新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

3月3日 その2 伊調馨と栄和人

2018-03-03 17:18:15 | コラム
どことなく不公平な伊調馨の扱い:

目下、伊調馨がレスリング協会の強化本部長の栄和人に「パワハラ」(断るまでもないかと思うが、これは和製のカタカナ語だ)を受けたとの告発状が出されて話題となっている。不思議なことは伊調自身はこの告発状に関知していないと言っているところだ。栄和人も全面否定だった。

週刊文春にもこの関連の記事か掲載され、栄和人が関係者に圧力をかけて、オリンピック五連覇を目指しているようでもある伊調馨の練習の場を奪っているように報じられている。実は、私は以前に同じ栄和人の弟子でありながら、かの吉田沙保里と伊調馨の扱いには妙な差別があるようだと論じていた。それは「2012年の同じオリンピックで両名が共に三連覇しながら、国民栄誉賞とやらを受けたのは吉田沙保里のみだったのは片手落ちではないのか」と批判したこと。

その後、2016年のオリンピックでは吉田は敗退し伊調は見事に四連覇してしたので、漸く「国民栄誉賞」授与という運びになったのだ。この4年間にこの何処からどう見ても差別的な扱いを批判したメデイアはなかったと記憶する。少なくとも私一人だったと思う。私はこの差別的処遇の裏には栄和人という指導者対吉田と対伊調の微妙な関係乃至は差があったのではないかと、勝手に考えている。だって、おかしいだろう、同時に三連覇して吉田一人だけ国民栄誉賞では。

そこに、この度の弁護士による内閣府宛の告発状である。公益財団法人とやらのレスリング協会宛てではないのだ。公益財団法人とあってはその資格が屡々問われている相撲協会と同じだ。そのレスリング協会は自身が告発されている訳で見ないのに「パワハラはなかった」と否定しいるし、伊調と栄の両方から事情聴取すると言っている。内閣府に依頼でもされたのか。この辺りは貴の岩騒動の際の相撲協会の動きに酷似していると思うが。

先日、栄和人(至學館大学教授である)の大学の門の外のような場での言わば囲み取材の如きでの弁明がテレビで流された。番組のゲストの一人が「何を言いたいのかサッパリ解らなかった」と述べたが、私にもボソボソと喋っていただけで意味不明な点が多かったのは確かだったように聞こえた。彼に少し好意的に言えば「十分に準備された質疑応答ではなかったようなので、論旨が不明解だったのは仕方がない」と思う。

だが、人生をその競技一筋にかけてきた57歳の者が社会人として些か常識が欠如しているというか世間の事情に疎といという例は他の競技の協会でも度々見られた。しかも栄和人のようにその分野で圧倒的な権威者にもなれば、自分が一般的な常識から見れば「やりたい放題をやっていた」としても、「圧力をかけた」との自覚症状がなくても不思議はないと思って聞いていた。話し方も如何にも下手だったが印象的だった。

私が奇妙だと感じた点は記者に「伊調馨に練習の場がないのでは」と問いかけられて「練習できるところは沢山ある」などと答えたのは如何にも非常識だと思った。確かにその通りで、物理的には練習の場は多くあるだろうが、問題点は「誰かの圧力でそこから閉め出されいる」ということが告発されていることを理解できていない答えをしたのでは、強化本部長としての答えになっていないと気付いていないことではないのか。

私にはこれ以上のことは言えないが、既に指摘したように時差があった国民栄誉賞の授与の辺りに、既に栄和人と伊調馨の間には何らかの行き違いがあったか、または彼の吉田沙保里の特別扱いがあったのかも知れないと、密かに疑っている。また、私もこれまでに多くの監督さんを見てきたが、監督と雖も「人」である以上好き嫌いがあるのはごく普通のことだと思っている。私の長い人生で「何故か彼奴とは如何に努力しても波長が合わない」という経験をしてきた。

栄和人と伊調馨はもしかして血液型の相性でも良くないのかも知れないが、この場合はそれほど簡単な問題ではないようにも思える。告発状が出された内閣府が如何に裁くかにも大いなる興味がある。

トランプ大統領は鉄鋼の輸入に25%の関税をかける方針

2018-03-03 11:46:33 | コラム
矢張り「アメリカファースト」の一環なのか:

トランプ大統領は安全保障の為に、輸入される鉄鋼に25%とアルミには10%の高率の関税を賦課すると言い出した。だが、一口に鉄鋼と言っても、およそ色々な種類の製品があるのだが、昨日までのところでは具体的にどの鉄鋼製品にかけるかは明らかにされていない。安全保障と言われるからには、所謂「ラストベルト」にあるUSステイールにおける雇用の確保でも指しておられるのかと思った。

だが、今やUSステイールは世界第7位程度の製鉄会社で、売上高などな1兆5,000億円見当だ。因みに、世界第3位の新日鐵住金は4兆9,000億円の規模で中国の河北鋼鉄で4兆3,000億円程度である。だが、アメリカファーストを標榜され、job(私はこれを雇用と訳すのは誤りだと何度も指摘した)の増大と確保を重要視されるトランプ大統領の政策の下にあっては、過剰設備を抱える中国等からの輸入を関税で制限して、ラストベルトの企業を守ろうとされるのは理解できる。

しかも、ラストベルトこそが彼の38%見当とされる最大の支持基盤だろうし、再選を目指しておられる以上11月の中間選挙対策を考慮しておられるだろうと察しはつく。何れにせよ、何としても国内産業を保護して、謳い文句であり公約でもある「アメリカファースト」に徹底されているようだと、私にも読める。だが、それでなくとも輸入に依存してきた鉄鋼製品に高率の関税を賦課してはインフレを招来するのではないのかと、他人事ながら気になってしまう。

それとも、関税で保護しない限り鉄鋼業界の雇用の確保が安全ではないとでも読んでおられるのかとも疑った。しかし、既に指摘したように鉄の中のどの製品に関税をかけられるかが判然としない限り、我が国は如何なる悪影響が及ぶのかは見えてこない。だが、昨日には既に株価が下落していた。私は常識的にはこの関税で最も影響を受けるのは、世界最大の過剰設備を抱える鉄鋼製造国で、輸出に専念している中国だと思っていた。

と言う次第で、こんな事を考えていたら、昨2日のPrime Newsではアメリカの中国からの直接の輸入量は全体の3%弱で、6%の我が国の方が多いのだと聞かされた。意外だった。中国は直接米国に輸出するのではなく、アジアの諸国等の経由という形を採っているのだそうだ。何れにせよ、トランプ大統領の「アメリカファースト」が今度はまた新たな産業の分野で世界に波紋を巻き起こそうとしているの確かだろう。我が国に対する影響の度合いは見通し不明だそうだ。