甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

梨木香歩さんの「紀伊長島」

2021年11月29日 22時52分35秒 | 三重の文学コレクション

 同世代の作家・梨木香歩さんの地名エッセイをちびちび読んでいます。

 そもそもこの本、「鳥と雲と薬草袋/風と双眼鏡、腰掛け毛布」という二つの本が合わさった新潮文庫、2021年の10月に出たんですけど、新聞に少しずつ出たものだから、少しずつ読んでください、というふうに書いてあったから、素直に受け入れて少しずつ読んでいますけど、どうしてこの本を買ったのか?

 それは、私と重なる地名がいくつかあったから、それをどんなふうに書いているのかなと買ったんでしたね。

 紀伊長島は、コロナがない頃はひと月に一回くらいは行ったでしょうか。日帰り温泉はわりと効能がありそうだし、冬のもどりサンマがいた頃は、町中にサンマを干している光景がありました。

 今は、サンマが熊野まで来ないから、秋から冬にかけて、何をつかまえているのか、漁師さんたちが心配になるくらいです。


 夜の紀勢本線に惹かれる。国鉄という呼び名がふさわしいこの線のJR東海、急行か普通に乗って(今はもちろん急行はありません。特急ならあります)、ひと気のない木造の駅舎に小さな電灯がぼんやり灯っているのを窓越しに見ると、この光景は戦前のいつかの時代に違いない、と思う。

 確かに、夜の紀勢線って、ものすごくタイムスリップさせてくれる感じはありますね。



 津の駅に停車中、反対側のプラットホームに「伊勢線乗り場」と札がかかっており、そこに待機していた電車の、暗い明かりに鈍く光る行先に「多気」と書かれてあるのを見つけたときは――多気は、壬申の乱当時のことを調べていた頃、すっかり馴染みになった地名であった。まるで時代そのものが「行先」のようで――ほとんど陶然とした。

 梨木さん、少し独りよがりなんじゃないの? と思ってしまいますけど、確かに「多気(たき・たげ)」という地名は、三重県の古い場所には使われているし、地名そのものが時間の闇を走り抜ける感じにさせたんでしょうか。



 東紀州は、古代、牟婁(むろ)と呼ばれていた地域で、伊勢、志摩の南に位置する。複雑なリアス式海岸が熊野灘の黒潮に洗われ、海のすぐそこまで黒々とした森が迫る。

 紀伊長島は、名古屋方面から南下してくるときの、そういう東紀州の始まりの地である。山に囲まれた小さな漁港があって、その前に民宿があり、ご主人は漁師、朝は漁に出て、午後からは料理人になる。

 このあとに、その民宿での朝の特別味噌汁の記述があるんですけど、そこはカットします。

 牟婁郡の東西は和歌山県にあって、牟婁郡の南北は三重県にあります。私は南牟婁郡というところに何年か住んでおりました。

 今は、クルマで2時間くらいなんですけど、年に2回かそこらしか行かなくなりました。


 また、行きたくなっちゃいますね。

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