醍醐さんは修和女学校時代のお友達に声をかけ、多くの浄財が集まりました。
そして、伝助様は、地元福岡の筑前銀行に口添えをしてくれました。
この時交わした金銭消費貸借契約證書によりますと、借入金は金四千圓也。「王子と乞食」の単行本は一冊 壱圓五拾銭。
大金ですが、靑凜社が出来たことは、花子にとって大きな進歩です。
自分の会社で、自分たちの好きな本を出版できるのですからね。
「郁弥への思ひいに捧ぐ」
郁弥が生きていれば喜んだでしょうね。満面の笑みを浮かべて…。
ただ、どうして郁弥が死んでしまったのかよく分かりません。
郁弥を死なせたということは、かよにこの後、何かあるずらか?
庭に蒔いた勿忘草があんなに咲いて、勿忘草の花言葉は、≪私を忘れないで≫
いったい何を言おうとしているのでしょう。…又又大どんでん返し?