マリアテレジアの独り言

日々の生活の中で見つける・・
  小さな感動をつづります。

ノーベル文学賞・・・日系英国人・イシグロシ氏の快挙。 そして 『小さな者が一人でも滅びることは、神の御心ではない。』

2017-12-12 22:47:40 | 聖書。聖書勉強会。教会。日常の信仰生活。
   『文学もノーベル賞も分断を越える』

 
ノーベル文学賞を受賞のカズオ・イシグロ氏 そして 奥様と娘様。

おめでとうございます。 日系英国人の快挙に、身近さを覚え、嬉しい限りです。
『日の名残り』を読んで以来のファンとしては、さもありなんと納得、嬉しい限りです。


イシグロ氏。
この数日で…とても印象的で、忘れることができない、問題提起になる、話をなさいました。

『ノーベル賞受賞挨拶』で、穏やかな口調で、挨拶されました。

5歳の時、
長崎で「ノーベルショウ」は「ヘイワを広めるためにつくられた」と母から聞いた。
当時は、母も被爆した長崎への原爆投下から14年目でした。
「ノーベル賞は子供でも理解できるようなとてもシンプルなものです。
そしておそらく、だからこそ、世界に影響を与え続けているのでしょう。」


敵対と不信感の時代にあって、
「文学がそうであるように、ノーベル賞は、互いを分断する壁を越え、人類として共に何に立ち向かっていくべきなのかを思い出させてくれます。』

又。

『NHK単独インタビュー』でも、穏やかに、ご自分の考えをはっきりと話されました。

『作品を書くにあたり、
日本とのつながりを強く意識してきた。
両親が日本を離れた1960年代の日本が、ある意味で、私が受け継いだ日本の姿です。
皆さんにとっては、あまりにも変わりすぎて、なじみがないかもしれない。
それは、イギリスで両親と暮らしていた我が家の姿に近いと思います。

自分の記憶の中にいる日本を残すために、執筆を始めました。

『忘れ去る』ことについて、深く考えるようになりました。


私は、年をとるにつれて、『過去を忘れることが最善か?』それとも『過去と向き合うべきか?』と、思い悩む人々について、問題を提起したいと考えるようになりました。

そして、その問題を国家に当てはめてみた。

国家は前進するために、過去を忘れなければならない時がある。

日本は依然として、とても安定している。
そのことは、日本が戦時中の暗い記憶や日本が犯した残虐行為を、世界大戦後に遠くに追いやらなかったとしても、可能だったでしょうか?

”時に過去を忘れることの必要性”を指摘した上で、『過去にどう向き合うべきか』について語る。

一部の物事に目が向けられていないために、問題が生じたり、
これから悪化するかもしれない、何か深刻な状況が生まれているなら、
次のことを問うべきかもしれません。

『私達は今、過去に目を向けられるだけ強くなっているのか?』
『過去が遠ざかっている今、それに目を向けることは、簡単だろうか?』


他の多くの国々は、それを実践してきたと思う。」

   以上。イシグロ氏の話を録画して、書き起こした一部でした。


『原爆投下から14年後に知った「ノーベルショウ」は、
「母が幼い子供に聞かせる物語であり、子供たちに希望を与える」とし、
現在、敵対しあい不信感が募る世界で、
「文学という分野がそうであるように、ノーベル賞は、互いを分断する壁を越え、人類として共に何に立ち向かっていくべきなのかを思い出させてくれる。』と話されたのです。

スウェーデン・アカデミーのサラ・ダニウス事務局長。
作家カズオ・イシグロさん(63)が受賞した文学賞について講評した。

「記憶と忘却」が重要なテーマであるイシグロ作品について、
「物語を、記憶喪失という巨大な海の中で何かを拾い上げてきた。」と表現。
「私たちが過去とどう向き合っているのか?」そして、
「個人でも共同体や社会としても『生き残るための忘却』とどう付き合っているのか? 子細に探検を続けている」
    と評価した。

 そして。

今日は12月12日。年間第二火曜日。

『今日の福音 イエスの御言葉』

『あなたがたはどう思うか。

ある人が羊を百匹持っていて、その一匹が迷い出たとすれば、
九十九匹を山に残しておいて、迷い出た一匹を捜しにいかないだろうか。
 
  『一匹の羊を捜す神』

このように、
これらの小さな者一人でも滅びることは、あなたがたの天の父の御心ではない。』
 
  『小さな者の改心を喜ぶ神』
                 マタイ福音書 18章12-14節

神は、すべての人を大切になさって、一人でも捨てることなく、すべての人の改心を待っておられるのです。
羊飼いは、迷った一匹の羊が帰途を捜せないので、捜しに行き、連れ戻すのです。

ある人は、「99人の正しい人を放っておいて、1人の罪人を捜しているのは、もったいない。危険だ。」と言う。

神は、
「100人全員の改心と救いを願っているのです。一人でも欠けては、神の愛は満たされないのです。」と言うのです。
私達は、
自分こそ『迷い出した一匹』であると自覚して、神が許しを与えるために探し続けてくださることに感謝しましょう。

皆様!
御訪問に感謝申し上げます。
ノーベル賞受賞ノミネート後…本屋にダッシュ! で…山積になっている本の中から、短編集『夜想曲集』を選びました。
「五楽章からなる一曲のように、ぜひ五篇を一つのものとして味わってほしい」とのイシグロ氏の気持ちに合わせて、一気読みでした。 
さすがのノーベル賞作家です。 おこたの中でホカホカと、皆様もいかがですか? お元気で!