以前お世話になった屋久島のガイドさんから、最近の縄文杉の情報が送られてきた。
現在、縄文杉正面の上部にある枝の裏側が空洞になっていてその枝が折れて落下すると危ないという理由から、
林野庁では縄文杉正面のデッキを立ち入り禁止にしているそうだ。
しかも、枝が折れないようワイヤーで吊っている状態らしい。
ガイドさんの意見としては、折れそうな枝は折れた方がいいという。
自然のままに任せたほうが、新たな枝が生えてくるわけで、
そのようなことを縄文杉は長年にもわたり、何度も繰り返してきている。
枝が折れるのは、長いサイクルの中のほんの一瞬だという。
そんな中、ワイヤーで吊られた縄文杉を見るのはつらいそうだ。
なんか判るような気がする。
立ち入り禁止にするのはともかく、ワイヤで吊るような人為的なことはしなくてもいいと思う。
自然の成すがままにしておくのが、本当の自然保護だろう。
見場がよくないからといって人為的な事をするのは、人間の傲慢さかもしれない。
また、正面デッキが立ち入り禁止のため左側のデッキでしか縄文杉を見ることができない。
一日400人ぐらいの人が行き来し縄文杉の下にある木の階段下では、
かわすことが出来ないので、迂回路を暫定的に作って歩いているという。
迂回路ができたことで、植生にはよくない状況になっているようだ。
これもまた縄文杉にとっては良くない状況だと、ガイドさんは嘆いていた。
世界遺産という事で多くの人が行きかう場所だが、
自然保護の観点からいえば、人が多すぎるのも問題だなあと改めて感じた。