[6月27日16:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]
リサ:「ただいま」
リサが学校から帰って来た。
愛原:「おっ、お帰り」
リサ:「今日ね、学校で進路相談があったんだよ」
愛原:「え?」
高橋:「おい、まさか『先生と結婚するので、進学も就職もしません』とか言ったんじゃないだろうな?」
リサ:「そう言いたかったんだけど、多分それはNGだと思うから、『進学』にしておいた」
愛原:「善場主任も、それを気にしてるんだよ。じゃあ、善場主任には『進学』って言っておくからな?」
リサ:「うん」
愛原:「因みに進学するとして、どこの学校に行きたいとかあるのか?」
リサ:「うーん……。なるべく近い所の方がいいなぁ……」
管理の都合上、リサは独り暮らしができない。
なので遠方の大学に進学して、独り暮らしができないのだ。
リサ:「やっぱり附属の東京中央学園大学、かなぁ……」
愛原:「東中大か……。どこにあるんだっけ?」
リサ:「池袋。高校の池袋校舎のすぐ近くにあるんだよ」
愛原:「そうかぁ」
東京中央学園の高等部はいくつかある。
リサの通っている上野高校は、主に普通科と英語科。
池袋高校は工業科と商業科がある。
愛原:「まあ、ブクロならここから通えるな」
リサ:「そうだね」
都営新宿線と東京メトロ丸ノ内線だな。
小川町駅で乗り換えできるはずだ。
高橋:「附属だと受験しなくていいんじゃねーのか?」
リサ:「推薦入試だけだって」
愛原:「ということは、普段の成績と、先生からの評価が大事だな」
リサはそんなに成績は悪くないから大丈夫だろう。
未だに赤点を取ったことがないのだから。
問題は、素行か……。
いや、別に不良ってわけじゃないのだが、いじめっ子気質が問題視されたことがある。
愛原:「リサ、イジメ、ダメ、絶対!いいな?」
リサ:「……し、してないよ」
高橋:「嘘つくな、コラァッ!」
と、そこへ、事務所の電話が鳴った。
愛原:「静かにしろよ。……はい、愛原学探偵事務所です」
坂上:「あ、愛原さんの事務所ですか?私、東京中央学園上野高校の坂上修一と申します」
愛原:「あっ、坂上先生!いつもリサがお世話になっております」
坂上:「こちらこそ、どうも……。御自宅にお電話しましたら、こちらの番号に転送されましたもので……」
今、自宅には誰もいないので、自宅に掛かって来た電話は、この事務所に自動転送されるように設定してあるのだ。
愛原:「そうんですよ。今、自宅には誰もいないものですから……」
坂上:「リサさんもいませんか?」
愛原:「リサなら、もう帰って来てますよ?」
リサ:「ヤバッ!」
リサ、慌てて事務所から出ようとする。
だが、それを高橋が羽交い締め。
高橋:「待てや、コラ!脱走は銃殺だって、アンブレラの時から言われてたそうだなぁ!?」
リサ:「ここ、アンブレラじゃないし!」
愛原:「あー、すいません、賑やかで……。それで、うちのリサに何の御用でしょうか?」
坂上:「他のクラスの生徒から、『リサさんにイジメられた』という被害報告がありましたので、後ほど3者面談をと思いまして……」
愛原:「大変、申し訳ございません!」
リサ:「ちょっと、老廃物をもらっただけだよぉ!?」
高橋:「ダサくチクられてんじゃねーよ、バーカ!もっとチクらなさそうなヤツを選べよな、あぁッ!?」
リサ:「ちょうどいい匂いの経血垂らしてたヤツがいたんだよ!」
高橋:「知るか!」
愛原:「……はい、それでは後日ということで……。はい、承知しました。……はい、失礼致します」
私は電話を切った。
愛原:「……リサ、オマエ後で説教な?」
リサ:「ぴっ!?」
高橋:「けっ、ざまぁみろwww」
と、そこへまた電話が掛かって来た。
愛原:「はい、愛原学探偵事務所です」
警察官:「こちら、警視庁○×警察署交通課の者ですが……」
愛原:「……すぐに出頭させます!申し訳ございません!」
また、電話を切る。
愛原:「高橋ィ!オマエはオマエで、また警察の停止命令を振り切って逃げたんだってなぁ!?」
高橋:「ぴっ!?」
愛原:「さっさと出頭しに行ってこーい!」
高橋:「は、はいぃぃぃっ!」
リサ:「ぷwww」
[7月15日10:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]
それからしばらくは、何も起きなかった。
愛原:「明日からの3連休だが、上野姉妹を藤野まで連れて行くという任務がある」
高橋:「ただのボランティアっスよね?」
愛原:「まあ、そう言うな。今回は善場主任も合流するから、ちゃんとした仕事も含まれてるぞ」
高橋:「そうっスか……」
藤野の研究施設に収容されている上野姉妹の母親を、仮釈放にするかどうかを決めるという。
リサは猛反対している。
私を食おうとしていたことは、絶対に許さないという。
なので、上野姉妹は連れて行くが、リサは連れて行かないという選択肢もあった。
だが、それはリサが許さないだろう。
ハブられたという感が強いからだ。
それと、もう1つ問題があった。
愛原:「また免停食らいやがって、この野郎!」
高橋:「ら、来週末には解除されますんで……」
愛原:「そういう問題じゃねぇ!」
というわけで、電車で行くことになりそうである。
愛原:「リサの夏休みは、絵恋さんを連れて仙台に行こうと思ってる」
高橋:「えっ、先生の帰省なのに?」
愛原:「公一伯父さんを覚えてるだろう?」
高橋:「ああ。結局、アンブレラと繋がってた人ですね」
愛原:「その伯父さん、起訴猶予処分になったんだよ」
高橋:「えっ、じゃあ無罪放免ですか?」
愛原:「無罪ってわけじゃないな。逮捕歴と前歴は残るわけだし……」
前科ではなく、前歴である。
愛原:「元々伯父さんが開発した化学肥料は、本当に化学肥料のつもりで開発したものだ。それを日本アンブレラ、特に白井伝三郎が悪用する為に伯父さんから譲り受けただけに過ぎない。結果的に伯父さんは日本アンブレラに加担した罪で逮捕されたわけだけども、そういった所が考慮されて、起訴猶予になったんだ」
年齢的なものもあるし、本当に化学肥料のつもりで作ったもので、最初から日本アンブレラに悪用されることを想定して作ったわけではないということで。
ただ、あの時点で日本アンブレラの悪い噂は知っていたはずだし、悪用されるかもしれないということは想定できたのにも関わらず、譲り渡してしまったということで逮捕はされた。
しかし、起訴とはならず、起訴猶予となったわけである。
高橋:「今、どこに住んでるんです?あの……宮城の元公民館は無くなりましたよね?」
愛原:「ああ。別の所に住んでるよ。ちょっとその伯父さんを訪ねてみようと思うんだ。もしかしたら、色々と知ってるかもしれないしね」
高橋:「そうですか」
愛原:「来週末には免停解除だろ?向こうに行ったら車は必須になるから、また運転頼むわ」
高橋:「お任せください!」
リサ:「ただいま」
リサが学校から帰って来た。
愛原:「おっ、お帰り」
リサ:「今日ね、学校で進路相談があったんだよ」
愛原:「え?」
高橋:「おい、まさか『先生と結婚するので、進学も就職もしません』とか言ったんじゃないだろうな?」
リサ:「そう言いたかったんだけど、多分それはNGだと思うから、『進学』にしておいた」
愛原:「善場主任も、それを気にしてるんだよ。じゃあ、善場主任には『進学』って言っておくからな?」
リサ:「うん」
愛原:「因みに進学するとして、どこの学校に行きたいとかあるのか?」
リサ:「うーん……。なるべく近い所の方がいいなぁ……」
管理の都合上、リサは独り暮らしができない。
なので遠方の大学に進学して、独り暮らしができないのだ。
リサ:「やっぱり附属の東京中央学園大学、かなぁ……」
愛原:「東中大か……。どこにあるんだっけ?」
リサ:「池袋。高校の池袋校舎のすぐ近くにあるんだよ」
愛原:「そうかぁ」
東京中央学園の高等部はいくつかある。
リサの通っている上野高校は、主に普通科と英語科。
池袋高校は工業科と商業科がある。
愛原:「まあ、ブクロならここから通えるな」
リサ:「そうだね」
都営新宿線と東京メトロ丸ノ内線だな。
小川町駅で乗り換えできるはずだ。
高橋:「附属だと受験しなくていいんじゃねーのか?」
リサ:「推薦入試だけだって」
愛原:「ということは、普段の成績と、先生からの評価が大事だな」
リサはそんなに成績は悪くないから大丈夫だろう。
未だに赤点を取ったことがないのだから。
問題は、素行か……。
いや、別に不良ってわけじゃないのだが、いじめっ子気質が問題視されたことがある。
愛原:「リサ、イジメ、ダメ、絶対!いいな?」
リサ:「……し、してないよ」
高橋:「嘘つくな、コラァッ!」
と、そこへ、事務所の電話が鳴った。
愛原:「静かにしろよ。……はい、愛原学探偵事務所です」
坂上:「あ、愛原さんの事務所ですか?私、東京中央学園上野高校の坂上修一と申します」
愛原:「あっ、坂上先生!いつもリサがお世話になっております」
坂上:「こちらこそ、どうも……。御自宅にお電話しましたら、こちらの番号に転送されましたもので……」
今、自宅には誰もいないので、自宅に掛かって来た電話は、この事務所に自動転送されるように設定してあるのだ。
愛原:「そうんですよ。今、自宅には誰もいないものですから……」
坂上:「リサさんもいませんか?」
愛原:「リサなら、もう帰って来てますよ?」
リサ:「ヤバッ!」
リサ、慌てて事務所から出ようとする。
だが、それを高橋が羽交い締め。
高橋:「待てや、コラ!脱走は銃殺だって、アンブレラの時から言われてたそうだなぁ!?」
リサ:「ここ、アンブレラじゃないし!」
愛原:「あー、すいません、賑やかで……。それで、うちのリサに何の御用でしょうか?」
坂上:「他のクラスの生徒から、『リサさんにイジメられた』という被害報告がありましたので、後ほど3者面談をと思いまして……」
愛原:「大変、申し訳ございません!」
リサ:「ちょっと、老廃物をもらっただけだよぉ!?」
高橋:「ダサくチクられてんじゃねーよ、バーカ!もっとチクらなさそうなヤツを選べよな、あぁッ!?」
リサ:「ちょうどいい匂いの経血垂らしてたヤツがいたんだよ!」
高橋:「知るか!」
愛原:「……はい、それでは後日ということで……。はい、承知しました。……はい、失礼致します」
私は電話を切った。
愛原:「……リサ、オマエ後で説教な?」
リサ:「ぴっ!?」
高橋:「けっ、ざまぁみろwww」
と、そこへまた電話が掛かって来た。
愛原:「はい、愛原学探偵事務所です」
警察官:「こちら、警視庁○×警察署交通課の者ですが……」
愛原:「……すぐに出頭させます!申し訳ございません!」
また、電話を切る。
愛原:「高橋ィ!オマエはオマエで、また警察の停止命令を振り切って逃げたんだってなぁ!?」
高橋:「ぴっ!?」
愛原:「さっさと出頭しに行ってこーい!」
高橋:「は、はいぃぃぃっ!」
リサ:「ぷwww」
[7月15日10:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]
それからしばらくは、何も起きなかった。
愛原:「明日からの3連休だが、上野姉妹を藤野まで連れて行くという任務がある」
高橋:「ただのボランティアっスよね?」
愛原:「まあ、そう言うな。今回は善場主任も合流するから、ちゃんとした仕事も含まれてるぞ」
高橋:「そうっスか……」
藤野の研究施設に収容されている上野姉妹の母親を、仮釈放にするかどうかを決めるという。
リサは猛反対している。
私を食おうとしていたことは、絶対に許さないという。
なので、上野姉妹は連れて行くが、リサは連れて行かないという選択肢もあった。
だが、それはリサが許さないだろう。
ハブられたという感が強いからだ。
それと、もう1つ問題があった。
愛原:「また免停食らいやがって、この野郎!」
高橋:「ら、来週末には解除されますんで……」
愛原:「そういう問題じゃねぇ!」
というわけで、電車で行くことになりそうである。
愛原:「リサの夏休みは、絵恋さんを連れて仙台に行こうと思ってる」
高橋:「えっ、先生の帰省なのに?」
愛原:「公一伯父さんを覚えてるだろう?」
高橋:「ああ。結局、アンブレラと繋がってた人ですね」
愛原:「その伯父さん、起訴猶予処分になったんだよ」
高橋:「えっ、じゃあ無罪放免ですか?」
愛原:「無罪ってわけじゃないな。逮捕歴と前歴は残るわけだし……」
前科ではなく、前歴である。
愛原:「元々伯父さんが開発した化学肥料は、本当に化学肥料のつもりで開発したものだ。それを日本アンブレラ、特に白井伝三郎が悪用する為に伯父さんから譲り受けただけに過ぎない。結果的に伯父さんは日本アンブレラに加担した罪で逮捕されたわけだけども、そういった所が考慮されて、起訴猶予になったんだ」
年齢的なものもあるし、本当に化学肥料のつもりで作ったもので、最初から日本アンブレラに悪用されることを想定して作ったわけではないということで。
ただ、あの時点で日本アンブレラの悪い噂は知っていたはずだし、悪用されるかもしれないということは想定できたのにも関わらず、譲り渡してしまったということで逮捕はされた。
しかし、起訴とはならず、起訴猶予となったわけである。
高橋:「今、どこに住んでるんです?あの……宮城の元公民館は無くなりましたよね?」
愛原:「ああ。別の所に住んでるよ。ちょっとその伯父さんを訪ねてみようと思うんだ。もしかしたら、色々と知ってるかもしれないしね」
高橋:「そうですか」
愛原:「来週末には免停解除だろ?向こうに行ったら車は必須になるから、また運転頼むわ」
高橋:「お任せください!」