[6月26日23:40.天候:晴 東京都千代田区丸の内 JR東京駅]
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく終点、東京です。お忘れ物の無いよう、お支度ください。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました〕
上越新幹線の最終列車は、定刻通りに上野駅を出た。
地下深いトンネルから、地上への坂道を一気に駆け登る。
愛原:「リサ、起きろ。そろそろ着くぞ」
リサ:「んー……」
リサは弁当を食べ終わった後、舟を漕いだりしていたが、ついに寝てしまっていた。
それを起こしてやる。
リサ:「でへへへ……せ、先生……そこダメ……ッ……!」
愛原:「ん!?」
どうやらエロい夢でも見ていたようだ。
しかも、私が何かしているらしい。
高橋:「先生。ここは1つ、マグナム撃ち込んで、目ェ覚ましてやりましょう」
愛原:「キミのマグナム、弾切れなうじゃなかった?」
高橋:「うっ……!」
リサ:「……あれ?」
そこでリサが目を覚ました。
愛原:「おはよう。もう東京に着くぞ」
リサ:「マジで?……夢だったのかぁ……」
愛原:「残念だったな。高橋のマグナムは明日、デイライトさんで補充してもらえ」
高橋:「そうします」
〔「……各在来線、最終列車の時間となっております。お乗り換えのお客様は、お乗り遅れの無いよう、ご注意ください。本日もJR東日本、上越新幹線をご利用頂きまして、ありがとうございました」〕
列車は深夜の東京駅のホームに滑り込んだ。
〔「ご乗車ありがとうございました。東京、東京、終点です。お忘れ物の無いよう、お降りください。21番線の電車は、回送となります。ご乗車になれませんので、ご注意ください」〕
高橋:「先生、ここからどうします?」
愛原:「夜も遅いからタクシーにしよう」
高橋:「分かりました」
日曜日の夜、人も疎らな東京駅。
コロナ前なら、それでも終電に急ぐ客とかでごった返していたはずだ。
しかし、それも今は……。
リサ:「ふわ……!」
リサは大きな欠伸を何度もした。
マスク越しでも、それが分かるほどだ。
愛原:「家まで頑張れよ」
リサ:「うん……」
八重洲中央口のタクシー乗り場に向かう。
愛原:「墨田区菊川1丁目……までお願いします」
運転手:「はい、かしこまりました」
トールワゴンタイプのタクシーのリアシートに3人横並びに座る。
愛原:「ん?」
一瞬、私のスマホから『Enemy approaching(接触警戒)』という表示が出た。
赤い画面に白抜きの文字である。
しかし、すぐに緑の表示と共に、『No enemy』と変わった。
愛原:「んん?」
これはBSAAが開発したアプリの機能である。
近くにBSAAが認定したウィルス兵器に感染・保有しているクリーチャーやBOWが接近すると、それを知らせてくれるアプリである。
リサに関しては、暴走の危険がある第3形態以降に反応するように設定している。
今のリサは……第0形態のはずだが……。
しかも、最初は注意信号である黄色い画面に、『Enemy approaching(接近注意)』の表示になるはずだが……。
リサがいる場合は、リサの方が感応してくれるので、あまり使い勝手の良いアプリとは言えない。
愛原:「まただ……」
またいきなり赤信号が表示されて、またすぐ緑に変わる。
アプリの不具合だろうか?
明日、善場主任に相談してみよう。
[6月27日00:10.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]
マンションに着く頃には、アプリが変な動作をすることもなくなった。
愛原:「チケットで払います」
運転手:「はい、ありがとうございます」
私がチケットで料金を払っている間、リサが先に降りた。
何だか、辺りを警戒しているようだ。
愛原:「どうした?」
領収証と控えをもらってタクシーを降り、リサに聞いた。
リサ:「……何でもない」
愛原:「そうか?」
リサ:「早く帰ろ」
愛原:「う、うん……」
特にマンションは、何も異常は無かったが……。
高橋:「先生、明日はパンとかでいいっスか?」
愛原:「いいよ。夜も遅いし」
高橋:「あざっス」
愛原:「リサ、先に風呂入ってすぐに寝なよ。もう日付変わっちゃったし」
リサ:「分かってるよ。わたしはシャワーだけでいい」
リサはそう言って、自分の部屋に戻って行った。
愛原:「それより高橋、さっきのタクシーなんだが……」
高橋:「日本交通がどうかしたんスか?」
愛原:「いや、そうじゃなくて、タクシーの中で、俺のアプリだけ変な動作していたのは気づいただろ?」
高橋:「ええ。俺のは大丈夫でした」
愛原:「アプリのせいなのか、俺のスマホが悪いのか、どっちなんだろうな?」
因みに私はAndroidで、高橋はIphoneだ。
高橋:「明日……っつーか、もう今日っスけど、姉ちゃんに聞いてみるしかないんじゃないスか?」
愛原:「やっぱりそうなるか」
高橋:「今は大丈夫なんスよね?」
愛原:「今はな……」
結局、その後も私のアプリが不具合を起こすことなかった。
[同日06:30.天候:晴 愛原のマンション]
リサ:「おはよう……」
部屋から出て来たリサは、体操服にブルマーだった。
もはや、これが今はリサの中でのマイブームなのだろう。
元々は私の【㊙エロ動画】をこっそり観たリサが真似をしたというが……。
愛原:「おはよう。よく眠れたか?」
リサ:「良く分かんない……」
そう言うリサは、そんなに好調とは言えない体調のようだった。
高橋:「ナプキンは多めに持って行けよ」
リサ:「分かってるよ……」
あ、そういうこと!
高橋:「お待たせしました、先生」
愛原:「う、うん」
今朝の朝食はトーストにベーコンエッグ、生野菜サラダ、オニオンコンソメスープ(インスタント)だった。
愛原:「今日は事務所に行って、昨日の事件の報告書をまとめる。午後はデイライトさんの事務所に行くから」
高橋:「分かりました」
愛原:「リサの活躍で、何か御褒美が出るといいな?」
リサ:「うん、そうだね……」
朝食を食べ終わって、リサは制服に着替えたが……。
リサ:「あ、そうだ。サイトーがね、夏休み、こっちに来たいって」
愛原:「そうなのか」
高橋:「もちろん、お断りだぜ」
高橋のドヤ顔を無視して、私は言った。
愛原:「一応、これも善場主任に言ってみるよ」
リサ:「分かった」
こちらから沖縄に行くのはアレだが、向こうから来る分には問題無いと思うが……。
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく終点、東京です。お忘れ物の無いよう、お支度ください。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました〕
上越新幹線の最終列車は、定刻通りに上野駅を出た。
地下深いトンネルから、地上への坂道を一気に駆け登る。
愛原:「リサ、起きろ。そろそろ着くぞ」
リサ:「んー……」
リサは弁当を食べ終わった後、舟を漕いだりしていたが、ついに寝てしまっていた。
それを起こしてやる。
リサ:「でへへへ……せ、先生……そこダメ……ッ……!」
愛原:「ん!?」
どうやらエロい夢でも見ていたようだ。
しかも、私が何かしているらしい。
高橋:「先生。ここは1つ、マグナム撃ち込んで、目ェ覚ましてやりましょう」
愛原:「キミのマグナム、弾切れなうじゃなかった?」
高橋:「うっ……!」
リサ:「……あれ?」
そこでリサが目を覚ました。
愛原:「おはよう。もう東京に着くぞ」
リサ:「マジで?……夢だったのかぁ……」
愛原:「残念だったな。高橋のマグナムは明日、デイライトさんで補充してもらえ」
高橋:「そうします」
〔「……各在来線、最終列車の時間となっております。お乗り換えのお客様は、お乗り遅れの無いよう、ご注意ください。本日もJR東日本、上越新幹線をご利用頂きまして、ありがとうございました」〕
列車は深夜の東京駅のホームに滑り込んだ。
〔「ご乗車ありがとうございました。東京、東京、終点です。お忘れ物の無いよう、お降りください。21番線の電車は、回送となります。ご乗車になれませんので、ご注意ください」〕
高橋:「先生、ここからどうします?」
愛原:「夜も遅いからタクシーにしよう」
高橋:「分かりました」
日曜日の夜、人も疎らな東京駅。
コロナ前なら、それでも終電に急ぐ客とかでごった返していたはずだ。
しかし、それも今は……。
リサ:「ふわ……!」
リサは大きな欠伸を何度もした。
マスク越しでも、それが分かるほどだ。
愛原:「家まで頑張れよ」
リサ:「うん……」
八重洲中央口のタクシー乗り場に向かう。
愛原:「墨田区菊川1丁目……までお願いします」
運転手:「はい、かしこまりました」
トールワゴンタイプのタクシーのリアシートに3人横並びに座る。
愛原:「ん?」
一瞬、私のスマホから『Enemy approaching(接触警戒)』という表示が出た。
赤い画面に白抜きの文字である。
しかし、すぐに緑の表示と共に、『No enemy』と変わった。
愛原:「んん?」
これはBSAAが開発したアプリの機能である。
近くにBSAAが認定したウィルス兵器に感染・保有しているクリーチャーやBOWが接近すると、それを知らせてくれるアプリである。
リサに関しては、暴走の危険がある第3形態以降に反応するように設定している。
今のリサは……第0形態のはずだが……。
しかも、最初は注意信号である黄色い画面に、『Enemy approaching(接近注意)』の表示になるはずだが……。
リサがいる場合は、リサの方が感応してくれるので、あまり使い勝手の良いアプリとは言えない。
愛原:「まただ……」
またいきなり赤信号が表示されて、またすぐ緑に変わる。
アプリの不具合だろうか?
明日、善場主任に相談してみよう。
[6月27日00:10.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]
マンションに着く頃には、アプリが変な動作をすることもなくなった。
愛原:「チケットで払います」
運転手:「はい、ありがとうございます」
私がチケットで料金を払っている間、リサが先に降りた。
何だか、辺りを警戒しているようだ。
愛原:「どうした?」
領収証と控えをもらってタクシーを降り、リサに聞いた。
リサ:「……何でもない」
愛原:「そうか?」
リサ:「早く帰ろ」
愛原:「う、うん……」
特にマンションは、何も異常は無かったが……。
高橋:「先生、明日はパンとかでいいっスか?」
愛原:「いいよ。夜も遅いし」
高橋:「あざっス」
愛原:「リサ、先に風呂入ってすぐに寝なよ。もう日付変わっちゃったし」
リサ:「分かってるよ。わたしはシャワーだけでいい」
リサはそう言って、自分の部屋に戻って行った。
愛原:「それより高橋、さっきのタクシーなんだが……」
高橋:「日本交通がどうかしたんスか?」
愛原:「いや、そうじゃなくて、タクシーの中で、俺のアプリだけ変な動作していたのは気づいただろ?」
高橋:「ええ。俺のは大丈夫でした」
愛原:「アプリのせいなのか、俺のスマホが悪いのか、どっちなんだろうな?」
因みに私はAndroidで、高橋はIphoneだ。
高橋:「明日……っつーか、もう今日っスけど、姉ちゃんに聞いてみるしかないんじゃないスか?」
愛原:「やっぱりそうなるか」
高橋:「今は大丈夫なんスよね?」
愛原:「今はな……」
結局、その後も私のアプリが不具合を起こすことなかった。
[同日06:30.天候:晴 愛原のマンション]
リサ:「おはよう……」
部屋から出て来たリサは、体操服にブルマーだった。
もはや、これが今はリサの中でのマイブームなのだろう。
元々は私の【㊙エロ動画】をこっそり観たリサが真似をしたというが……。
愛原:「おはよう。よく眠れたか?」
リサ:「良く分かんない……」
そう言うリサは、そんなに好調とは言えない体調のようだった。
高橋:「ナプキンは多めに持って行けよ」
リサ:「分かってるよ……」
あ、そういうこと!
高橋:「お待たせしました、先生」
愛原:「う、うん」
今朝の朝食はトーストにベーコンエッグ、生野菜サラダ、オニオンコンソメスープ(インスタント)だった。
愛原:「今日は事務所に行って、昨日の事件の報告書をまとめる。午後はデイライトさんの事務所に行くから」
高橋:「分かりました」
愛原:「リサの活躍で、何か御褒美が出るといいな?」
リサ:「うん、そうだね……」
朝食を食べ終わって、リサは制服に着替えたが……。
リサ:「あ、そうだ。サイトーがね、夏休み、こっちに来たいって」
愛原:「そうなのか」
高橋:「もちろん、お断りだぜ」
高橋のドヤ顔を無視して、私は言った。
愛原:「一応、これも善場主任に言ってみるよ」
リサ:「分かった」
こちらから沖縄に行くのはアレだが、向こうから来る分には問題無いと思うが……。