まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

顔パス

2010年06月15日 17時27分26秒 | 日々雑感
若い頃、行きつけの店があるといいなと思った。

行くと、店主が「おっ」とか「あっ」とか反応してくれて

頼んでないもの「これ、試作品。食べてみて」なんてさり気なく出てきたりする。

レストランでもバーでも小さな居酒屋でも、そういう店があったら、かっこいいなと思ったのだ。

しかし、常連になるためにはとにかくまめに通わなければならない。

まめに通うにはお金も時間もかかるし、飽きっぽいわたしには

じっくり一軒の店に通うというのは難しい話だ。

そのうち、夜出かけることも滅多になくなり

「常連ぶり」をひけらかしたいような付き合いも消滅し

行きつけの店を持ちたいなんて思わなくなったついこの頃、顔パスの場所が出来た。

カウンターに立った途端に、「あっ」という顔をされ、何も言わないうちに出てくる。

頼んでおいた本が。

とうとう、図書館で顔パスになってしまった。

まあそれはそうだろう。

よほどの悪天候じゃない限り、週二回きっちり通ってるもの。

単純計算では年に100回近く行ってるはずだが、

年末年始や本の整理などで図書館が長く休むときもあるから

まあ80回ちょっとというところか。

顔を見て予約の本が出てくるということは、名前も覚えられてるということである。

なんか、迂闊な本借りられないよなー。

迂闊な本ってどんな本だ。

まあ知られて困るような本は借りていないんだけど

「この人、しょっちゅうギターの教則本借りるなー」

って思われてたら恥ずかしいな。

「いつになったら弾けるようになるのかなー」とか。

しかも時々ピアノやウクレレの教本も借りてるし。

「ギターはやめたのかなー」って心配されたり。

まあ、そこまで親身になってもらえれば本望というところか。