新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

我が国のサッカー界の一つの問題点

2016-12-14 18:35:14 | コラム
ウエイトトレーニングが不足では:

この問題はこれまでにも何度か採り上げてきたのだが、つい先頃J3の言わば下位のテイームが強化策としてウエイトトレーニングを中心に体そのものの力を強化すべく専門のトレーナーに依頼して、全員にそれぞれ何処をどのように鍛えるべきかを診断して貰って、ウエイトトレーニングを中心に懸命にやらせたのだという話を聞いた。結果として、そのテイームは目指していたJ2昇格までは果たせなかったものの、見事リーグの上位にのし上がれたそうだった。

これに類する話は何度も聞いたことがある。ある高校のフットボール部では矢張りウエイトトレーニング中心に練習を強化したところ、一寸くらいタックルされても倒されずに突き進めるようになったというようなこと。換言すれば、例えば甲子園出場を目指して高校生に専ら技巧と言うか”skill”を教え込んでいるばかりでは、肝腎の体力が強化出来ずに「上に行って伸びない」選手ばかりを育成する結果になってしまったという具合だ。

私が以前に入っていたジムにフットボールのXリーグのテイームでトレーナーだった者が2人いた。1人は高校までのサッカー経験者だった。彼らは異口同音に「我が国のサッカーはトレーニングを何か勘違いしていて、ウエイトトレーニングによる強化を等閑にしている。その点では未だ残念ながらマイナースポーツの域を出ない我が国のフットボール界が最も進んでいる」と語っていたものだった。

そこに私が常に指摘してきた「我が代表選手たちの当たられ弱さ」の原因の一つがこの辺にあると思う。上記のJ3のテイームでも一般論として「サッカー界ではウエイトトレーニングに重きを置いていない」と認めていたと聞いた。これも私が常に言うことだが、以前からラグビーの連中の体つきの凄さには迫力を感じるし、彼らはW杯等の国際試合でもかなり当たり負けしないでやれるようになってきていた。これは猛練習以外にもウエイトトレーニング等の基礎体力の強化の訓練を十分にやっている証拠と見えた。正直に言ってラグビーを褒めるのは甚だ遺憾ではあるが。

本日、ジムでその前出のトレーナーの1人でサッカー経験者に再会したので、J3のテイームの件をぶつけてみた。彼は「当にその通りで、サッカー界では未だ体を作り上げるようなトレーニングが不十分だと思う。ウエイトトレーニングが不足の事態は変わっていないのでは」と同意してくれた。良かったような困った話である。フットボール界では往年はベンチプレスで100 kg挙げれば賞賛されたものだったが、今や100 kgが最低線にまで上がってきたとも聞かされている。

かく申す私は、ウエイトトレーニングなどというものがない時代に育ったが、60歳を過ぎてから一念発起してジムでベンチプレスをやってみた。そうしたら驚くなかれ、その年齢で3ヶ月も経たない間に60 kgが軽々と上がるようになった。結構な体力がついたという意味である。そのお陰かどうか、72歳まで1時間ほどフットサルに興じても筋肉痛一つ起こさないで済ませることが出来た。サッカー界でも矢張りウエイトトレーニングを採り入れておられるのだろうが、一層の強化が望ましいと思う。


サラリーマンの服装を論じれば

2016-12-14 07:59:48 | コラム
何故貧相な安物ばかりなのだろう:

言うまでもないことで勤め人の男性の背広姿を論じるのだ。今月に入ってから私としては極めて広範囲に都内を移動している。9日には藤沢まで遠征した。現に、昨日は都営地下鉄の大江戸線を牛込柳町から勝ちどきを経て新宿までと合計延々1時間近くも乗っていた後で、新宿から高田馬場まで山手線にも乗っていた。多くの人を観察する時間があったのだ。

車内で見える風景に新聞や雑誌等を読んでいる者が先ずいないのには最早馴れた。代わりに座るや否や地忙しげに矩形の箱を取りだして寸暇を惜しんで指を動かす者は幾らでもいる。その他に長年「ビジネスマンの服装学」を論じてきた私を「何ということか」と嘆かせてくれる現象がある。それは安物であるだけではなく、着こなしも悪く色の感覚が出鱈目で服装のことだ。彼らは何が何でも濃灰色(チャーコールグレーともいう)か濃紺であれば良いとでも思っているらしく、スーツの色はそれなりに統一されている。

こういう安物偏重の傾向は新宿方面がビジネスの中心街とは言えないからかと思っていたが、有楽町から東京駅周辺に行ってもそれほど変わりはなかった気がする。何故こうなったのかと色々考えてみたし、愚息を含めて何人かと意見を交わしてみた。その他人様のご意見の内容を紹介する前に、私の考えるところでは「失われた20年を含めて我が国は芳しからざる景気が続き給与も彼らが望むほどに上がらず、とても服装までには資金が回っていかなかった辺りが大きな原因だった」となる。

それ以外の意見では「今や服装に金をかけることは若い世代の関心事ではないのだ。現に彼らは新聞も取らず、車も持たず、携帯電話(=スマートフォン)等々が重要なのであり、服装などへの出費の優先順位が低いのだ。そうなっていることの最大の原因は矢張り低賃金というか、所得が増えていかないことにあるのだ」となっていた。給与所得との縁が切れて23年も経ってしまった私には実感を伴わないが、そう言われればそうなのかと思わせてくれるものがある。

それに街に出れば確かにその手の低価格のスーツを売る大型チェーン店が激増している。一方ではデパートに入れば高価なブランド品をこれでもかと並べている売り場も目立つ。と言うことは、ここに二極分化というか近頃良く言われる「分化」の傾向が益々顕著になったと言えるのだろうかと考えている。そうであれば、何十万円もする高価なスーツを着ている方々は車にでも乗って移動されるので、シルバーパス族の私の目には入ってこないのかも知れない。

何れにせよ、経営者の方々は総理の「賃上げせよ」とのご要望に応えるべくより一層の努力をして貰いたいものだと思わずにはいられない。ペラペラの安物の濃灰色のストライプ入りのスーツにストライプのボタンダウンのシャツを着て、ストライプのネクタイを締めて、飴色の靴をこれ見よがしに履いている若者の姿をこれ以上見せられないで済む為にも。尤も、テレビの画面で見る国会議員さんたちもこれとそう変わらない珍妙な感覚の服装だが。