新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

12月1日 その3 「紙・板紙の消費量がその国のICT化の進み方を表す」を一箇所訂正します

2016-12-01 17:08:23 | コラム
先ほど掲載した掲題の件ですが、調査し、照会した結果で「紙の人口一人当たりの消費量」中に原典に第4位にIAEとあったのはUAEの誤りと判明しましたので、謹んで訂正致します。申し訳ありませんでした。

真一文字拝

12月1日 その2 紙・板紙の消費量がその国のICT化の進み方を表す

2016-12-01 15:53:32 | コラム
紙の消費量はその国の文明のバロメーター:

つい数年前までは上記のようにと言われていたものだった。私自身も毎年アメリカの紙パルプ産業界の調査機関・RISIが集計して発表する世界各国の人口1人当たりの紙類の消費量を統計を楽しみにしていたし、それを伝えてきたものだった。このほど、2015年版が発表されたので、ここに世界の大手製紙国の上位30ヶ国の実績を採り上げて見よう。実は、昨年度の統計を昨年末にPCを修理に出した際に失ってしまったので、遺憾ながら13年度版との対比が出来なくなってしまった。なお、私は自慢にも何もならないが、Excelを使えないので、作表せずに例年通りの文章にしていく。

第1位はベルギーが堅持して312.7 kgと対前年比△1.5%、2位は前年の3位から上がってきたドイツで254.3 kgと+3.3%の成長、3位には2位をドイツに譲ったオーストリアが241.0 kgで対前年比△5.8%、4位はIAEと変わらず昨年は236.3 kgで対前年比△0.1%、5位にスロヴェニアが11位から上昇して229.4 kgで対前年比+213%、6位はアメリカが前年同様で対前年比△1.5%の220.7 kg、7位には5位から下がってきたフィンランドが入り対前年比△9.1%の214.0 kg、8位には7位から下がった我が国が210.9 kgでたい前年比△2.0%、9位はオランダで201.6 kgと対前年比+1.4%、10位には前年から1ランク下がった韓国が入って100 kg台の197.2 kgではあったが+1.2%の伸びを見せていた。

11位以下はニュージーランドが対前年比+1.4%でも順位を一つ下げ、デンマークが△5.4%で順位は変わらず、台湾が△3.3%で順位は不変、イタリアは+1.7%で16位から二つ上がり、カナダは△0.9%で15位は変わらず、スエーデンは△13.8%と大きく後退し順位も13位から16位に後退、スイスは△3.9%で17位は変わらず、チェコは+3.6%で20位から18位に、オーストラリアは△1.5%で一つ後退、20位にはポーランドが144.3 kgと+5.2%で21位から上昇してきた。なお、第30位は前年度同様にノルウエーで106.3 kgと△13.1%だったが、ここまで来ると我が国の半分程度になってしまう。

毎回採り上げてきた世界最大の紙・板紙の生産国である中国は77.2 kgと対前年比+5.6%と大きく成長はしてきたが、それでも我が国との比較では36%程度に過ぎず、第1位のベルギーとの対比では25%だった。77.2 kgとあってはRISIの統計でも順位は報告されていなかったようだ。私はこの辺りを捉えて「中国は我が国を追い抜いて世界第2位の経済大国と呼ぶのは如何なものか」と言いたいのである。

即ち、ICT化が今日のように進み、印刷(紙)媒体が衰退してしまった以上、紙の消費量の減少はその国のICT化の進捗の度合いを示すものと解釈する方が妥当であると思う。それが証拠に、多くの先進工業国が対前年比でマイナスを記録していたではないか。国土の面積も広く人口も今回の発表で採用された数字が13億6,748千万人だった中国などは、総合的に考えれば未だに文明が発達とインフラが整備されていく段階にあると言えるのではないのか。

次は紙・板紙の生産量の上位30ヶ国の実績を採り上げよう。輝く第1位は14年に続いて中国で1億919万 tonで対前年比+1.6%、アメリカは第2位で7,267 万tonで△0.7%、続いて我が国が2,622万 tonで△0.9%、続いてドイツが2,260万 tonで+0.4%、次が韓国で1,160万 tonの△0.9%、6位にはインドが現れて1,123万 tonで+3.1%、次がインドネシアで1,089万 tonで±0、8位がブラジルで△0.4%の1,035万 ton、9位にはカナダが1,032万 tonで△6.7%、10位に北欧からフィンランドが入って1,031万 tonの△0.9%となっていた。

11位以下はスウエーデンで△2.5%、イタリアが+2.2%、ロシアが+0.6%、フランスが△1.4%、スペインが+2.7%、メキシコは+6.8%、オーストリアが+2.1%、タイが+3.2%、ポーランドが+2.1%、20位に英国が登場して△9.7%となっていた。因みに、第30位はアルゼンチンで173万 tonで+1.3%だった。これでは我が国の7%以下である。ここでも矢張り先進工業国の低迷というか、紙媒体の不振が見えるように思える。

なお、消費量のトップも中国で1億563万 tonと+2.1%だったが、生産量を僅かに下回っていた。アメリカが2位で7,091万 tonの△0.8%で生産量を超えていなかった。我が国は3位でその消費量は2,676万 tonで僅かに生産を超えていたが、対前年比では△2.2%だった。韓国は消費量が968万 tonと±0.0%で生産の84%に過ぎなかった。消費量の第30位はフィリピンで194万 tonで+3.4%となっていた。

これらの実績を如何に読み解くかは読者諸賢のご判断に委ねたい。


参考資料:紙業タイムス社刊 FUTURE誌 2016年12月5日号


だからカタカナ語は面白い

2016-12-01 07:24:08 | コラム
「ステンドグラス」って何?

昨11月30日の朝にテレ朝の高田純次の散歩の時間のこと。彼が代々木上原のイスラム教の施設(モスクで良いのだろう)を訪れて「ステンドグラスが美しい」と感嘆。この「ステンドグラス」もカタカナ語の傑作の部類に入れても良いと思う。元の英語は“stained glass”だろうが、先人は先ず”stained”を何故か「ステインド」ではなく「ステンド」にしてしまった。更に返す刀で“glass”はそのまま「グラス」という表記にした。しかし、一般的なカタカナ語では「フロントガラス」のように”glass”は「ガラス」と表記して来ていたにも拘わらずだ。ここでは原語に忠実に「グラス」にしてしまうのは不統一ではないのか。イヤ、融通無碍なカタカナ語化の手法と思えば良いのか。

念“ために”stain”という単語をジーニアス英和で見れば、動詞では「人または物を汚す;〈物〉にしみをつける」とあり、“stained glass”は《教会の窓などに用いる》とある。Oxfordでは”stained glass”は“pieces of coloured glass that are put together to make windows, especially in churches”となっている。それだから、先人は知恵を絞って名詞として使える為に「ステンドグラス」にしてしまったのだろうか。

話が変わるが、私はパック旅行でスペインのグラナダにある、”Generalife”=「フェネラリフェ」という美しく且つ歴史的なイスラム教の世界文化遺産の建造物を見学したことがあった。スペインで見たイスラム教建築の華麗さが印象的だった。テレビの画面で見た代々木上原のモスク(正式には東京ジャミイ=Tokyo Gamiiというらしい)の美しさはそれを上回るかと思ったほど。ここは長い間一度行ってみたいと思っていた。イスラム教徒でなくても見学可能だそうで、そのうちに機会を作っていって是非ともみようと思った次第。これも高田純次のお陰か。