報恩坊の怪しい偽作家!

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“私立探偵 愛原学” 「ペンション『いたち草』」 3

2025-01-25 16:21:18 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[7月1日16時40分 天候:雨 群馬県吾妻郡東吾妻町某所 ペンション『いたち草』地下1階・大浴場]

 やはり、このペンションは何かおかしい。
 大浴場はやはり男女別になっていた。
 他に貸切風呂もあるようだが、その入口には鍵が掛かっていた。
 どうやら、そちらは予約制らしい。
 それはいいのだが、共用の大浴場にも他の宿泊客がいない。
 一体どうなっているんだ?
 ダブルルームは本当に満室なのか?

 

 広い大浴場を貸し切りで使っているようなものだ。
 この大浴場には露天風呂もある。
 外は雨が降って来たようだが、屋根は付いているようなので、多分大丈夫だろう。

 

 因みに地下1階といっても、本当に地面の下というわけではなく、1階部分より更に掘り下げられた場所に設けられているので、フロア案内上、地下としているだけのようだ。
 高台にあるホテルなどではよく見られる事だが、この場合、本当に地面の下以外の最下層部分を1階とすることが多い。
 天気が良ければ山なみが見えるのだろうが、今見えるのは、雨に霞む山だ。
 山の頂上付近を見ると、時々光っているから、向こうは雷が鳴っているらしい。
 曇の動き的に、その雷雲は近いうち、ここまで来るだろう。
 入浴が終わったら夕食であるが……。

 リサ「せーんせっ!」
 愛原「! リサ!?」

 何故かリサの声がした。
 まさかあいつ、男に侵入して!?
 だとしたら、どこから?
 ダクトか!?

 リサ「先生、こっちこっち!」
 愛原「んっ!?」

 露天風呂も男女別になっているが、当然壁で仕切られている。
 リサは壁の切れている所から手を出してヒラヒラ振っていた。
 浴槽から身を乗り出す形になるから、結構危ない体勢だと思うが。

 リサ「先生、覗いてみて?わたし、何にも隠してないよ?」
 愛原「かなり身を乗り出さないとダメなんだ。危険過ぎる。というか、女湯には他に誰かいるか?」
 リサ「ぜーんぜん!誰もいないよ?」

 女湯も誰もいないだと?
 ますます怪しい。

 リサ「そっちは誰かいる?」
 愛原「いや、誰もいない。……なぁ?本当にこのペンションは、部屋が満室なのか?」
 リサ「んー……何か違うと思うな。あまり、人間の匂いがしないし」

 そうか!
 リサは人間の血肉に関しては鼻が利く!

 リサ「何か、色んな匂いが混じってよく分かんないんだよねー!」

 それは私も感じていた。
 古い建物の匂いやら、それを隠す為なのか、芳香剤の匂いとか……。
 やはり、何かの罠が仕掛けられているのだろうか?
 私がそんなことを考えていると……。

 リサ「ねぇ?今なら先生、こっちに来ても誰も騒がないよ?それとも、わたしがそっちに行こうか?」
 愛原「いや、それはダメだ。今は貸切状態でも、そういう時に限って、どっちかがどっちかに行ったりした瞬間、誰かが入って来るパターンなんだ」
 リサ「なるほど。マンガやドラマあるあるだね。じゃあさ、誰かが入って来ても誤魔化せる程度のことはしようよ」
 愛原「どういうことだ?」
 リサ「んー……。ねぇ、先生。そこから女湯に向かって、手を入れられる?」
 愛原「結構、掴まってないと危ないな」

 何故か手すりはある。
 それに掴まれば何とか……。
 何かくれるのだろうか?

 愛原「ほら、リサ」
 リサ「ありがとう。そのまま……動かないでね」
 愛原「!!!」

 リサは私の指を咥えると、まるでフェラチオのような口使いをした。
 ジュルジュルジュポジュポと響くリサの口使いの音がいやらしい。

 愛原「はうっ!お、おま……どこでそんな……!?」

 するとリサは一旦口を放して答えた。

 リサ「先生の動画と、友達から借りたエロ動画。オナニー用のディルドで練習した」

 そう言うと、また私の指を咥える。

 愛原「そ、そんな……!」
 リサ「先生……ダーリンの為だよ」

 指から射精しそうになる。

 愛原「リサ、もういい!」

 私は指を引っ込めた。

 リサ「えー……。じゃあ、続きは部屋でね💖」

 リサはそう言うと、また手をヒラヒラさせた。
 その手の爪は鋭く尖っていたから、鬼化したのだろう。
 危うく鬼娘に食われるところだった。
 疑似フェラされたことで勃起した下半身を冷たいシャワーで冷やしたが収まらず、リサの唾液まみれの左手でオナニーした。

 リサ……あんなに可愛かったっけ?

[同日17時30分 天候:雨 同ペンション1階ロビー]

 オナニーで時間を取ったせいでリサを待たせてしまったかと思ったが、そうでもなかった。
 もしかして、リサも……?
 リサは私の顔を見て、赤らめた顔で微笑を浮かべているだけだった。
 私の左腕に、自分の腕を絡めて来る。
 そして、地下1階から1階へ上がった。
 建物の構造上、そこから更に上に上がるには、ロビーを通る必要がある。
 相変わらず、ロビーには誰もいない。
 だからこそ、広いダイニングではなく、個室か何かを夕食会場に充てられたのだろうか?

 執事「あっ、愛原様」

 フロントデスクには、あの執事がいた。

 愛原「な、何ですか?」
 執事「愛原学探偵事務所の霧崎様という方から、お電話が入りました。至急、御連絡したいことがあるとのことです」
 愛原「パールが?……分かりました」

 私は壁際のアンティークな公衆電話に近づいた。
 百円玉を確保しておいて良かった。
 まだ、事務所にいるだろうか?
 スマホより固定電話の方が、まだ電話料金は安いんだよなぁ……。

 

 パール「愛原学探偵事務所でございます」
 愛原「あっ、パールか?俺だ。愛原だ」
 パール「愛原先生!」
 愛原「何かあったのか?」
 パール「マサが……マサが再逮捕されました!」
 愛原「なにぃっ!?何の容疑で!?」
 パール「特定の情報をテロ組織に流した罪とかで……。事務所からデイライト様の書類を流していたのがバレたみたいでして……」
 愛原「紛失はしてないはずだが……?」
 パール「コピーしたりしてたみたいです。よくマサ、コピーとかシュレッダーとかしてたじゃないですか」
 愛原「あ、ああ、まあ確かに……」

 デイライトさんとのやり取りの中には、BSAAの情報とか、バイオテロ組織『コネクション』の事とかあったな……。
 あいつ、それをテロ組織に流してたのか。
 特定秘密保護法違反とかか?

 パール「一刻も早くお教えしたかったのですが、スマホが繋がらなくて……」
 愛原「ああ。何か、圏外なんだよな。良かった良かった。ここの電話番号教えておいて」

 私に対する傷害罪だけで済まなくなってしまったか……。

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