私が一度は実物を観ておきたかったのが向井潤吉氏の古民家の絵でした
世田谷区にアトリエごと寄贈されましたので世田谷美術館の分館として
生前の生活を偲びながら作品に触れる事の出来る美術館です
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三軒茶屋駅
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松陰神社前駅
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高碕~東京~渋谷~三軒茶屋~松陰神社前と乗り継ぎを重ね
どこか下町らしい風情の鶴巻を駒沢中学校を目指し歩けば
落ち着いた住宅街の一角に向井潤吉アトリエ館は在りました
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向井潤吉氏(1901~1995)は10代半ばより京都の関西美術院で洋画を学び
戦前に単身渡欧して研鑽を続け戦中の従軍画家を経て
戦後より一貫して全国各地の民家を描き続けた画家です (パンフより引用)
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作品は撮影が禁止されておりますのでパンフレットの絵と
購入した絵葉書(下の3枚)をここに載せてみました
今回は1960年代に描かれた作品が主な展示でしたが
収蔵されている作品は660点に上るそうです
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どの位の時間を掛けて観ていたでしょうか
絵の見方に定義は有りませんが氏が描く絵は誰でもが解りやすく
見る者の心を温かく包んでくれる安心感が有りますね
子供の頃、みんなで童謡を歌いながら歩いた畦道、日向ぼっこをした縁側
そんな郷愁を呼び起こしてくれるそんな気がするのです
(民家の絵の外にも渡欧した時の絵や仏画も数点、飾られておりました)
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遊び心も忘れないこの庭で氏はどんな構想を練り
訪れた仲間たちと語り合っていたのでしょうか
「私の民家を扱う気持ちに徐々と変移があった。むろん草屋根を主とする民家が
興味と採集の中心目標だが、あまりに家のみに力点を置くと何か設計図みたいな
窮屈さと味気ない説明になりやすいので、むしろ家を大切にしながらも
その家を取り囲む風土風景を主とする様になってきたのである ー(潤吉)ー
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このタイミングの良さ、もう少し遅かったら逃すところでした。常時、開催している訳では無かったのです。
私が生まれた家も藁葺き屋根の家だったんですよ。
あの頃は順番制だったのか白川郷の様に村中の人達が協力し合って屋根の葺き替えをしていたのを覚えております。
家の屋根は商売をしていた関係上、大屋根でしたので手伝いも接待も大変な事だったと思います。
そんな家で子供の頃を(小学校3年の時に建て替え)過ごしたものですから向井潤吉の絵に特別な親近感を抱いたのかもしれません。
是非、観に行って下さい。素晴らしいです。
懐かしい風景・・、子供の頃 従兄弟の家(本家)は 大きな藁葺屋根の家でした。
是非 足を運びたいと思っています。展覧会は 12月3日までなんですね。
私が確か50代の頃、ある取引先の社長の自宅へ伺った際 居間に 藁葺古民家の絵がずらっと並んでいて 社長の奥さん(かなり高齢の)の趣味だと聞いて そういう人がいることに感動した記憶があり 今 思い出しているところです。
でもこれで気にかけていた心配事が無くなりましたね \(^o^)/ 奥様も安心された事でしょう。
私は相変わらずあっちこっちと飛び回っている毎日です。
ご覧の通り山を疎かにして遥々田舎から都会へ一日がかりで行って参りました。
でも絵の中に安らぎと自然を見出せた事は大変ラッキーでした。
そのお蔭でまた自然に触れたくなりましたので、その内・・・
古民家と里山の風景
いいですね
どこか哀愁があって郷愁にかられます
そして 心がほっこりします
この絵を拝見しながら
「昭和も遠くなりにけり」と思ってしまいます
私が向井潤吉という画家を知ったのはテレビでした。この日本の景色をこのまま朽ちさせて良いものかと言う想いで描き続けて来た氏の信念。
衝撃を受けましたよ~。
その絵を何時か観たいと思っていた事が漸くこの歳になって実現した訳です。
越後美人さんもこの絵を観て故郷を思い出された様ですね!そこに、この絵が生きていたと言う事に繋がって来るのでしょうか。
観ている内に遠い昔にいざなってくれる郷愁が漂っているせいでしょうか。氏の人柄によるものなのでしょうか。
イーゼルを背負って現場に赴き古民家と対峙して描き続けたと言う一つ一つの作品はやはりリアルさを感じます。
アトリエとして使っていた場所は高級住宅街でしたが駅からアトリエに向かうまでの商店街もまた何処か懐かしいものが有りましたよ。
東急世田谷線は種類の違う電車が短い区間を行き来するだけの路線ですが猫電車は中々微笑ましいですよね。
確かに時間が過ぎるのを忘れていましたね。観賞後、このまま帰ってしまうのはどうも惜しまれて
庭の椅子に腰を下ろし30分ほど氏の人柄を偲んでいたくらいです。
先日、尾瀬の帰りに見た民家も5年もすれば朽ちてしまうのではないかと思われる佇まいでしたが市が、町が立ちあがって修復に向けて動いてくれるなら
日本の財産として後世に伝える事ができるのに・・・そう思いました。これも日本の歴史ですものね。
都会の空気にはどうも馴染めずどっと疲れが出ましたが気持ち的に爽やかだったのは、やはり心休まる作品に出会えたからかもしれません。
次々に姿を消していく藁葺き屋根の民家をこうしてキャンバスの残してくれた功績は大で有り日本の財産ですね。
こがらさんの仰る様に白が印象に残る作品です、氏は「緑色はどうも難しく使いこなす事が出来ない、なので緑をなるべく使わなくて済む季節を選んだ」と
書いておられましたが「ウソでしょう!」と言いたくなるほど絵に溶け込んでいる木であり草ですよね。
思えば河鍋暁斎展を観に行く事が出来たのもFsさんの記事に刺激を受けての事でした。
今回、向井潤吉という人物を意識したのは先日いきました尾瀬の帰り道で朽ちた藁葺き屋根の民家を見た事がきっかけだった様に思います。
ネットで探っている内に第二期展が開催されている事を知り居ても立っても居られず即、行動に移してしまいました。
アトリエ館は氏の日常を視野に置きながら観賞できる事が素晴らしいと思いました。是非!
ネズミ返しのある穀物蔵、石葺き屋根の民家、そうした小さな集落の長閑な風景に誘われて一日中、歩き回った日の事がsisiさんのお蔭でまた蘇って参りました。
ヨーロッパアルプスが御縁でsisiさんと知り合って、もうあれから何年、たったでしょうか。
私はもう行けないかもしれませんがsisiさんは未だまだ挑戦できますよね。
またお話を聞かせて下さい。
それでも山村の風景に溶け込んでヒッソリと佇む風景に出合いますと思わず車を停めて見入ってしまいます。
私は向井潤吉氏の実物の絵を観たのは今回が初めてでしたが
私が想像していたよりも絵具を厚く重ねて居る事に驚かされました。
それが、より深みのある絵に仕上げているのでしょうね、一日かけて行っただけの価値ある絵が観られて満足です。
私の師は人物画家でした。私が17歳の頃でしたか徹底的に人間の骨格を教え込まれました。
立ち姿から椅子に坐した人物を描くとき骨がどう動くか
その上に衣類を描く事で安定した姿を描き出せたのです。
そんな指導の下で描いてきましたので私は人物画に深く興味を覚える様になったのです。
電車や商店街の様子を、珍しく拝見しました(笑)
向井潤吉という画家を初めて知りました。
日本の民家を描き続けた画家さんだったんですね。
こうして作品を見せて頂いて、父母の実家の様子を思い出したり、
ここに暮らしていた人々のつましい生活を思い浮かべて郷愁を感じたりしました。
時間がゆっくりと流れる世界ですね。
父母の実家を訪ねてみたくなりました。
静かなよい時間を過ごされましたね。
郷愁に溢れ、素敵なものばかりですね。
また庭も素朴な中に味わいがあり、人柄が忍ばれるような趣が感じられます。
東急電鉄の猫バスのような車両、可愛いです。
絵葉書や美術全集の中で見る小さな絵、本物を前にしたら時間を忘れて見(魅)いってしまったことでしょう。
至福のひとときでしたね。
失われつつある風景ですが 、絵の様に山や畑、木々が今も残っている所に出会えるとうれしいです。
中に入れば、潤吉の美に囲まれ、私なんかもう出られなくなるだろうと思います。静寂そのものの絵ばかりですので。
古い立派な民家の白壁を見ていますと、この画家は白が好きだったのではとも思います。
大自然の中に点在する民家では、どんな暮らしをしていたのかも想像したくなります。
たかさんのおっしゃる童謡を歌いながら歩いた畦道、ひなたぼっこをした縁側に限りなく郷愁を誘われます。
つい大きな美術館のイベントばかりに気を取られる昨今、大いに反省です。
訪れてみたいですね。
向井潤吉は構図にとても凝ったようで、実際の民家が引き立つように背景の山や樹林の位置に修正を加えながら丁寧に描いた、と聞いています。
かなり以前大きな展覧会を見に行きましたが、今の私の感性でもう一度見たいです。
思い出させていただき、そして紹介ありがとうございます。
本当に心落ち着く、昔懐かしい日本の原風景ですね。
どの絵もですが、その絵の中に入り込んだ気持ちになります。
実物は、もっともっと素晴らしいものだと簡単に想像できます。
どことなく、スイスの田舎の景色も思い起こさせてくれます。
スイスのバレンベルグを訪れた時の事をしっかり思い出してしまいましたから。
不思議ですね。
素敵なお写真の数々ありがとうございました。
郷愁を誘われますね。昔は当たり前に見かけた家々が今は残り少なくなったから、
余計に懐かしさを覚えるのかもしれません。
もう20年も前になりましょうか、向井潤吉画伯の展覧会が当地で開催された時に
見に行き郷愁の世界に浸ったことがあります。
テレビでも丹波の家々を描かれる場面が放映されたことがありますよ。
その時描かれている家のご婦人が、"こんな素晴らしい絵を家に飾っておきたいわ"と
つふ焼かれたたことが印象に残っています。
ところで、たかさんはどんな絵を描かれるのでしょうか?