[3月21日12:00.天候:晴 静岡県富士宮市某所 デイライト秘密施設外]
再びエレベーターに地上に戻り、廃工場の中を歩いていると、外から銃声の音がした。
愛原:「何だ!?」
私達は急いで通用口から外に出た。
部下:「ぐわっ!」
外に出ると、銃を構えた善場主任の部下がハンターに鋭い爪で串刺しにされるところだった。
主任の部下は車の中で待っていたのだ。
愛原:「は、ハンターだ!」
高橋:「どっから湧いて来た!?」
ハンターは3匹ほどいた。
全てがスタンダードタイプのα。
2足歩行のトカゲの化け物といった感じだ。
私達に気づくと、ハンター達は鋭い爪を振り上げて近づいて来た。
栗原蓮華:「愛里は中にいて!」
栗原愛里:「う、うん」
リサ:「オマエら!誰の命令だ!?」
リサは第1形態に変化し、ハンターに負けず劣らずの長くて鋭い爪を立てながら睨み付けた。
蓮華さんは麻袋の中から日本刀を取り出して、それを抜き構える。
善場主任はスーツの懐の中から拳銃を取り出した。
ハンター達は喋ることができない為、リサを見ても何も言ってこない。
そして、ハンターの一匹が私達に飛び掛かって来た。
リサ:「はーっ!」
蓮華:「でやぁーっ!」
ハンターの一匹はリサの爪に引き裂かれて、赤い血を噴き出した。
一応、爬虫類の化け物でも血の色は赤らしい。
リサの爪で大ダメージを食らった所に、蓮華さんが刀を振り下ろしてハンターの首を切る。
太くて硬い首なので、さすがの蓮華さんも一回では刎ね飛ばせないようだ。
善場主任はハンターに向かって、何か一発の小型爆弾を投げた。
ピコーンピコーンと何かアラームのような音が鳴って、光が不規則に点滅している。
ハンターはそれに吸い寄せられるように向かって行く。
が、次の瞬間、それが爆発してハンター2匹が吹っ飛んだ。
その隙に善場主任は車の助手席のドアを開け、そこからショットガンを取り出した。
爆弾の威力はそんなでも無いのか、人間なら即死しそうな爆発でも、ハンターは死んでいなかった。
善場主任はショットガンを構えると、大怪我したハンター達にとどめを刺した。
最後の一匹はリサと蓮華さんが仕留めた。
愛原:「おー、さすがだ、リサ!」
私がリサを褒めてやると、鬼の姿をしながらも照れ笑いを浮かべた。
リサ:「いぇい」(^^)v
そうこうしているうちに、パトカーのサイレンが近づいて来た。
銃声の音が何度もしたので、近所の住民が通報したのだろう。
善場:「警察には私が応対します」
愛原:「それにしても、どうしてハンターがこんな所に?」
善場:「うちの施設を攻撃したいどこかが送り込んで来たのでしょうね」
よく見ると、車を止めている空き地には大型の檻が3個転がっていた。
車で運んだ形跡は無いことから、ヘリでやってきて、上空から投下したのか。
警察が来ると、善場主任は自分の身分証を見せて警察官達と話していた。
その身分証はNPO法人デイライトの物なのか、或いは主任が本当に所属している政府機関の物なのかは分からない。
とにかく、これで私達が警察から疑われることは無さそうだ。
[同日16:30.天候:晴 静岡県富士市 JR新富士駅・ASTY新富士1F]
私達は善場主任運転の車で、新富士駅まで送られた。
善場:「何だか巻き込んでしまったようで、申し訳ありません」
愛原:「いえ。部下の人にはお気の毒でした」
ハンターにやられた主任の部下は、心肺停止の状態で病院に搬送された。
警察の捜査に協力しているうちに、随分と時間が過ぎてしまった。
高橋:「姉ちゃんのせいで、先生が温泉に入れなかったんだぞ?どうしてくれる?」
愛原:「高橋、やめろ!しょうがないだろ!」
善場:「このお詫びは必ずしますので、どうか平に……」
リサ:「本当?」
善場:「本当よ」
リサもまた高橋と一緒に怒ってくれているらしい。
但し、さすがにリサ・トレヴァーの先輩相手に、高橋のようにあからさまに文句は言えないようだ。
愛原:「“こだま”は……もうすぐ発車か。慌ただしいから、次の“こだま”にしよう。先にキップだけ買って、後は中で少し休もう」
私は自動券売機で東京までの乗車券と自由席特急券を買うと、駅構内にある商業施設に向かった。
ASTY新富士という2階建ての施設である。
観光案内所もあるが、他には飲食店などもある。
1階の入口に程近い場所にカフェがあり、そこでコーヒー一杯でも飲むことにした。
驚いたことに、もうラストオーダーの時間だという。
コロナ禍による時短営業恐るべし。
[同日17:07.天候:晴 JR新富士駅・ホーム→東海道新幹線734A列車16号車]
〔ピン♪ポン♪パン♪ポーン♪ 新幹線をご利用頂きまして、ありがとうございます。まもなく1番線に、17時10分発、“こだま”734号、東京行きが到着致します。黄色い点字ブロックの内側まで、お下がりください。この電車は、各駅に止まります。……〕
列車を待っている間、何本かの通過列車が高速で通過線を通過していた。
その迫力は線路一本分挟んでも、なかなかに豪快なものだった。
リサ:「うん。さすがのタイラント君も、あれなら跳ね飛ばされそう」
とは、リサの言。
愛原:「ネメシスだと?」
リサ:「最初の形態だと跳ね飛ばせるかもしれないけど、列車が脱線するかもね」
とのこと。
通過線を高速で通過していく列車と同種ながら、ホームのある副線を低速度で進入してくる“こだま”。
下りがN700系だったのに対し、今はN700Aが来た。
思った通り、名古屋始発の“こだま”は空いていた。
ドアが開いて車内に入り、空いている席に座る。
そうしているうちに、もう後続の通過列車が轟音を立てて通過していった。
風圧でこの列車も揺れる。
愛原:「ここでいいか」
往路と同じように、2人席に座る私達。
しかし栗原姉妹は、私達とは通路を挟んで隣の3人席に座った。
通路側の席は荷物置き場だ。
N700Aだと、ヘッドレストがN700系よりも張り出しが大きい。
〔「17時10分発、“こだま”734号、東京行きです。発車までご乗車になり、お待ちください」〕
その後、また通過列車を見送ると、ようやく列車は発車となる。
先ほどの戦いの疲れのせいか、はたまた旅行そのものの疲れのせいなのか、少女達は東京駅に着くまで終始舟を漕いでいた。
再びエレベーターに地上に戻り、廃工場の中を歩いていると、外から銃声の音がした。
愛原:「何だ!?」
私達は急いで通用口から外に出た。
部下:「ぐわっ!」
外に出ると、銃を構えた善場主任の部下がハンターに鋭い爪で串刺しにされるところだった。
主任の部下は車の中で待っていたのだ。
愛原:「は、ハンターだ!」
高橋:「どっから湧いて来た!?」
ハンターは3匹ほどいた。
全てがスタンダードタイプのα。
2足歩行のトカゲの化け物といった感じだ。
私達に気づくと、ハンター達は鋭い爪を振り上げて近づいて来た。
栗原蓮華:「愛里は中にいて!」
栗原愛里:「う、うん」
リサ:「オマエら!誰の命令だ!?」
リサは第1形態に変化し、ハンターに負けず劣らずの長くて鋭い爪を立てながら睨み付けた。
蓮華さんは麻袋の中から日本刀を取り出して、それを抜き構える。
善場主任はスーツの懐の中から拳銃を取り出した。
ハンター達は喋ることができない為、リサを見ても何も言ってこない。
そして、ハンターの一匹が私達に飛び掛かって来た。
リサ:「はーっ!」
蓮華:「でやぁーっ!」
ハンターの一匹はリサの爪に引き裂かれて、赤い血を噴き出した。
一応、爬虫類の化け物でも血の色は赤らしい。
リサの爪で大ダメージを食らった所に、蓮華さんが刀を振り下ろしてハンターの首を切る。
太くて硬い首なので、さすがの蓮華さんも一回では刎ね飛ばせないようだ。
善場主任はハンターに向かって、何か一発の小型爆弾を投げた。
ピコーンピコーンと何かアラームのような音が鳴って、光が不規則に点滅している。
ハンターはそれに吸い寄せられるように向かって行く。
が、次の瞬間、それが爆発してハンター2匹が吹っ飛んだ。
その隙に善場主任は車の助手席のドアを開け、そこからショットガンを取り出した。
爆弾の威力はそんなでも無いのか、人間なら即死しそうな爆発でも、ハンターは死んでいなかった。
善場主任はショットガンを構えると、大怪我したハンター達にとどめを刺した。
最後の一匹はリサと蓮華さんが仕留めた。
愛原:「おー、さすがだ、リサ!」
私がリサを褒めてやると、鬼の姿をしながらも照れ笑いを浮かべた。
リサ:「いぇい」(^^)v
そうこうしているうちに、パトカーのサイレンが近づいて来た。
銃声の音が何度もしたので、近所の住民が通報したのだろう。
善場:「警察には私が応対します」
愛原:「それにしても、どうしてハンターがこんな所に?」
善場:「うちの施設を攻撃したいどこかが送り込んで来たのでしょうね」
よく見ると、車を止めている空き地には大型の檻が3個転がっていた。
車で運んだ形跡は無いことから、ヘリでやってきて、上空から投下したのか。
警察が来ると、善場主任は自分の身分証を見せて警察官達と話していた。
その身分証はNPO法人デイライトの物なのか、或いは主任が本当に所属している政府機関の物なのかは分からない。
とにかく、これで私達が警察から疑われることは無さそうだ。
[同日16:30.天候:晴 静岡県富士市 JR新富士駅・ASTY新富士1F]
私達は善場主任運転の車で、新富士駅まで送られた。
善場:「何だか巻き込んでしまったようで、申し訳ありません」
愛原:「いえ。部下の人にはお気の毒でした」
ハンターにやられた主任の部下は、心肺停止の状態で病院に搬送された。
警察の捜査に協力しているうちに、随分と時間が過ぎてしまった。
高橋:「姉ちゃんのせいで、先生が温泉に入れなかったんだぞ?どうしてくれる?」
愛原:「高橋、やめろ!しょうがないだろ!」
善場:「このお詫びは必ずしますので、どうか平に……」
リサ:「本当?」
善場:「本当よ」
リサもまた高橋と一緒に怒ってくれているらしい。
但し、さすがにリサ・トレヴァーの先輩相手に、高橋のようにあからさまに文句は言えないようだ。
愛原:「“こだま”は……もうすぐ発車か。慌ただしいから、次の“こだま”にしよう。先にキップだけ買って、後は中で少し休もう」
私は自動券売機で東京までの乗車券と自由席特急券を買うと、駅構内にある商業施設に向かった。
ASTY新富士という2階建ての施設である。
観光案内所もあるが、他には飲食店などもある。
1階の入口に程近い場所にカフェがあり、そこでコーヒー一杯でも飲むことにした。
驚いたことに、もうラストオーダーの時間だという。
コロナ禍による時短営業恐るべし。
[同日17:07.天候:晴 JR新富士駅・ホーム→東海道新幹線734A列車16号車]
〔ピン♪ポン♪パン♪ポーン♪ 新幹線をご利用頂きまして、ありがとうございます。まもなく1番線に、17時10分発、“こだま”734号、東京行きが到着致します。黄色い点字ブロックの内側まで、お下がりください。この電車は、各駅に止まります。……〕
列車を待っている間、何本かの通過列車が高速で通過線を通過していた。
その迫力は線路一本分挟んでも、なかなかに豪快なものだった。
リサ:「うん。さすがのタイラント君も、あれなら跳ね飛ばされそう」
とは、リサの言。
愛原:「ネメシスだと?」
リサ:「最初の形態だと跳ね飛ばせるかもしれないけど、列車が脱線するかもね」
とのこと。
通過線を高速で通過していく列車と同種ながら、ホームのある副線を低速度で進入してくる“こだま”。
下りがN700系だったのに対し、今はN700Aが来た。
思った通り、名古屋始発の“こだま”は空いていた。
ドアが開いて車内に入り、空いている席に座る。
そうしているうちに、もう後続の通過列車が轟音を立てて通過していった。
風圧でこの列車も揺れる。
愛原:「ここでいいか」
往路と同じように、2人席に座る私達。
しかし栗原姉妹は、私達とは通路を挟んで隣の3人席に座った。
通路側の席は荷物置き場だ。
N700Aだと、ヘッドレストがN700系よりも張り出しが大きい。
〔「17時10分発、“こだま”734号、東京行きです。発車までご乗車になり、お待ちください」〕
その後、また通過列車を見送ると、ようやく列車は発車となる。
先ほどの戦いの疲れのせいか、はたまた旅行そのものの疲れのせいなのか、少女達は東京駅に着くまで終始舟を漕いでいた。