新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

12月5日 その2 笛吹けど経営者踊らず

2016-12-05 14:28:27 | コラム
賃上げ未だしでは:

新宿駅西口の京王百貨店の道路を隔てた反対側に4階建ての大きな構えの寿司店・S寿司がある。ここは以前からお得なランチで知られていた。先日、家内と11時半遙か前に外から店内を眺めると、職人たちが一所懸命に握っているのが見えたので、何事かなと思って通り過ぎた。そして開店時刻の11時半前になって再び前を通りかかると、先ほどにはなかった行列が出来ていた。

そこで、それほど人気があるのならばと話のタネに並んで、立て看板のランチのメニューを見れば寿司一人前が¥640、一人前半は¥750、お椀と茶碗蒸し付き海鮮丼が限定20人で¥640という具合で確かにお買い得だった。11時半丁度に暖簾が掛けられて開店となるや、待ちかねていたお客が雪崩れ込んで15人は座れるだろうカウンターは直ちに満員。全員が注文する一人前はなるほど既に桶に準備されていて直ぐに提供されるといった具合だった。これでは受注生産では回転率が維持出来ないと解るほどで、店内にも早くも順番待ちのお客が並んでいたのだった。

そこで満員となったお客を品定めしてみると、圧倒的多数が中年以上の背広姿の男性ばかり。皆一様に急いで食べては慌ただしく伝票片手地に立ち上がってレジに向かって行く。なるほど、何かと家庭その他での出費が多いだろうあの年齢の方々はこういう店を利用されているのかと、デフレ克服未だしの感と、総理が幾ら賃上げを要望する笛を吹かれても一向に踊らない経営者が多くて、彼ら中高年のサラリーマンにとっては不十分だったのではないのかと、勝手に想像していた。先日も指摘した二分化の傾向がここにも現れており、(一部の)若者はここS寿司倍以上にもなる値段の昼食を楽しむ余裕があるらしいと思わずにはいられなかった。

私は何度も「経営者の劣化」を指摘するというか、憂いていると述べてきたが、我が国の経営者というか単に経営担当者に過ぎない一部の幹部たちは、未だに景気回復が十分ではないとでも思っているのか、こういう二分化の有様を見せられると給与を可処分所得が十分に増えるまでの水準に引き上げていないように思えるのだ。乃至は景気回復は未だに跛行的であり、中小規模以下の企業にまでは行き渡っていないと見えるのだが。

今後は未だにその正体が不鮮明で、TPPからの離脱を先ず表明したドナルド・トランプ次期大統領が、如何なる具体的な経済政策を打ってくるかが、我が国の景気の消長に大きな影響を与えてくるのかと不安に考えている。希望的に言えば、S寿司のランチの行列が解消されるような時代が来れば素晴らしいとは思うのだ。

16年11月の新宿区の人口統計

2016-12-05 07:39:56 | コラム
11月にも1,111人と0.3%の増加だった:

昨4日に大久保通りを散歩して建設中のビル(元は何の店があったのか記憶もない)が如何なる仕様かを確かめてみた。そこには敷地面積が100坪もあるだろうか地上8階建ての店舗兼宿所となると掲示があった。施主は新宿区内の会社ではなかったが、着眼点が鋭いところにあると見た。そう言う根拠は、この辺りには明らかに異邦人たち向けの宿泊施設の増設が必要だと思わせてくれるほど、連日連夜例の「ガラガラ」を引きずって移動する連中が多いのである。私の推理では「彼らは民泊まで利用しているのだろうから、チャンとして施設を設ければ商売になるのだろう」というところである。

私は正直なところ、何故に百人町/大久保界隈がこれほど外国人を惹きつけるのかが解らないが、兎に角彼らは押し寄せてくるのだ。私はこの現象を決して好ましいものとは思っていないし、これ以上彼らに新宿を食い物にされては敵わないと真剣に憂慮している。これでは益々我々は少数民族化して行くではないか。これが政府が推進し、マスコミが囃し立てる「外国人観光客の増加」の一断面である。いや、実態かも知れない。ここに来る連中がどれほどの経済的な貢献をすると思っているのか、政府と監督官庁は?

新宿区の「広報しんじゅく」28年12月5日号によれば、11月の住民基本台帳人口は前月から1,111人も増加して339,283と、0.3%の増加だった。日本人は77人も減少して297,577人となり△0.03%だった。外国人は前月に続いて増加し1,188人で合計41,706人の+2.9%、全体に占める比率は12.3%と前月から0.3%の成長だった。10月は11.98%、9月は11.8%、8月の11.9%、7月は11.8%、6月は11.8%、5月が11.9%、4月が11.5%、3月が11.6%、2月が11.6%と1月が11.5%だったのだから、遂に12%台に乗せたと言える。
11月にも指摘したように、この百人町/大久保界隈では外国人が警察の出動するような刑事事件を起こした聞いたことがないのを、寧ろ不思議だとすら感じている。中国人はいざ知らず、アジア系とイスラム教圏の連中などは業務スーパー・河内屋などでは極めて温和しく振る舞っている。そこには何らかの申し合わせ事項でもあるのかと疑っている。本当に何方でも良いから、一度この街を訪れて「国際化」の負の面を味わって頂きたいものだ。

参考資料:新宿区広報「しんじゅく」平成28年12・5