職場の若い娘がパソコンに向かいながら
「ケイグと、なんでしたっけ」と尋ねてきた。
なにやら書類を作っているらしい。
敬具?
「ケイグとなんでしたっけ」
ああ、拝啓?
「違いますよ。ケイグと・・・あれ、ケイジ?」
掲示?
「違いますって。あれですよ、おめでたいこと・・・」
ああ、慶事。
「そう、それとケイグ」
え、またケイグ?
「その反対」
あ、弔事?
「そう、それです」
別の日。
「シュクショウっていうんでしたっけ」
縮小?小さくすること?
「違いますよ。下のほうに小さな字で」
小さな字で?
「なんか注意とかが書いてある」
あ、注釈?
「そう、それです」
この質問で正解にたどり着くわたしもすごいが、聞いてくる娘もすごいと思う。
彼女の名誉のために言うならば、漢字には弱いけどとても賢い娘です。