[8月2日13:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]
(この場面は三人称です)
留守番を頼まれたリサ。
午前中は高橋が持ち込んだゲームで遊んでいたのだが、ふと疑問に思ったことがあった。
リサ:(そういえばお留守番って、こんなことでいいのかな?)
首を傾げたリサ。
ふと、背後にある電話機が目に留まる。
リサ:(そうだ!電話して聞けばいいんだ!)
リサは電話の受話器を取った。
リサ:「知り合いのタイラント君に聞いてみよう」
霧生市のアンブレラ研究所にもタイラントが1体いたが、研究所の大爆発に巻き込まれて死んだはずだ。
確かにタイラントは1体だけでなく、量産できるくらいにまで研究は進んでいたそうだ。
リサ:「あっ、もしもし?日本の『リサ・トレヴァー』です。ちょっと聞きたいことが……」
リサは電話口の向こうにいるタイラントに質問内容を話した。
すると……。
タイラント:「殺セ……!財ヲ奪オウトスル者、全テ殺セ。呪イヲ込メテ殺セ。末代マデ不幸ニシテヤル気持チヲ持ッテ殺セ。ロケットランチャー、コルトパイソンニハクレグレモ注意シロ」
リサ:「さすがはタイラントさん。参考になるなぁ」
いや、明らかにおかしい回答だろう。
しかしタイラントもリサも元は人間とはいえ、BOWに改造された者。
思考などもズレてしまうのかもしれない。
リサは礼を言って電話を切った。
リサ:「よーっし!愛原先生に褒めてもらえるよう、お留守番頑張ろう!」
その時、玄関の方から物音がした。
玄関には鍵が掛かっている。
その鍵を外から開けようとしている音だ。
泥棒C:「この家の住人は出払ってる時間だ。今のうちにさっさと済ませよう」
泥棒D:「AとBの奴ら、わざわざゲリラ豪雨の時なんかに入るから、変な幻を見るんだ。こうやって、堂々と天気のいい昼間に入りゃ、幻もヘッタクレも無ェってことよ」
泥棒C:「ああ」
カチッと鍵をピッキングで開ける泥棒達。
泥棒D:「おっ、開いたぞ」
泥棒C:「よし。周りには誰もいねぇ。行くぞ」
泥棒達は愛原の家に侵入した。
泥棒C:「さっさと金目の物を頂いて退散しようぜ」
泥棒D:「ああ」
泥棒達がリビングに侵入した時だった。
リサ:「侵入者……!殺ス……!!」
泥棒C:「!!!」
泥棒D:「!!!」
今度はマンション内に、断末魔に近い叫び声が上がったのは言うまでもない。
[同日15:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 三ツ目通り]
(ここから愛原の一人称になります)
私と高橋君は三ツ目通りを歩いていた。
別に探偵の仕事で歩いていたわけではない。
実はリサとの生活のことを例のエージェントに相談したところ、むしろ私が広いマンションに引っ越すように言われてしまったのだ。
もちろん、その為の費用は負担してくれるとのこと。
仕方が無いので、近くの不動産屋に行って3LDKのマンションを探しに行っていた所だ。
目ぼしい所はいくつかあった。
取りあえず明日、内見しに行って決めるとしよう。
高橋:「せっかく俺がいい所見つけたと思ったのに……」
愛原:「まあまあ。リサとの生活は、クライアントとの契約に基づくものだから。そのクライアントがそうしてくれって言うんだからしょうがないよ。しかも、費用まで出してくれるって言うんだから」
高橋:「…………」
条件はなるべくこの近くで。
それでも何件かヒットした。
その足で内見しに行っても良かったのだが、リサも一緒に住むというのなら、リサにも見てもらう方がいいだろう。
そう思ったのだ。
泥棒C:「た、助けてくれーっ!」
愛原:「ん?」
高橋:「あ?」
菊川2丁目交番に、またもや助けを求める中年男2人の姿があった。
警察官:「何かありましたか?」
泥棒D:「で、出たんだよ!」
警察官:「何が?」
泥棒C:「怪物だよ!危うく、殺されるところだったんだから!」
警察官:「はあ?」
今度は笑いを堪え切れず、大笑いする高橋。
高橋:「せ、先生!今の聞きました?どんだけ化け物の多い町なんだ、ここは!?たははははははっ!!」
私にとっては、普段からポーカーフェイスの高橋が滅多に見せない笑顔を見せて来る方が怖いが。
青年A:「高橋さん、チャス!」
青年B:「どうしたんスか、大ウケして?何か面白いことでもあったんスか?」
そこへ今時の若者といった感じの青年達が通り掛かった。
どうやら、高橋の知り合いらしい。
高橋:「おう、オメーラ!いや、実はな……」
高橋が交番を指さして話した。
青年A:「あーっ!あいつら!俺の車、車上荒らししやがったヤツだ!」
青年B:「俺はアパートに入られた!」
愛原:「な、何だってー!?」
青年達は角材と鉄パイプを手に交番へ走った。
青年A:「見つけたぞ、車上荒らし!」
青年B:「見つけたぞ、空き巣野郎!」
泥棒C:「げっ!?」
泥棒D:「しまった!」
警察官A:「こ、こら!キミ達、やめなさい!」
警察官B:「ここは交番だぞ!!」
あわわわわ……!
何だか、大変なことに!
高橋:「さ、先生。事務所に帰りましょうか」
愛原:「いいのかよ!?」
高橋:「あいつらと泥棒達のことですから。部外者の俺達は蚊帳の外ってことで」
警察はガン無視か。
[同日18:15.天候:晴 愛原のマンション]
私と高橋は帰宅した。
愛原:「ただいまァ」
リサ:「お帰りなさーい!」
今度は私に飛び込んでくることはなかった。
愛原:「留守番どうだった?」
リサ:「寂しかったです」
愛原:「うん、そうか」
リサ:「また侵入者殺せなかったし……」
愛原:「うん、そうか……って、ええ!?」
も、もしかして、交番に駆け込んで来たオッサン達って、もしかして……?
あ、いや。
私は深く考えないことにした。
愛原:「あ、ああ……っと!すぐに夕飯にしよう。高橋君、リサの分も頼む」
高橋:「分かりました」
高橋は台所に向かった。
愛原:「嫌な予感がするから、今日はうちに泊まりなさい」
リサ:「ホント!?」
高橋:「先生!?」
リサはパッと顔を明るくし、高橋は驚愕の声を上げた。
愛原:「明日から、新しい家を探しに行く。リサも一緒に来るんだ」
リサ:「はーい!」
高橋:「どこへ寝させるんですか!?」
愛原:「ここのリビングでいいだろう。布団なら、予備にもう一組あるからな」
高橋:「……先生のお手を煩わせるようなこと、するんじゃねぇぞ?」
リサ:「うん、分かった」
愛原:「いいから高橋君、早いとこ夕飯頼む」
高橋:「は、はい!少々お待ちください!」
(この場面は三人称です)
留守番を頼まれたリサ。
午前中は高橋が持ち込んだゲームで遊んでいたのだが、ふと疑問に思ったことがあった。
リサ:(そういえばお留守番って、こんなことでいいのかな?)
首を傾げたリサ。
ふと、背後にある電話機が目に留まる。
リサ:(そうだ!電話して聞けばいいんだ!)
リサは電話の受話器を取った。
リサ:「知り合いのタイラント君に聞いてみよう」
霧生市のアンブレラ研究所にもタイラントが1体いたが、研究所の大爆発に巻き込まれて死んだはずだ。
確かにタイラントは1体だけでなく、量産できるくらいにまで研究は進んでいたそうだ。
リサ:「あっ、もしもし?日本の『リサ・トレヴァー』です。ちょっと聞きたいことが……」
リサは電話口の向こうにいるタイラントに質問内容を話した。
すると……。
タイラント:「殺セ……!財ヲ奪オウトスル者、全テ殺セ。呪イヲ込メテ殺セ。末代マデ不幸ニシテヤル気持チヲ持ッテ殺セ。ロケットランチャー、コルトパイソンニハクレグレモ注意シロ」
リサ:「さすがはタイラントさん。参考になるなぁ」
いや、明らかにおかしい回答だろう。
しかしタイラントもリサも元は人間とはいえ、BOWに改造された者。
思考などもズレてしまうのかもしれない。
リサは礼を言って電話を切った。
リサ:「よーっし!愛原先生に褒めてもらえるよう、お留守番頑張ろう!」
その時、玄関の方から物音がした。
玄関には鍵が掛かっている。
その鍵を外から開けようとしている音だ。
泥棒C:「この家の住人は出払ってる時間だ。今のうちにさっさと済ませよう」
泥棒D:「AとBの奴ら、わざわざゲリラ豪雨の時なんかに入るから、変な幻を見るんだ。こうやって、堂々と天気のいい昼間に入りゃ、幻もヘッタクレも無ェってことよ」
泥棒C:「ああ」
カチッと鍵をピッキングで開ける泥棒達。
泥棒D:「おっ、開いたぞ」
泥棒C:「よし。周りには誰もいねぇ。行くぞ」
泥棒達は愛原の家に侵入した。
泥棒C:「さっさと金目の物を頂いて退散しようぜ」
泥棒D:「ああ」
泥棒達がリビングに侵入した時だった。
リサ:「侵入者……!殺ス……!!」
泥棒C:「!!!」
泥棒D:「!!!」
今度はマンション内に、断末魔に近い叫び声が上がったのは言うまでもない。
[同日15:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 三ツ目通り]
(ここから愛原の一人称になります)
私と高橋君は三ツ目通りを歩いていた。
別に探偵の仕事で歩いていたわけではない。
実はリサとの生活のことを例のエージェントに相談したところ、むしろ私が広いマンションに引っ越すように言われてしまったのだ。
もちろん、その為の費用は負担してくれるとのこと。
仕方が無いので、近くの不動産屋に行って3LDKのマンションを探しに行っていた所だ。
目ぼしい所はいくつかあった。
取りあえず明日、内見しに行って決めるとしよう。
高橋:「せっかく俺がいい所見つけたと思ったのに……」
愛原:「まあまあ。リサとの生活は、クライアントとの契約に基づくものだから。そのクライアントがそうしてくれって言うんだからしょうがないよ。しかも、費用まで出してくれるって言うんだから」
高橋:「…………」
条件はなるべくこの近くで。
それでも何件かヒットした。
その足で内見しに行っても良かったのだが、リサも一緒に住むというのなら、リサにも見てもらう方がいいだろう。
そう思ったのだ。
泥棒C:「た、助けてくれーっ!」
愛原:「ん?」
高橋:「あ?」
菊川2丁目交番に、またもや助けを求める中年男2人の姿があった。
警察官:「何かありましたか?」
泥棒D:「で、出たんだよ!」
警察官:「何が?」
泥棒C:「怪物だよ!危うく、殺されるところだったんだから!」
警察官:「はあ?」
今度は笑いを堪え切れず、大笑いする高橋。
高橋:「せ、先生!今の聞きました?どんだけ化け物の多い町なんだ、ここは!?たははははははっ!!」
私にとっては、普段からポーカーフェイスの高橋が滅多に見せない笑顔を見せて来る方が怖いが。
青年A:「高橋さん、チャス!」
青年B:「どうしたんスか、大ウケして?何か面白いことでもあったんスか?」
そこへ今時の若者といった感じの青年達が通り掛かった。
どうやら、高橋の知り合いらしい。
高橋:「おう、オメーラ!いや、実はな……」
高橋が交番を指さして話した。
青年A:「あーっ!あいつら!俺の車、車上荒らししやがったヤツだ!」
青年B:「俺はアパートに入られた!」
愛原:「な、何だってー!?」
青年達は角材と鉄パイプを手に交番へ走った。
青年A:「見つけたぞ、車上荒らし!」
青年B:「見つけたぞ、空き巣野郎!」
泥棒C:「げっ!?」
泥棒D:「しまった!」
警察官A:「こ、こら!キミ達、やめなさい!」
警察官B:「ここは交番だぞ!!」
あわわわわ……!
何だか、大変なことに!
高橋:「さ、先生。事務所に帰りましょうか」
愛原:「いいのかよ!?」
高橋:「あいつらと泥棒達のことですから。部外者の俺達は蚊帳の外ってことで」
警察はガン無視か。
[同日18:15.天候:晴 愛原のマンション]
私と高橋は帰宅した。
愛原:「ただいまァ」
リサ:「お帰りなさーい!」
今度は私に飛び込んでくることはなかった。
愛原:「留守番どうだった?」
リサ:「寂しかったです」
愛原:「うん、そうか」
リサ:「また侵入者殺せなかったし……」
愛原:「うん、そうか……って、ええ!?」
も、もしかして、交番に駆け込んで来たオッサン達って、もしかして……?
あ、いや。
私は深く考えないことにした。
愛原:「あ、ああ……っと!すぐに夕飯にしよう。高橋君、リサの分も頼む」
高橋:「分かりました」
高橋は台所に向かった。
愛原:「嫌な予感がするから、今日はうちに泊まりなさい」
リサ:「ホント!?」
高橋:「先生!?」
リサはパッと顔を明るくし、高橋は驚愕の声を上げた。
愛原:「明日から、新しい家を探しに行く。リサも一緒に来るんだ」
リサ:「はーい!」
高橋:「どこへ寝させるんですか!?」
愛原:「ここのリビングでいいだろう。布団なら、予備にもう一組あるからな」
高橋:「……先生のお手を煩わせるようなこと、するんじゃねぇぞ?」
リサ:「うん、分かった」
愛原:「いいから高橋君、早いとこ夕飯頼む」
高橋:「は、はい!少々お待ちください!」