廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

ハワード・マギーの爆音

2017年05月04日 | Jazz LP (Savoy)

Howard Mcghee / & Milt Jackson  ( 米 Savoy MG-12026 )


1948年2月の録音なのでビ・バップ期の音楽だけど、少し新しい匂いがし始めているところが感じられる。 SP期の録音だから演奏時間は短いけれど、
ハワード・マギーの吹くフレーズはビ・バップ奏者のものよりもメロディアスで音楽に新しい響きが感じられる。 同時代のトランペッターと言えば、
ディジー、ナヴァロ、エルドリッジらがいたけれど、その中では一足先にモダンジャズへと駒を進めることができた優秀なミュージシャンだった。

にもかかわらず、50年代はドラッグでその大半を棒に振っている。 3大レーベルでハード・バップをしっかりとやっていればきっと傑作群が残ったに違いない。
そういう創られることのなかった幻影のようなものを思い描かずにはいられない。

ジャケット裏に記載されているメンバーが不十分なので備忘録として書いておくと、このアルバムには2つのセッションが収められている。

Howard Mcghee - trumpet
Milt Jackson - vibraphone
Jimmy Heath - alto, baritone sax
Will Davis - piano
Percy Heath - bass
Joe Harris - drums    

howard Mcghee - trumpet
Billy Ekstine - valve trombone
kenny Mann - tenor sax
Hank Jones - piano
Ray Brown - bass
J.C. Heard - drums

前者のセッションではジミー・ヒースがパーカーばりのアルトを聴かせるのが非常に珍しい。 この人もパーカーに似ていると言われるのを嫌ってテナーに
転向したクチかもしれない。 後者のセッションではスキャットが入る曲があるけど、これはミスター・Bなんだろうな、きっと。 みんな演奏が上手い。

全体的にこの時代特有のいい雰囲気が漂っている。 音楽はいつの時代にも世相を反映するものだから、40年代終わりのシカゴの夜はこういう音楽が
似合う街だったんだろうなあ、となんだか羨ましくなる。 

このレコードは1955年に発売されていて、その際にRVGがリマスターを担当しているけれど、これが素晴らしい仕事をしている。 どの音も輝き、耳が
痛くなるような高い音圧で音楽が鳴り響く。 元々の録音が良かったからだろうとは思うけど、それにしてもどうすればここまで音を磨き上げられるんだろうか。
音楽の良さを余すところなく伝えてくれる、とてもいいレコードだと思う。


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