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内田樹さんと釈徹宗さんの対談本『聖地巡礼』(2013 東京書籍)という本の最初のところでこんな記述がありました。
内田 東京には、時計回りの運動性が感じられる。17世紀のはじめに明暦の大火があって、江戸の街が焼けますね。そのときに江戸城の五層の天守閣も焼け落ちるんですけれど、これはもう再建されなかった。城を失うと同時に、江戸という街は軍事的な性格を失ってしまうんです。……以下略……
かくして、東京は江戸城のまわりを東から南、南から北そしてぐるっと回って東へグルグル発展しながら時計回りなんだといいます。昔(80年代?)はサビサビだった浅草からその北部は今、発展してるんでしょう。
時計回りの発展なんだそうです。私の町だった大阪は?
釈徹宗(しゃく・てっしゅう 相愛大学教授) そう考えると、大阪は西へ西へと広がろうとしてきた都市ですね。もちろん西にしか延びるところがないっていう事情もあるんですけど、東側には生駒などの山があるので、朝日の都市じゃなくて夕日の都市です。
大学も海側のところにあるし、そこへお勤めだったら、この西に向かうしかなかった街の構造みたいなのを考えられたでしようね。あと3年で万博を強行して、その跡地はカジノなどの遊興空間にするなんて、確かに工場を誘致してもどこも来ないし、海に浮かぶ不安定なところだから、そうしたバブリーな施設が向いているのかもしれない。
それにしても、大阪湾をすべて埋め尽くしたとしても、発展は望めないでしょう。海上都市とか、空港二つとつながるハブ情報都市とか、あれこれ理屈をつけても、都市そのものの生活度合いを軽視しているんだから、だれもそういうところに注目してくれないでしょう。
そこが面白い街でなくっちゃ!
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物価が安いとか、個人商店が生き生きしているとか、自転車でどこまでも行ける、自転車道路が整備されているとか、音楽・芸能・絵画・その他の文化の専門教育を進めているとか、市民活動が盛んであるとか、都市の活力を生かしてほしいんだけど、すべてよそがやってるだけかもしれない。
それよりも、目先の利益と貧民救済という言葉だけ、なんだろうか。
現実のことは考えないことにします。理想を考えたいです。それに自分がどれだけ参加できるか、なのかなあ。
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この秋、四天王寺の古書市、久しぶりに行けるだろうか。電車で行きたいんだけど。どうだろうねえ。
★ 表紙の夕景は、うちの実家(京セラドームの近所)に、出雲大社から帰ってきて、やっとうちの家の近くに来た! と信号待ちをしていたら、阪神タイガースの試合があるので、続々とドームに向かっている人たちでした。
そう、たぶん、タイガースが37年ぶりに日本一になったとしても、昔のような大騒ぎはないでしょうね。あの1985年、最初で最後の日本一だったのかもしれないんだから、いや、そんないじけたことを書かなくても、37年ぶりに逆転日本一になったとしても、大阪の人たちはあの時みたいには騒がないでしょう。道頓堀川もきれいになったと思うけれど、もう誰も飛び込まないかも。
何だろう。昔みたいな、あの訳の分からない連帯感はもうないんじゃないかな。みんな分断されて、得するヤツだけがぬくぬくとして、切り捨てられた人たちは、熱狂する気持ちを失ってしまったかもしれないな。
やけくそで飛び込む人はいるだろうけど、冷たい視線があるだけじゃないのかな。まあ、熱狂は来ないのです。昨年、最下位からはい上がったヤクルトが今年もオリックスと戦って、今年こそオリックスが久しぶりに日本一になるかな。それでいいと思うんだけど……。