新たに南アフリカで誕生したとされるオミクロン株は、瞬く間に全世界に広がり、日本国内でも市中感染が起きているとの指摘があります。メディアも連日のように’オミクロン恐怖’を報じているのですが、オミクロン株の性質を考慮しますと、政府が推進している追加接種は、むしろワクチン・リスクを高める可能性が高いように思えます。
オミクロン株が恐れられている最大の要因は、その高い感染力のみならず、免疫回避性にあります。海外のメディアが報じるところによりますと、オミクロン株の感染者の8割程度が二度のワクチン接種済みの人々であったそうです。つまり、同データは、オミクロン株には接種者の方が感染し易い傾向にある、あるいは、接種率が全国民の8割程度とすれば、接種者も未接種者も感染リスクには全く変わりはないことを示しているのです。この事態に対して、何れの政府も、第3回目の追加接種を急いでいますが、この判断、正しいのでしょうか。
第1に考えるべきは、オミクロン株が弱毒化株であるケースです。南アフリカでは、国民の凡そ7割が感染力の強い同株に自然感染したため、ワクチンを接種することなく抗体を獲得したとの指摘があります。未接種者であれ、接種者であれ、オミクロン株は怖れるに足りず、同株を理由とした政府による追加接種キャンペーンも不要ということになりましょう。
第2の可能性は、オミクロン株の免疫回避性は、ADE(抗体依存性感染増強)を意味しているというものです。ADEは、既存株用に開発されたワクチンの中和抗体の多少にかかわらず、不適切な悪玉抗体、即ち、ADE抗体に起因するものです。この場合、ADE抗体がマクロファージやB細胞などの免疫細胞への感染を招いてしまいますので、事態は深刻です。現行のワクチンでは中和抗体のみならず、同時にADE抗体をも産生しますので、追加接種によって接種者がさらに感染し易くなるリスクが認められましょう(ワクチン接種は免疫力を低下させるとする説もあり、新型コロナウイルス感染症のみならず、他の感染症や癌等にもかかりやすくなるのでは…)。
ADEに関連して第3に指摘し得るのは、変異株であるオミクロン株に対して免疫原罪、あるいは、抗原刷り込み(インプリント)が発生している可能性です。免疫原罪とは、メモリーB細胞が優先的に従来株に対して再活性化するため、変異株への免疫反応が著し低下する現象を意味します。このケースでも、追加接種は、全く以って無意味となりましょう。むしろ、従来株に対する反応が強化されるのですから、免疫原罪を強めてしまうかもしれません。
仮に、追加接種にワクチン効果の増強を期待できるとしますと、それは、時間の経過とともに減少する中和抗体を補うために’ブースト’する、というものです。第4の可能性にあっては、抗体量が評価の絶対的な基準であるならば、確かに追加接種の必要性は認められましょう。しかしながら、ワクチンが短期間に効果が消滅するならば、再三指摘されているように、摂取者は、血栓や心筋炎等のリスクの医ならず、ワクチンの多重接種のリスクに直面せざるを得なくなります。同一抗原の遺伝子ワクチンを接種すると、動物実験とはいえ、5回目頃から死亡率が急上昇し、7、8回で凡そ半数が死亡するとする重大な指摘もあります。また、中和抗体量が減少しても、ワクチン接種によって獲得免疫が得られていれば、追加接種を急ぐ必要はないとする専門家の見解も示されております。
以上に、オミクロン株について幾つかの可能性を見てきましたが、何れの可能性にあっても、’追加接種は危険である’とする判断に至ってしまいます。それにも拘わらず、何故か、政府は、追加接種を急いでいるのです。追加接種が唯一の対策であるかのようにワクチン接種を急ぐ政府の態度には、不信感ばかりを募らせる国民も少なくないのではないかと思うのです。