★ 二万五千円あげてはいけない!
父「二万五千円ちょうだい!」
母「何するの? お父さん、そんなお金」
父「□○△(ホームセンターの名前)に行くんや」
母「そんなとこ行って何するの?」
父「花の苗を買うんや」
母「なんで二万五千円もいるの?」
父「花の苗をいっぱい買うんや」
母「あっそう……。でもお父さん、今は入院してるやん」
父「今はそうやけど、退院したらいっぱい植えるんや」
母「あっそう、そうやね。そしたら、退院したらね」
母「お父さんはそんなこと言うてたんやよ」
私「でも、何でそんなこと言うたんやろ?」
父「ただのジョークや。みんなをびっくさせてやろうと思うたんや」
(お父さん、思い切り植物植えたかったんですね。そんなに好きだったんだ)
★ 堕ちてゆく戦闘機
「戦闘機が目の前を通り過ぎて、海のむこうへ堕ちていったんや」
「へーぇ、そうなん」
……オイ、もっと質問することあるやろ。いつ見たのとか、どんなふうに思ったとか、
堕ちたらどうなったんやろとか、もっとつっこんで来いよ!
ああ、こいつは聞いたらそれで流していくつもりやな。
ははーん、それやったらもう、それでええわ。
それから三十年後、息子は歌を詠んだ。
「その昔グラマン墜ちてゆく浜辺軍事教練タコツボの父」いかにもそれらしい。
……オイ、いつの間にグラマンに変わったんや。
ちゃんとゼロ戦って、言うたやろ。終戦間際やのに、グラマンが堕ちるかいな!
「なんでゼロ戦じゃなかったんやろね。私の願望だったのかな」
……そうやない。あんたがちゃんと聞いてなかっただけや。
「そうです、お父さん、私はほんとにボケボケなんです。それは小さい時から、早とちりだったんですね。すみませんでした。」
……まあ、そんなもんやよ!
★ 妻へのジョーク、こいつはわからんやつや!
「わてのバスの券(敬老フリーパス) もらいに行かなあかんな」
「うん、そうやね。今度お父さんが退院したらもらいに行こうね」
(まあ、夫婦の話題としてちょっと言うただけなんやけど、真面目に答えているなあ)
それから何日か経過して、
「おい、ボクのバスの券はまだか?」
「お父さん、あれは本人がもらいに行かな、もらわれへんよ。お父さんは今は無理やよ」
(わかってるわ。これがユーモアや!)
「行かれへんて言うてからは、お父さんは何も言わんかったわ」
(そりゃそうや、あんまりしつこいのは嫌いや。ボケたと思われてもあかんしなあ)
お父さんのショートコント思い出しました! なんか、とても懐かしいです。ブログしていてよかった。そういうの、ついこの間、あったんですもんね!(2021.6.12 Sat)