的な妥協による日韓共同作文であった河野談話でさえ、日本国政府の法的な責任を認めておらず、否、韓国の強い要請を受けつつも、この一線だけは、日本国政府は譲歩しませんでした。ですから、ICJにおいて、河野談話を根拠に日本国側の法的責任が認定されるということは、あり得ないことなのです。また、国連人権委の報告書に関しても、人権委は司法機関ではなく、証拠調べといった司法手続きを経ずして報告書を採択しています。この採択過程においては、日本国に対して十分な弁解の機会が与えられなかったのですから、逆に、日本国側が、名誉棄損の廉で人権委を訴えてもよいぐらいです。さらには、人権侵害問題は別として、ICJが賠償請求権を認めるとしますと、全世界でこの問題が噴出し、収拾がつかなくなります。

 報道によりますと、日本国政府は、人道的な支援を行うことで年内にこの問題を決着させる方針とも伝わりますが、政治的な妥協では日本国の名誉は回復されず、かつ、韓国の嘘が国際社会にまかり通ることになります。ここはやはり、倫理に照らして正しい解決方法を選択すべきと思うのです。

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コメント (6)
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