すごい質問

テレビで谷崎潤一郎の特集をしていた。

母が「この人、まだ生きてるの？」

え！

こういうこと、母はわりと詳しいほうなので驚いた。

いや、詳しくない人も知ってると思う。

とっくに死んでるけど！

「じゃあ誰が生きてるの？」

何を聞きたかったか漠然と分かるけど、唐突すぎて・・・

時代劇に出てくるよ

わたしは時々、七福神の名前を思い出すことにしている。

時々思い出さないと忘れてしまうからだ。

忘れても何か不利益があるわけではないのだが

思い出そうとしたときに、思い出せないともやもやする。

だから忘れないようにしている。

これが不思議なことに、思い出そうとするとたいがい一人は思い出せない。

恵比寿や大黒はまず忘れない。

思い出せないのは福禄寿や毘沙門天であることが多いのだが

先日、驚くべきことに布袋が思い出せなかった。

まさか布袋を忘れるなんて。

そこで母親にも、七福神の名前を全員言ってごらんというと

順調に6人答え、やはり最後の一人が出てこない。

寿老人だ。

ふふ、寿老人でつまづくと、つらいぞ・・・

わたしはほくそ笑む。

福禄寿と寿老人は混同しやすい。

福禄寿を思い出した時点で寿老人のことは忘れていることが多い。

だから、どちらかが残ると思い出しにくい。

母はしばし考えていたが、はっとひらめいたように言った。

「すろうにん！」

え、素浪人？

かなり有名な

母とテレビを見ていると、イルミネーションがきれいな場所が映った。

きれいね、お台場かな、とわたしが言うと

「あそこじゃない？ほら、あのネズミがいるところ！」

ネズミがいるところって・・・

「あのネズミ、なんていったっけ？」

かなり有名なんだけどな。

怖い名前

姉と、寄生虫の話をしていた。

「あれなんていったっけ。魚に寄生する・・・」

あー、あれね。

しばしわたしは考えた。

思い出した、「アニキサス」だよ。

しばし姉は黙っていた。

「その名前はちょっと怖いよ」

あ、ちょっと違った？

似てる？

テレビを見ていた母が

「この人、徳光さんの甥でしょ？」

顔を上げて画面を見た。

お母さん、この人はユーミンだよ。