[6月17日15時51分 天候:曇 東京都台東区上野 JR上野駅→山手線1523G電車・1号車内]
臨時PTA総会が終わり、片付けも終わった後で、リサは愛原やレイチェルと共に帰宅の途に就いた。
〔まもなく、3番線に、東京、品川方面行きが、参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックまで、お下がりください。次は、御徒町に、停車します〕
愛原「2人が設営と撤収をやると早いなぁ……」
リサ「むふー!力仕事は任せて!」
レイチェル「体力に自信が無いと、BSAA隊員は務まりまセン」
山手線の電車がやってくる。
〔うえの~、上野~。ご乗車、ありがとうございます。次は、御徒町に、停車します〕
電車に乗り込む。
愛原はドア脇の座席に腰かけた。
2人の女子高生は、その前は横に立つ。
愛原「まさか、2時間近く掛かるとはなぁ……」
リサ「な、何かゴメン……」
レイチェル「愛原センセイ、お疲れ様です」
愛原「いや……」
ホームから発車ベルの音が聞こえてくる。
山手線や京浜東北線、新幹線ホームはメロディではなく、電子電鈴と呼ばれるベルが鳴る。
〔3番線の、山手線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の電車を、ご利用ください〕
電車のドアとホームドアの両方が閉まる。
車両の規格が統一されている山手線や京浜東北線のホームでは、ホームドアが設置できている。
電車が動き出した。
〔この電車は、山手線外回り、東京、品川方面行きです。次は、御徒町、御徒町。お出口は、左側です。都営地下鉄大江戸線は、お乗り換えです〕
愛原「明日は普通に休みなんだよな?」
リサ「さすがにね。停学でも日曜日は補習ナシ。働き方改革で、先生達も休まないといけないから」
愛原「それもそうか。レイチェルもか?」
レイチェル「そう、ですね。訓練生は、実戦に出られないので」
リサ「う、ウソだぁ……。わたしのこと、ヘリで追い回してなかった?」
レイチェル「あくまでも、訓練です。わたし自身は、まだヘリコプターを操縦できません」
愛原「あー、コホン……」
レイチェル「リサはどこか行くのですか?」
リサ「遊びに行きたいんだけど、善場さんがダメだって。何か、これから色々と起きるから、巻き込まれないように、学校のある日以外は家でおとなしくしてろだって」
愛原「そんな指示が来たのか?」
リサ「うん」
リサは自分のスマホを見せた。
確かにメールには、善場からのメッセージが着信されている。
リサ「先生の所にも送られてるんじゃない?」
愛原「そうか?俺のスマホには来てないが……」
リサ「パソコンの方じゃない?」
愛原「そ、そうか。帰ったら確認してみよう」
レイチェル「デイライトも、色々と情報を掴んでいるようですね」
愛原「デイライトもデイライトで、諜報機関だからな。色々掴んでてもおかしくはないさ」
因みに、パールからのLINEはまだ無かった。
太平山美樹からゆうパックが届いたら連絡するように頼んでおいたのだが、まだ無い。
[同日16時13分 天候:曇 東京都千代田区神田岩本町 都営地下鉄岩本町駅→都営新宿線1516T電車・最後尾車内]
秋葉原駅でレイチェルと別れる。
具体的には、JR秋葉原駅を出て都営地下鉄の岩本町駅に向かう途中まで。
神田川の手前、和泉橋の袂に、東京メトロ日比谷線の秋葉原駅の入口がある。
そこで別れた。
レイチェルは日比谷線で、中目黒まで乗って行く。
それなら上野駅から乗ればいいのだが、少しでも長く、リサの監視をしていたいらしい。
リサ「! レイチェルは明日、ヒマなの?」
レイチェル「ヒマ……というより、待機をしてなければなりませン。訓練生であっても、Aクラスの非常事態では出ないと行けないのです」
リサ「それさえ無ければ、休み同然?」
レイチェル「そ、そうです」
リサ「レイチェル、わたしの監視役でもあるんだから、レイチェルに来てもらえばいいんだ!」
レイチェル「何がですか?」
リサ「ヨドバシやコジマと、明日、買い物に出かけるつもり」
愛原「マジか……」
リサ「マジです。善場さんは監視役が先生しかいないし、先生は明日、事務所にいないとでしょ?」
愛原「溜まった事務作業、片付けないといけないしな」
リサ「だから善場さんは、私に『家にいろ』って言ったんだよ。だけど、レイチェルが一緒にいればいいじゃん」
愛原「……確かにな。レイチェルはいいのか?」
レイチェル「HQに確認する必要がありますが、私は大丈夫です」
愛原「そうか……。あんまり遠くに行くなよ?」
リサ「アキバに行くだけだよ」
愛原「……それは近いな」
リサ「王子、北千住、中目黒、そして菊川から電車1本で行ける場所って行ったらそこでしょ?」
愛原「……確かにな」
リサ「もしかしたら、錦糸町に移動するかもね」
愛原「もっと近くなるな!」
リサ「それなら問題無いでしょ?」
愛原「まあ、そうだな……」
レイチェル「HQの許可が取れれば、私も大丈夫です」
愛原「悪いな。リサの監視の為という理由、使ってくれていいから」
レイチェル「むしろ、それ以外に理由が無いデス」
などと話していたものだから、乗り換える電車を1本だか2本だか遅らせる形となった。
〔まもなく、4番線に、各駅停車、本八幡行きが、10両編成で参ります。ドアから離れて、お待ちください〕
今度は最後尾の車両が来る位置で電車を待つ。
入線する電車が巻き起こす轟音と強風で、リサの髪が大きく揺れて、スカートも少し捲れた。
〔4番線は、各駅停車、本八幡行きです。いわもとちょう、岩本町。秋葉原〕
やってきたのは、往路と同じ東京都交通局の車両。
但し、外観内装が違う。
こちらは全体的に車内が暗めで、座席も硬い。
〔4番線、ドアが閉まります〕
副線ホームのある駅だが、この電車は特に急行電車の通過待ちはしないもよう。
本線ホームに停車し、短い発車メロディを鳴らした後、すぐにドアを閉めて発車した。
〔次は馬喰横山、馬喰横山。都営浅草線、JR総武快速線はお乗り換えです。お出口は、左側です〕
私は硬めの座席に腰かけると、スマホを取り出し、事務所にいるパールに連絡した。
パールからの返信はすぐにあって、私が頼んでいた書類の作成は既に終わっているらしい。
私たちの帰宅後、すぐに夕食の買い出しと準備に行くと返信してきた。
尚、ゆうパックが届いたという話は無かった。
伝票番号による追跡をしてみると、既に都内の郵便局に到着しており、『持出中』となっていることから、今日中に配達されるのは間違いないようだ。
臨時PTA総会が終わり、片付けも終わった後で、リサは愛原やレイチェルと共に帰宅の途に就いた。
〔まもなく、3番線に、東京、品川方面行きが、参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックまで、お下がりください。次は、御徒町に、停車します〕
愛原「2人が設営と撤収をやると早いなぁ……」
リサ「むふー!力仕事は任せて!」
レイチェル「体力に自信が無いと、BSAA隊員は務まりまセン」
山手線の電車がやってくる。
〔うえの~、上野~。ご乗車、ありがとうございます。次は、御徒町に、停車します〕
電車に乗り込む。
愛原はドア脇の座席に腰かけた。
2人の女子高生は、その前は横に立つ。
愛原「まさか、2時間近く掛かるとはなぁ……」
リサ「な、何かゴメン……」
レイチェル「愛原センセイ、お疲れ様です」
愛原「いや……」
ホームから発車ベルの音が聞こえてくる。
山手線や京浜東北線、新幹線ホームはメロディではなく、電子電鈴と呼ばれるベルが鳴る。
〔3番線の、山手線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の電車を、ご利用ください〕
電車のドアとホームドアの両方が閉まる。
車両の規格が統一されている山手線や京浜東北線のホームでは、ホームドアが設置できている。
電車が動き出した。
〔この電車は、山手線外回り、東京、品川方面行きです。次は、御徒町、御徒町。お出口は、左側です。都営地下鉄大江戸線は、お乗り換えです〕
愛原「明日は普通に休みなんだよな?」
リサ「さすがにね。停学でも日曜日は補習ナシ。働き方改革で、先生達も休まないといけないから」
愛原「それもそうか。レイチェルもか?」
レイチェル「そう、ですね。訓練生は、実戦に出られないので」
リサ「う、ウソだぁ……。わたしのこと、ヘリで追い回してなかった?」
レイチェル「あくまでも、訓練です。わたし自身は、まだヘリコプターを操縦できません」
愛原「あー、コホン……」
レイチェル「リサはどこか行くのですか?」
リサ「遊びに行きたいんだけど、善場さんがダメだって。何か、これから色々と起きるから、巻き込まれないように、学校のある日以外は家でおとなしくしてろだって」
愛原「そんな指示が来たのか?」
リサ「うん」
リサは自分のスマホを見せた。
確かにメールには、善場からのメッセージが着信されている。
リサ「先生の所にも送られてるんじゃない?」
愛原「そうか?俺のスマホには来てないが……」
リサ「パソコンの方じゃない?」
愛原「そ、そうか。帰ったら確認してみよう」
レイチェル「デイライトも、色々と情報を掴んでいるようですね」
愛原「デイライトもデイライトで、諜報機関だからな。色々掴んでてもおかしくはないさ」
因みに、パールからのLINEはまだ無かった。
太平山美樹からゆうパックが届いたら連絡するように頼んでおいたのだが、まだ無い。
[同日16時13分 天候:曇 東京都千代田区神田岩本町 都営地下鉄岩本町駅→都営新宿線1516T電車・最後尾車内]
秋葉原駅でレイチェルと別れる。
具体的には、JR秋葉原駅を出て都営地下鉄の岩本町駅に向かう途中まで。
神田川の手前、和泉橋の袂に、東京メトロ日比谷線の秋葉原駅の入口がある。
そこで別れた。
レイチェルは日比谷線で、中目黒まで乗って行く。
それなら上野駅から乗ればいいのだが、少しでも長く、リサの監視をしていたいらしい。
リサ「! レイチェルは明日、ヒマなの?」
レイチェル「ヒマ……というより、待機をしてなければなりませン。訓練生であっても、Aクラスの非常事態では出ないと行けないのです」
リサ「それさえ無ければ、休み同然?」
レイチェル「そ、そうです」
リサ「レイチェル、わたしの監視役でもあるんだから、レイチェルに来てもらえばいいんだ!」
レイチェル「何がですか?」
リサ「ヨドバシやコジマと、明日、買い物に出かけるつもり」
愛原「マジか……」
リサ「マジです。善場さんは監視役が先生しかいないし、先生は明日、事務所にいないとでしょ?」
愛原「溜まった事務作業、片付けないといけないしな」
リサ「だから善場さんは、私に『家にいろ』って言ったんだよ。だけど、レイチェルが一緒にいればいいじゃん」
愛原「……確かにな。レイチェルはいいのか?」
レイチェル「HQに確認する必要がありますが、私は大丈夫です」
愛原「そうか……。あんまり遠くに行くなよ?」
リサ「アキバに行くだけだよ」
愛原「……それは近いな」
リサ「王子、北千住、中目黒、そして菊川から電車1本で行ける場所って行ったらそこでしょ?」
愛原「……確かにな」
リサ「もしかしたら、錦糸町に移動するかもね」
愛原「もっと近くなるな!」
リサ「それなら問題無いでしょ?」
愛原「まあ、そうだな……」
レイチェル「HQの許可が取れれば、私も大丈夫です」
愛原「悪いな。リサの監視の為という理由、使ってくれていいから」
レイチェル「むしろ、それ以外に理由が無いデス」
などと話していたものだから、乗り換える電車を1本だか2本だか遅らせる形となった。
〔まもなく、4番線に、各駅停車、本八幡行きが、10両編成で参ります。ドアから離れて、お待ちください〕
今度は最後尾の車両が来る位置で電車を待つ。
入線する電車が巻き起こす轟音と強風で、リサの髪が大きく揺れて、スカートも少し捲れた。
〔4番線は、各駅停車、本八幡行きです。いわもとちょう、岩本町。秋葉原〕
やってきたのは、往路と同じ東京都交通局の車両。
但し、外観内装が違う。
こちらは全体的に車内が暗めで、座席も硬い。
〔4番線、ドアが閉まります〕
副線ホームのある駅だが、この電車は特に急行電車の通過待ちはしないもよう。
本線ホームに停車し、短い発車メロディを鳴らした後、すぐにドアを閉めて発車した。
〔次は馬喰横山、馬喰横山。都営浅草線、JR総武快速線はお乗り換えです。お出口は、左側です〕
私は硬めの座席に腰かけると、スマホを取り出し、事務所にいるパールに連絡した。
パールからの返信はすぐにあって、私が頼んでいた書類の作成は既に終わっているらしい。
私たちの帰宅後、すぐに夕食の買い出しと準備に行くと返信してきた。
尚、ゆうパックが届いたという話は無かった。
伝票番号による追跡をしてみると、既に都内の郵便局に到着しており、『持出中』となっていることから、今日中に配達されるのは間違いないようだ。