[4月4日12:00.天候:晴 秋田県大館市豊町 大館市立総合病院]
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
大館市郊外でのBOWとの戦いから一夜明け、私達は大館矢立ハイツをチェックアウトした。
そして、昨夜の戦いで何らかのウィルスに感染していないか検査を受ける為、ここから最も近い指定病院に向かうことにした。
今日は日曜日だが、そこは指定病院。
私達の為に検査をしてくれるらしい。
私達は車に乗って市街地を目指した。
市街地へ行くので、国道7号線をひたすら南下する。
例の現場の前を通ることになるが、表向きにはラーメン店でガス爆発があり、それで火災が起こったということになっていた。
バリケードは剥がされ、しかし多くの警察車両が駐車場に止まっている。
BSAAの姿は無かった。
彼らはあくまでバイオハザードの鎮圧、予防の為に出動するのであり、その後に関しては黒幕の捕縛以外には動かない。
ここにBSAAがいないということは、黒幕、つまり白井はいないということだ。
カーナビの通りに進んで市街地に入り、そこにある市立病院に入る。
日曜日なので、通常の外来は行われていない。
しかし、市の休日夜間急患センターは開いている。
そこに行くのかなと思ったが、私達はしっかり病棟へ案内された。
まずは救急処置室へと入れられる。
そこで医療スタッフから、今日行われる検査について説明を受けた。
色々とされるようだが、何とか夕方までは結果が出るようである。
私達は良いのだが、今日中に帰京しないと、リサが明日から学校だからなぁ……。
リサ:「えー、お昼これだけー?」
愛原:「しょうがないだろ。検査中なんだから」
検査はお昼を挟む。
病院にはレストランもあるのだが、休診日の今日は営業していない。
コンビニがあり、昼食はそこでコンビニ弁当を買った。
尚、検査食とかは特に無い。
また、病院食も、別に入院しているわけではないのだから出るわけがなかった。
コンビニが開いていて(日曜日でも勤務しているスタッフはいるし、入院患者でも病室外を出歩ける人には需要があるのだろう)、そこで弁当が売られているだけだいぶマシだろう。
ていうか私から見れば、リサの食事量はかなり多いと思うのだが。
私なんかミートソースパスタだけだぞ。
リサ:「ファミチキもいい!?」
愛原:「ああ、いいよいいよ」
ついでに店内のATMで金を下ろしておこう。
高橋:「何時頃、帰れますかね?」
愛原:「まずハッキリ言えるのは、大館能代空港発の飛行機にはもう乗れないってことだ」
高橋:「もう飛行機無いんスか!?」
愛原:「本来なら3往復くらいの便があったんだけど、コロナ禍のせいなのか、1往復に減便されてる。俺達が乗って来た便は、その1往復のうちの下り一便だけだよ」
高橋:「帰りは?」
愛原:「午前中の一便で終わり」
高橋:「ええっ、マジっすか!?じゃあ、どうするんスか?」
愛原:「鉄道で只管帰るか」
高橋:「秋田新幹線ですか?」
愛原:「花輪線で盛岡まで行って、そこから東北新幹線でもいいと思う。もっとも、乗り換えは少ないが、時間は掛かる。ところが、その割にはそんなに遠回りってわけでもないんだ。盛岡駅で東北新幹線に上手く接続するダイヤになっているんだが、その東北新幹線、秋田新幹線も連結するんだ」
高橋:「有名ですね」
愛原:「その秋田新幹線に乗る為には、盛岡行きの鈍行列車より早く出発する列車に乗らないといけないんだ」
高橋:「んん?ということは……?」
愛原:「秋田新幹線回りの方が遠回りで遅いってことだよ」
高橋:「そうなんスか。だったら……」
愛原:「17時35分発、花輪線の盛岡行き。どんなに遅くても、これに乗れなかったらアウトだ」
善場:「秋田空港からなら、夜出発の便もございますよ?」
私達がイートインコーナーで昼食を取っていると、善場主任がやってきた。
愛原:「善場主任!」
善場:「皆さん、お疲れさまです」
そして、空いている椅子に座る。
愛原:「秋田空港まで行くのが大変ですなぁ……」
善場:「所長ならそう仰ると思いました。鉄道好きが航空便に乗るのは邪道ですか?」
愛原:「北秋田地域みたいに、首都圏からの便が不便な所なら航空便も有りだと思いますよ。なもんで、もしも大館能代空港からも夕方や夜の便があれば、迷わずそれを選択しています」
羽田空港からのアクセスも微妙な所だ。
菊川付近には乗り換え無しのリムジンバスは運転されていないし、鉄道も結局は東日本橋駅で乗り換えないと行けないから不便だ。
鉄道なら花輪線で盛岡、盛岡から東北新幹線で東京、東京駅から都営バスに乗り換えることができる。
もっとも今日の場合、もうバスは無いから、タクシーに乗ることにはなるだろうがな。
善場:「でしょうね。それと、愛原所長に朗報です」
愛原:「白井が見つかりましたか!?」
善場:「それはあいにく、まだです。BSAAが所長方の協力に感謝ということで、報奨金を出すそうですよ」
愛原:「おおっ、それはありがたい!」
デイライトさんからも出るのかなぁ……と思ったが、善場主任は何も言わなかった(出ないとも言っていない)。
善場:「何しろBSAAの隊が1つ全滅するようなBOWを相手に、よく戦いましたからね」
愛原:「リサのおかげですよ」
リサ:「むふー」
リサは誇らしげに鼻息を荒くした。
善場:「よく頑張りましたね」
リサ:「エヘヘ……」(*´∀`*)
愛原:「ラーメン屋の店長とかはどうなるんですか?」
善場:「店長にあっては感染が確実ですので、隔離して発症しないようにワクチンを投与しております。その後はBSAAや私共で、事の経緯について聴取することになります」
愛原:「そうですか。リサが怪しんだBOWについての正体、まだ分かりませんか」
善場:「あいにくまだ調査中です。しかし、愛原所長方の御協力には感謝しております。今後ともよろしくお願い致します」
お?これはもしかしたら、デイライトさんからも報酬もらえるかな???
……とはいえ、民間の探偵業者にできることはここまでなんだよな。
私達も真相を知りたいところだけど、民間人が深入りしてしまってはいけない部分もあるし。
まあ、しょうがない。
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
大館市郊外でのBOWとの戦いから一夜明け、私達は大館矢立ハイツをチェックアウトした。
そして、昨夜の戦いで何らかのウィルスに感染していないか検査を受ける為、ここから最も近い指定病院に向かうことにした。
今日は日曜日だが、そこは指定病院。
私達の為に検査をしてくれるらしい。
私達は車に乗って市街地を目指した。
市街地へ行くので、国道7号線をひたすら南下する。
例の現場の前を通ることになるが、表向きにはラーメン店でガス爆発があり、それで火災が起こったということになっていた。
バリケードは剥がされ、しかし多くの警察車両が駐車場に止まっている。
BSAAの姿は無かった。
彼らはあくまでバイオハザードの鎮圧、予防の為に出動するのであり、その後に関しては黒幕の捕縛以外には動かない。
ここにBSAAがいないということは、黒幕、つまり白井はいないということだ。
カーナビの通りに進んで市街地に入り、そこにある市立病院に入る。
日曜日なので、通常の外来は行われていない。
しかし、市の休日夜間急患センターは開いている。
そこに行くのかなと思ったが、私達はしっかり病棟へ案内された。
まずは救急処置室へと入れられる。
そこで医療スタッフから、今日行われる検査について説明を受けた。
色々とされるようだが、何とか夕方までは結果が出るようである。
私達は良いのだが、今日中に帰京しないと、リサが明日から学校だからなぁ……。
リサ:「えー、お昼これだけー?」
愛原:「しょうがないだろ。検査中なんだから」
検査はお昼を挟む。
病院にはレストランもあるのだが、休診日の今日は営業していない。
コンビニがあり、昼食はそこでコンビニ弁当を買った。
尚、検査食とかは特に無い。
また、病院食も、別に入院しているわけではないのだから出るわけがなかった。
コンビニが開いていて(日曜日でも勤務しているスタッフはいるし、入院患者でも病室外を出歩ける人には需要があるのだろう)、そこで弁当が売られているだけだいぶマシだろう。
ていうか私から見れば、リサの食事量はかなり多いと思うのだが。
私なんかミートソースパスタだけだぞ。
リサ:「ファミチキもいい!?」
愛原:「ああ、いいよいいよ」
ついでに店内のATMで金を下ろしておこう。
高橋:「何時頃、帰れますかね?」
愛原:「まずハッキリ言えるのは、大館能代空港発の飛行機にはもう乗れないってことだ」
高橋:「もう飛行機無いんスか!?」
愛原:「本来なら3往復くらいの便があったんだけど、コロナ禍のせいなのか、1往復に減便されてる。俺達が乗って来た便は、その1往復のうちの下り一便だけだよ」
高橋:「帰りは?」
愛原:「午前中の一便で終わり」
高橋:「ええっ、マジっすか!?じゃあ、どうするんスか?」
愛原:「鉄道で只管帰るか」
高橋:「秋田新幹線ですか?」
愛原:「花輪線で盛岡まで行って、そこから東北新幹線でもいいと思う。もっとも、乗り換えは少ないが、時間は掛かる。ところが、その割にはそんなに遠回りってわけでもないんだ。盛岡駅で東北新幹線に上手く接続するダイヤになっているんだが、その東北新幹線、秋田新幹線も連結するんだ」
高橋:「有名ですね」
愛原:「その秋田新幹線に乗る為には、盛岡行きの鈍行列車より早く出発する列車に乗らないといけないんだ」
高橋:「んん?ということは……?」
愛原:「秋田新幹線回りの方が遠回りで遅いってことだよ」
高橋:「そうなんスか。だったら……」
愛原:「17時35分発、花輪線の盛岡行き。どんなに遅くても、これに乗れなかったらアウトだ」
善場:「秋田空港からなら、夜出発の便もございますよ?」
私達がイートインコーナーで昼食を取っていると、善場主任がやってきた。
愛原:「善場主任!」
善場:「皆さん、お疲れさまです」
そして、空いている椅子に座る。
愛原:「秋田空港まで行くのが大変ですなぁ……」
善場:「所長ならそう仰ると思いました。鉄道好きが航空便に乗るのは邪道ですか?」
愛原:「北秋田地域みたいに、首都圏からの便が不便な所なら航空便も有りだと思いますよ。なもんで、もしも大館能代空港からも夕方や夜の便があれば、迷わずそれを選択しています」
羽田空港からのアクセスも微妙な所だ。
菊川付近には乗り換え無しのリムジンバスは運転されていないし、鉄道も結局は東日本橋駅で乗り換えないと行けないから不便だ。
鉄道なら花輪線で盛岡、盛岡から東北新幹線で東京、東京駅から都営バスに乗り換えることができる。
もっとも今日の場合、もうバスは無いから、タクシーに乗ることにはなるだろうがな。
善場:「でしょうね。それと、愛原所長に朗報です」
愛原:「白井が見つかりましたか!?」
善場:「それはあいにく、まだです。BSAAが所長方の協力に感謝ということで、報奨金を出すそうですよ」
愛原:「おおっ、それはありがたい!」
デイライトさんからも出るのかなぁ……と思ったが、善場主任は何も言わなかった(出ないとも言っていない)。
善場:「何しろBSAAの隊が1つ全滅するようなBOWを相手に、よく戦いましたからね」
愛原:「リサのおかげですよ」
リサ:「むふー」
リサは誇らしげに鼻息を荒くした。
善場:「よく頑張りましたね」
リサ:「エヘヘ……」(*´∀`*)
愛原:「ラーメン屋の店長とかはどうなるんですか?」
善場:「店長にあっては感染が確実ですので、隔離して発症しないようにワクチンを投与しております。その後はBSAAや私共で、事の経緯について聴取することになります」
愛原:「そうですか。リサが怪しんだBOWについての正体、まだ分かりませんか」
善場:「あいにくまだ調査中です。しかし、愛原所長方の御協力には感謝しております。今後ともよろしくお願い致します」
お?これはもしかしたら、デイライトさんからも報酬もらえるかな???
……とはいえ、民間の探偵業者にできることはここまでなんだよな。
私達も真相を知りたいところだけど、民間人が深入りしてしまってはいけない部分もあるし。
まあ、しょうがない。