報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「場所を映してミーティング」

2024-12-20 20:31:53 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[6月16日11時30分 天候:晴 東京都港区新橋 NPO法人デイライト東京事務所・地下→JR新橋駅→喫茶室ルノアール]

 善場係長はまだ固定電話でどこへ電話した。
 それが終わると……。

 善場「それでは、参りましょう」
 愛原「あ、はい」

 私達は善場係長について、地下通路の奥へと進んだ。
 奥の方は照明が少なく、とても薄暗い所がある。
 しかし、時折聞こえてくる電車の音が段々と大きくなった。

 愛原「これは地下鉄?」
 善場「いえ、横須賀線です」

 地下鉄に限らず、この辺りはJR横須賀線も地下トンネルを走行している。
 途中には鉄扉が何枚があったが、そのうち係長は、『J』と書かれたドア開けた。
 その先には通路が続いていたが、先ほどの通路よりも明るい。

 愛原「ここは……?」

 すると、天井のスピーカーから……。

〔ピーン♪ポーン♪パーン♪ポーン♪ いつもJR東日本、新橋駅をご利用くださいまして、ありがとうございます。JR東日本より、お知らせ致します。……〕

 愛原「ここはもしかして、JRの職員用通路!?」
 善場「そんな所です。その壁の向こうはホームですよ」
 愛原「こんな所に隠し通路があったなんて……」
 善場「もちろん、他言無用ですよ」
 愛原「も、もちろんです!お前達も分かってるな!?」
 リサ「え?」(←タイムライン送信直前)
 パール「え?」(←インスタ投稿直前)
 愛原「コラ、お前ら!」
 善場「いけませんねぇ……」
 愛原「す、すいません!よく言って聞かせますんで!」
 パール「善場係長。もしかして、首都高速に出られる扉なんてのもあったりしますか?」
 善場「ご想像にお任せします」
 パール「かしこまりました」

 通路の先へ行くともう1つ鉄扉があり、それを開けると改札外コンコースに出た。
 ドアの外側には、『関係者以外立入禁止』の表示がしてあった。
 一瞬だが、日常に戻ったような気がする。

 愛原「ここから電車で移動するのですか?」
 善場「いいえ。すぐそこです」

 駅の外に出る。

 リサ「うわっ!BSAAのヘリコプターだ!」

 またもや、デイライトの事務所のビルがある辺り上空にホバリングし、そこからBSAAの隊員がロープを使って降下しているのが見えた。

 愛原「他の職員さん達は大丈夫なのですか?」
 善場「大丈夫です。BSAAも抵抗さえしなければ、普通に拘束するだけですし、今、政府も動くところです。政治的圧力により、まもなくBSAAは動きを止めることになるでしょう。それまでの間、我々は打ち合わせを進めましょう」

 そして移動したのは、駅前の喫茶店。
 貸会議室も併設された店舗で、係長は首尾よくその部屋を押さえていた。
 それとも、これも政治の力なのだろうか?」

 善場「まもなくお昼ですし、昼食を取りながらでもお話ししましょう」
 リサ「やったー!」
 愛原「そんな、いいんですか?」
 善場「構いませんよ。所長とは報酬の話もしたいですし」
 愛原「宜しくお願い致します!」

 貸会議室に入ると、まず係長は窓のブラインドを下ろした。
 それで、外から見えないようにしたわけである。

 善場「先に注文しちゃいましょう」

 フードメニューは主にサンドイッチが多い。
 リサは1番肉の多そうなチキン系を希望し、パールはトーストと玉子、私と善場係長はミックスサンドイッチを希望した。
 ドリンクはリサ以外、コーヒー。
 リサだけオレンジジュース。
 何だか、サンドイッチも久しぶりだ。

 パール「その前に、一服行ってきて宜しいですか?」
 愛原「いいよ。私も、ちょっとお手洗いに行ってきます」
 善場「どうぞどうぞ」

 なのでミーティング開始は、注文した物が来てからということになった。

[同日12時30分 天候:晴 喫茶室ルノアール新橋汐留口駅前店・貸会議室]

 あれから1時間ほど経ったが、BSAAがこちらに気づいて乗り込んでくる様子は無い。
 善場係長の話を聞けば聞くほど、真偽不明の情報が多々出ていたことが分かった。
 まず、私達が探索した斉藤家の隠し別荘は、静岡県だけではないということだ。
 善場係長は熱海の隠し別荘に行ったし、別の探偵業者は千葉県南房総の隠し別荘に行ったそうだ。
 しかし、そこは罠が仕掛けられており、探索者に死傷者が出たという。
 BSAAはBSAAで、独自に何がしかの施設を探索しており、そこで偽情報を掴んで踊らされているのだろうとのことだった。
 それがどういった内容なのか確認したくても、『悪魔に魂を売った組織に見せる情報は無い!』の一点張りだそう。
 埒が明かないので、公安調査庁や上部組織の法務省にも動いてもらって、対策をしているところとのこと。

 愛原「本当にBSAAは大丈夫なんですか?」
 善場「大丈夫ですよ」
 リサ「“青いアンブレラ”の方がマシだなんて?」
 善場「そんなことはありません!」
 愛原「リサ」
 リサ「はぁーい……」
 善場「それより、今度は愛原所長方の動きについて教えて頂けないでしょうか?」
 愛原「はい」

 私は報告書を善場係長のノートPCに送信していた。
 それを見ながら話を進めた。
 やはり係長の関心事は、埼玉の斉藤家での探索だった。

 愛原「リサ、例のカードを」
 リサ「はい」

 リサは『アンブレラのプラチナカード』を取り出した。

 愛原「斉藤家の書斎にて、それまでのゴールドカードがアップデートされたものです。映像の斉藤元社長曰く、『今後はゴールドカードでは開かない扉が出てくる』とのこと」
 リサ「ゴールドカードは金庫に食べられちゃった」
 善場「……かしこまりました。それでは、このカードは一時お預かりします。中に、どんなデータが入っているか解析したいので」
 愛原「分かりました」

 ゴールドカードの時もそうだ。
 本物のカードはリサに返されたので、恐らくゴールドカードは複製に成功したのだろう。

 リサ「ゴールドカードとは色違いだよ」
 善場「そうですね。白金に輝いています」
 愛原「すると、どこかにブラックカードがあるのかもしれませんね?アメックスみたいに」
 善場「そうかもしれません。確かに、アメリカン・エキスプレスをイメージしたものなのでしょうね。実際、アメリカのアンブレラ本体では、このカードキーにクレジットの機能を併せた物もあったそうですから」
 愛原「へえ……」

 ただ、アメックスのプラチナカードがメタル製なのに対し、リサが手に入れたのは、そのままプラスチックのカードであった。
 また、表記を見るに、クレカの機能は無さそうだった。
 それから、斉藤元社長の映像についての話になった。
 斉藤社長はどこかの部屋のソファに座って話をしていたのだが、違和感があった。

 愛原「窓には光が差し込んでいたんですが、光が揺れていたんですよ」
 善場「それはどういうことですか?」
 愛原「微かに、列車が通過する音がしたんです。それに合わせて、窓から入って来る光が動いたので、斉藤社長は鉄道の線路の近くの部屋で撮影したのかもしれません」

 そして、撮影を終えた後ですぐに移動したのだろう。
 残念ながら、映像を録画していたわけではないので、全て記憶に頼っている状態だ。
 それから今回の件での報酬や、交通費や宿泊費などの掛かった費用などの精算法、それから今後の事について話を進めた。
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