私の持っているものは、1974年版の23刷です。1961年から確実に増刷されて23刷だなんて、なかなかのロングセラーでした。
たぶん、今だったら字を大きくして、フリガナつけて、読みやすくした改訂版が出ているんじゃないかな。それくらい静かに読み継がれてきた本だと思います。
1974年の3月、新潮文庫の最新刊、なかなか魅力的なものが出ています。
1 遠藤周作「牧歌」……海外旅行エッセイなんだそうです。全然知らなかったけど、読みたくなります。
2 梅崎春生「幻化」……生の深淵を見つめ続けた著者の後期作品集。もちろん、私は読みました。いつ買ったかなあ。74年に出てたなんて!
3 吉村昭「星への旅」……冷徹かつ即物的手法で詩的美に昇華した表題作。と書いてありますけど、とにかく時代物ではない、しっかりした感じの作品集でした。これも読みました。実はオッサンになってですけど。
4 カーソン「沈黙の春」……世界的な名著。うちの奥さんは読んでいます。私は読んでないです。興味はあります。
5 野坂昭如「好色の魂」……ある人物の伝記なんだそうです。知らなかった。
6 江藤淳「文学と私・戦後と私」……ずっと遠ざけてたこの作家さんですけど、古本市とかで見つけたら買うようにしています。この本もあるみたい。
あと3冊、サガン、シェイクスピア、ソルジェニーツイン、みんな魅力でした。
つくづく思います。私って、70年代小僧だったんだなと思います。そこであれこれ刺激されて、オッサンになっても、そのころに戻りたがっています。他の世代から見たら、やはり古いヤツになるんでしょう。
70年代がよかったのではなくて、そこが育った川だから、大人になってもそこに戻って来るサケみたいなものなんでしょう。
そのころの憧れに近づこうとしたり、そのころできなかったことにチャレンジしたり、とにかく自分がやれなかったことをやろうとしている。
そのあとの80年代、90年代、00年代、10年代、あとの20年は何と呼べばいいのかな。00は新世紀年代? 9.11年代? 10年代は地震時代とでも呼ぶのか。あとの20年は、ニューヨークのテロから始まり、東日本大震災から揺さぶられまくりです。2020年代はコロナに揺さぶられていますし、どんな世の中でも人は生きていきますけど、2001年から、人々は新たな騒がしい時代を生きさせられている気がします。
夜にまた、銀河鉄道そのものを書きます! みなさま、よい1日をお過ごしくださいませ!(ラジオのDJ気分!)