とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2016明日香村古代遺跡巡りマラニック:後半

2016-04-21 19:29:47 | マラソン
飛鳥寺のすぐ東側には、飛鳥座神社がある。読み方は普通に“あすかざじんじゃ”だと思っていたが、フリガナを見ると“あすかにいますじんじゃ”となっていた。面白い読み方だなあと笑えてしまった。帰ってから調べてみたら、“あすかに います”ではなく“あすか にいます”と切るようだ。つまり「座」を“にいます”と読むらしい。日本語は難しいものだ。


これは「力石」。男性は左手で、女性は右手で持ち上げられると願いが叶うという。私もやってみたが、左手で上げるのは大変。でも何とか持ち上げることができた。


飛鳥座神社本殿。この時は、よく知らなかったのだが、帰ってからこの神社のことを調べたら、大変面白い神社だったことがわかった。境内には多種多様な奇石が安置されており、その中には古代の性器崇拝の名残と思われる陰陽石や、異様な姿をした人型の石像などがあったらしいのだ。また、毎年2月の第一日曜には、ここを訪れる客の層がいささか変化する。それは、この日が天下の奇祭・おんだ祭が行われる日だ。祭りは、五穀豊穣を願う御田植神事と夫婦和合の儀式が行われるという。何でも、その内容は凄いものらしい。そんな事を知っていたら、もっと神社の中をよく見ておくべきだった。


12:22。大伴夫人の墓前を通過。藤原鎌足の母の墓とされる円墳である。


大伴夫人の墓の近くには、藤原鎌足公の産湯の井戸がある。


12:45。万葉文化館に到着し、その横にあるレストランで昼食とする。ずっと調子が悪かったヒロボーさんも春限定のスーパードライを飲むと元気が出てきたようだ。


13:20。万葉文化館から少し歩くと、亀形石造物がある。これも謎の石造物の一つである。亀の形をした窪みに、水が溜まる仕組みになっている。亀形石槽のすぐ南側には小判形の水槽、さらに南側にこれら石造物に水を供給していたと思われる湧水施設があり、政治を占う施設とか、身を浄める場所とかさまざまな説が唱えられている。


ちょうど、近くにボランティアのガイドがいて、そのあたりの話を細かく説明してくれた。


13:34。竹やぶの中を進んでいくと出てくるのが酒船石だ。宇宙人のメッセージを思わせるような模様が特徴で、数ある謎の遺跡の中でも最も興味が沸く謎の遺跡である。お酒を搾るのに使ったとか、薬を使うのに使ったとか色々な説があるという。


13:43。岡寺に到着する。本尊は天平時代作で女性の厄除け観音として信仰を集めている如意輪観音坐像で、わが国最大の塑像と言われている。また、西国三十三カ所観音霊場の第7番札所でもあるのだ。どうりで立派な山門である。


立派なお寺だけに、仁王門前で記念写真。


境内にはいると美しい庭園と白壁の建物が、まるで大正ロマネスクの雰囲気を彷彿させられた。


本殿から奥の院にかけての山の斜面は、シャクナゲ園となっている。ちょうど開花時期に当たり、シャクナゲの花が一面に咲き乱れていた。




山の上からは、本殿や境内がよく見える。


境内の一番高い場所にあるのが三重塔。鎌倉様式の色鮮やかな塔だ。


14:38。明日香村では、最も有名なスポットである石舞台古墳に到着する。6世紀頃、巨石30個を積み上げて造られた石室古墳で、その規模は日本最大級である。盛土が失われて、露出した天井石の上面が平らなことにちなんで、石舞台と呼ばれている。この巨大古墳が誰の墓なのかは不明であるが、付近に蘇我馬子の庭園があったことから、馬子の墓ではないかと言われている。


2週間くらい前なら、この辺りも満開の桜で囲まれていたかもしれない。


石室の中に入ってみると、その大きさに圧倒される。高さ約4.7m、幅約3.5m、奥行き約7.6mで、石の総重量は推定2,300tもあるというのだから、これだけの物を古代人がどうやって作ったかというのも興味が沸く。


15:10。飛鳥川にかかる玉藻橋を渡る。


玉藻橋のすぐそばにあるのがマラ石だ。解説板によると“明日香村にある謎の石造物の一つ。男性器を模したもので本来は真っ直ぐに立っていたともいわれている。地元では、飛鳥川をはさんだ対岸の丘陵を「フグリ山」と呼び「マラ石」と一対のものと考える説もある。子孫繁栄や農耕信仰に関係した遺物と考えることもできよう。”と書かれている。




さらに南に向かって進むと、美しい稲渕の棚田が広がっているのが見えた。秋には黄金色に輝く稲穂と彼岸花のコントラストが楽しめるという。


この辺りを走っていると、日本の里山風景っていいなと改めて思い起こさせられる。


この稲渕の棚田の先にいくと、飛鳥川に大きな綱がかけられていた。しかも、真ん中には、妙な飾りが見える。


一体何だろうと近くにいた地元の人に聞いてみると、その綱は、「男綱」といい、男性のシンボルを模したものだという。石舞台など明日香中心部からの悪疫を防ぐのが稲渕の男綱の意味で結界を表しているそうだ。また、さらに2キロ先の栢森集落には「女綱」がかけられ、稲渕からの悪疫を防ぐ意味があるそうだ。


15:30。「男綱」から少し先にある「飛石」まで行って戻る。どこにでもあるような飛石ではなく、古代から飛鳥川に石を渡して橋として使ったもので、万葉歌にも数多く詠まれたものだという。


稲渕の棚田を見ながら山を一つ越える。


16:00。田んぼの中を進み、見えてきたのが文武天皇陵だ。


そして、すぐ近くにあるのが有名な高松塚古墳だ。


16:20。閉館時間ぎりぎりで、高松塚壁画館に入る。ここには、高松塚古墳より発見された石槨内部の模型と、永久保存が図られている高松塚古墳の出土品(模造)や壁画の模写が展示され、国宝に指定されている側壁の男女人物像、四神、日月や天井部の星宿図が、鮮やかに再現されている。


16:40。飛鳥駅に無事ゴール。走行距離は18.5キロとマラニックとしてはかなり短い距離だが、見どころ満載でとても時間が足りなかった。有名なポイントは、ほぼ網羅したつもりだが、まだまだ寄りきれなかった場所も多い。まさに、明日香村は、古代歴史ロマンの宝庫である。古代史に興味がある人には、是非ともお勧めしたい場所だ。


参考:今回のコースマップ


飛鳥駅ゴール後は、健康福祉センターたちばなの「太子の湯」に入ってから帰路に着く。吉野山と明日香村を駆け抜けた二日間のマラニックだったが、短い距離にも関わらず一日一日満喫できた旅になった。