井伏鱒二さんの小説『山椒魚』は1929年に世に出たそうです。あれ、何か関連あるなあと思ってたら、最近は寝る前に『昭和史』(岩波新書)を読んでたから、ちょうど満州事変とか、世界恐慌とか、そのあたりで日本がおかしくなっていく様子を読んでいますので、重なるところがあったんです。 『山椒魚』と題名を変えたのが1929年だそうで、一度1923年に『幽閉』というタイトルで同じような内容の作品を出したそうです . . . 本文を読む
井伏鱒二さんの対談集を読んでいます。あともう少しで読み終わるのに、なかなか終わらない。 安岡章太郎さんとの二回目の対談では、戦争当時を振り返る話になっています。取り上げているのは、「海行かば」でした。悲しい歌でしたね。(安岡)今聴いて、「海行かば」のような音楽は日本人が西洋音楽を学び始めてはじめてマスターしたものという感じがします。 「君が代」なんかは外人だもの、つまり雅楽を編曲してああいうふう . . . 本文を読む
森敦さんのことを書こうと思います。森敦さんの文壇エッセイ「星霜移り人は去る」(1974 角川文庫)を先日(といってもかなり昔)読み終えたんでした。 今見てみたら、カバーを描いてる司修さんの絵、なかなかすごいものがあるし、内容と合ってない気がするんですけど、インパクトがありました。写真は、もう少し光がいい時に撮ろうと思います。2013年の10月に古本市で買った本でした。100円か200円だったはず . . . 本文を読む
久しぶりに普通の本屋さんに行きました。交通新聞社のハンディ版時刻表の8月号が残っていて、表紙には「長年のご愛顧ありがとうございました」と書かれていました。 コロナの流れの中で、人知れずなくなっていく雑誌の一つになるんでしょうか。電車でどこかに行く時、何度も買わせてもらいました。大きいサイズのものは荷物になるので、なるべく軽いものと思って、新書版の時刻表を買うこともありました。 もう9月号はないん . . . 本文を読む
いつも引用しまくりのズルイことばかりしておりますので、今夜はタイトルだけ借りて、森敦さんのことを書こうと思います。 本当なら、もっとちゃんと調べて、デビュー作とか、芥川賞はいつとったとか、そういうのを調べて書くんですけど、たぶん、70年代前半に取られたんでしょう。 そして、それからも、テレビや文筆活動などされてたと思うんですけど、不思議と森さんが亡くなられたのは憶えていないんです。 なかなか森さ . . . 本文を読む
76年の2月に出た本を、3月に買っています。私は、この本を買おうと思ってたわけではなくて、たぶん、本屋さんに行って、旅をしている本をとにかく何でもいいから買ってみようと、タイトルに一目ぼれして買った本でした。 色川大吉さんって、全然知らない人でした。でも、読んでみたら、ものすごくインパクトがあって、こんなに行動しながらいろんなものを見て、いろんな人と関わって、時代と世界と世の流れと格闘している感 . . . 本文を読む
しばらく富士山を見ていません。それは残念です。もし余裕があれば、必死になってJRの普通を乗り継いで行ってたのに、残念ながら今は行けなくなりました。 東に行くとしても、山梨・静岡は通らずに行くから、富士山はどんなに背伸びしても見えないんでした。空高く、山の頂まで行けば見えるだろうけど、それもかないません。 富士山を扱った小説、そんなのあっただろうか。富士山は、あまりにできすぎてるし、富士山からドラ . . . 本文を読む
私の持っているものは、1974年版の23刷です。1961年から確実に増刷されて23刷だなんて、なかなかのロングセラーでした。 たぶん、今だったら字を大きくして、フリガナつけて、読みやすくした改訂版が出ているんじゃないかな。それくらい静かに読み継がれてきた本だと思います。 1974年の3月、新潮文庫の最新刊、なかなか魅力的なものが出ています。1 遠藤周作「牧歌」……海外 . . . 本文を読む
ここ最近、寝る前に「銀河鉄道の夜」に挑戦しています。何年目のチャレンジかって? なんとほぼ半世紀ぶりのチャレンジなのです。すごいですね。 1975年の7月末に、この新潮文庫は鹿児島の天文館という繁華街の吉田書店というところで買ったみたいでした。それから、読もうと思ってずっと挑戦はしたけれど撃退されて、あっという間にほぼ半世紀が過ぎてしまいました。 今やっと50ページくらい読んで、あと40ページく . . . 本文を読む
毎晩、川端康成さんの「掌の小説」を一つか、二つ読んでいます。そんなの読んだからといって、何の得にもなりません。でも、行き掛かり上、読み続けています。 昨日は、「顔」という小説に出会いました。主人公は、女の子だそうで、今まで子役としてお客の涙を搾り取ってきたみたいでした。 六つ七つから十四五まで彼女は舞台で、泣いてばかりいた。その頃は、見物もまたよく泣いたものだ。 自分が泣けば見物もまた泣くものと . . . 本文を読む
この何とも言えない男女の会話を研究しようと、打ち込んでみました。川端康成さんの「貧者の恋人」という短い小説です。最近はずっとこの本から数ページずつ読んで寝るというパターンを繰り返しています。「この芝居のね、一幕はお前のためにレモンの林にしてやろう。 レモンの林は見もしないが、密柑山の色づいているところは紀伊で見たことがあるんだ。秋のいいお月夜に大阪あたりからも大勢見物に行くんだ。月明かりに蜜柑が . . . 本文を読む
新聞でも取り上げられてたので、あまり気は進みませんでしたけど、NHK-BSの「アナザー・ストーリー」という番組を昨日、一時間も見てしまいました。 テレビである人物を取り上げるということは、関係者の人に取材し、その言葉を編集し、いくつかのドラマを仕立てなくてはならなくて、向田さんの場合は、好きな人がいたというところを掘り起こそうとしていた。相手の人はカメラマンだったそうで、向田さんのポートレートを . . . 本文を読む
8日の夕方です。心配された寒波は、今日はどうにかクリアできました。というか、まだまだ序の口なのかもしれません。これからどんどん寒くなるんでしょうか。 朝の天気予報では、日本の各地のいろんなところで最高気温がどこもみんなヒトケタでした。えっ、そんなことあるのと恐る恐る今日を迎え、動き出し、探り探り過ごしました。 確かに、道路の上はマイナスにはならなかったと思うけど、ずっと零度とかで、いつ凍ってもお . . . 本文を読む
お仕事の帰りに、近所で一番大きな本屋さんに行きました。いつだったか、名前が新潟の日用雑貨チェーン店の名前に変わって、もう何年か経過したように思われます。 いつもの年なら、鉄道系のカレンダーをぶらさげるのに、今年はそういうのを手に入れることもできなくて、仕方なしに月齢の絵が描いてあるカレンダーにしました。 太陽は、それなりに早くなったり、遅くなったり、暑くなったり、寒くなったりするんですけど、そう . . . 本文を読む
今年もあと十日くらいなんですね。私の「幻化」を読むは、ちゃんと最後まで行けるかな。ぜひ行きたいんですけど、昨日だったか、川端さんと三島さんの関係の番組見ました。早速、川端さんの「掌(てのひら)の小説」取り出してみました。川端さんはショートショートを折に触れて書いてたんですね。 もう少し読んで見なくちゃ。とりあえず、鹿児島空港を出なくっちゃ!「枕崎の方に行くんですか?」 車で航空会社の事務所まで送 . . . 本文を読む