万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

SEALDsは仏特急テロ事件に何を思うのか?

2015年08月26日 15時24分36秒 | 社会
犯行時、銃弾270発所持=「聖戦動画」も閲覧―高速鉄道発砲事件
 先日、アムステルダム発パリ行きの特急内で自動小銃で発砲しようとしたイスラム過激派の男を、米兵3人とイギリス人が取り押さえるという事件が発生しました。乗客の命を救った勇気ある行動として、フランス政府からはメダルが授与されたそうです。

 報道によりますと、お手柄の3人の米兵は幼なじみであり、20代前半の青年たちです。当局によるその後の調べでは、犯人は、270発もの銃弾を所持しており、仮に、発砲前に取り押さえなければ、相当数の死傷者を数える凄惨なテロ事件となったはずです。小銃を前にしては抵抗する術もなく、無防備な乗客たちは、犯人が放つ無慈悲な銃弾に倒れたことでしょう。多くの乗客は、敢然として立ち向かった英雄たちに命を援けられたわけですが、彼等もまた、命の保障があったわけではありません。否、タイミングを誤れば、至近距離から撃たれるリスクがあったのです。リスクを恐れず、自らの命を省みない行動が、結果として多くの人々の命を救うことになったのですが、人々を救うために自発的に行動した青年たちを前に、同年代であるSEALDsの学生達は、何を思うのでしょうか。”犯人に対する抵抗は、暴力を振るうに等しい”として、青年たちの行動を暴力として批判するのでしょうか。それとも、”直接に攻撃されてもいないのに、先に攻撃するのは許されない”と叫び、犯人を制圧した青年たちの方を”犯人”と決め付けるのでしょうか。

 結局、SEALDsが主張する通りに皆が行動しますと、テロリストの行動を容認し、多くの人々の命が暴力の犠牲となりかねません。テロを未然に防いだ米兵、並びに、イギリス人の行動は、危険性を的確に判断することの重要性と、この世には、自らの命を危険に晒してしか他者を救うことができない状況があることを教えております。そしてそれ故に、全世界の人々から、惜しみない称賛を受けているのではないでしょうか。

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コメント (6)
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