新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

3月10日 その2 私は心配している

2018-03-10 14:30:58 | コラム
森友関連の国有地の大幅値引きでの売却:

私はこの案件が野党と朝日新聞連合があれほど長期間引っ張って騒ぎ立てていることが未だに理解できない。畏メル友のO氏とも意見が一致していただが、不良資産ともなりかねない悪質の土地の処分先を巧みに見出して売却したことが、それほど悪いことなのかという疑問だ。私にはこの問題と財務省(近畿財務局?)が関連の書類を破棄したとか書き換えたとかいうのは別個の案件だとしか思えないのだ。野党は朝日の記事に便乗して国会委審議を遅らせているだけではないのか。

辻元清美は佐川国税庁長官の辞任を「トカゲの尻尾切り」と形容したが、財務省の最高幹部がトカゲとは見当違いも甚だしい言いがかりではないのか。安倍内閣は本気で佐川氏の辞任で幕引きにする気なのか。野党と朝日新聞連合は唯々安倍内閣を窮地に追い込むか、朝日の社是のように退陣させたいが為の揚げ足取りと見るのは誤りだろうか。

何れにせよ、このアメリカ対DPRKの直接の対話が進みそうであり、中国に独裁者の長期政権が誕生するという国際情勢が緊迫しつつあり、トランプ大統領が鉄鋼とアルミの輸入に高率の関税をかけると決められたような時に、彼ら野党は国会で採り上げるべき案件の優先順位を曲げているだけだとしか思えないのだ。彼らが一度でもかかる国際的な問題を予算委員会でも何処でも、質問をしたのかを考えて見るべきだ。

私が懸念していることは、トランプ大統領が独断専行とでも形容したいような、予見しがたい速度で事を運ばれては、如何に安倍総理がトランプ大統領が信頼する相談相手であられても、我が国は「アメリカとDPRKの首脳会談」のような案件については、誰かが危惧していたように「蚊帳の外」に置かれてしまうのではないかという問題である。

何方でも、私は間違っていたら教えて下さい。

Mr. Unpredictability

2018-03-10 08:31:08 | コラム
矢張りトランプ大統領は予見不可能だった:

私の記憶が正しければ、最初にトランプ大統領を unpredictable と形容したのは産経の古森義久だった。将にその通りの方だと私は考えている。今回の決断も全くその unpredictable が当てはまるかと思う。尤も、トランプ候補の当選を予測しいた数少ないジャーナリストの1人である木村太郎は、既に以前のPrime Newsでトランプ大統領のDPRK訪問を予言して見せてはいたが。

昨3月9日は目まぐるしい1日だった。私個人として午前中に通院があって昼過ぎに一旦帰宅すると82歳の実弟が前夜に大動脈瘤破裂で10時間もの大手術で命を救われてICUで意識不明のまま入院中と姪から知らせがあった。現時点では見舞いに来て貰ってもガラス越しに見えるだけで何にもならないので、意識が回復次第連絡すると言われ、大いに動揺した。そういう状況では二つのニュースには容易に対応できないかと思わずにはいられなかった。

午後にも別のクリニックにも予約があり外出が続いたのだが、その間に佐川国税庁長官の辞意表明のニュースがあったかと思えば、トランプ大統領が5月までに(韓国の鄭義溶の英語の記者会見では by May となっていたが)金正恩と首脳会談をする意向を表明されたという呆気にとられるような、予測不可能だった大変なニュースまで飛び込んできたのだった。

トランプ大統領の首脳会談をするという意向の表明を聞いた途端に感じたことは「もしかして、私は文在寅大統領を過小評価していたのではなかったか」だった。私は文大統領は金正恩に平昌オリンピックを巧みに利用されてすっかり取り込まれ、DPRKの意のままに操られアメリカ向けのメッセンジャーボーイ程度の役割だと思い込んでいた。しかも、DPRKに特使団を送り込んで金のご機嫌を買うことくらいしかやることがない存在だと見做していた。

それが、平壌であの何処までが本気なのか確認のしようもない歓待を受けた使節団が直ちにワシントンDCに向かい、金正恩との会談の詳細を報告するという素早い動きを見せた。そう聞いた時点では私は、単なる儀礼的なアメリカ出張ではないかとすら考えていた。ところが、そこから先がトランプ大統領 unpredictable の最たるところで、鄭義溶から金会談の詳細を聞くや直ちに「会う」との意向を表明し、記者団に自ら予告した上で使節団に記者会見をさせたのだった。

その意志決定の素早さというか何と言うか、恐らく国務省とも詳細な打ち合わせをすることなく「首脳会談」の意向を表明した辺りが、如何にもトランプ大統領のトランプ大統領たるところで、就任以来の「我が道を行く」やり方というか独断専行であって、別段驚くには当たらないとは思う。だが、事がことだけに、アメリカの政府内も諸外国の首脳たちも呆気にとられた状態かと思う。

その辺りを昨夜のPrime Newsでは所謂専門家を集めて2時間タップリと討論していたので、中々の聞き物だった。私が最も印象に残った発言では渡部恒雄の「トランプ大統領は自分が知らないということを知らないのだ」だった。彼もそのように見ているのかとある意味では意を強うした。

それは、私が常にアメリカの元の同僚とも語り合ってきたことであり、先月久し振りに昼食会をした私などは遠く及ばないアメリカの支配階層の在り方に精通した長老も「トランプ大統領は本当に無知なのか、あるいは何もかも承知で無知を装っているのかが解らないのが困る」というトランプ論はかなり広まっているのだ。

その他では外務省の佐藤正久副大臣の「金正恩は朝鮮半島の非核化と言っているだけで、DPRKの核放棄とは言っていない。この辺りの表現は要注意だ」も印象に残った。要するに、あの鄭義溶の報告の内容は更なる慎重な検討が必要であるという意味だろう。しかも、彼は韓国語ではなく英語で発表していた。発音は兎も角、文章の構成はしっかりしていたと聞こえたのは、正直に言って残念だった。我が国の閣僚では河野外相を除けばあのような会見が出来るのかという疑問だ。

以前からあったマスコミ論調であり、昨夜も出ていたのは、今回のアメリカとDPRKの首脳会談に至るまでの経過には「我が国は安倍総理がトランプ大統領とあれほどの親密さがありながら、今回も電話で相談されたとは言うが、蚊帳の外ではないか」という疑念である。私にもその疑念がある。アメリカは黙っていても同盟国である日本は追いてくるとでも考えているのかも知れないとでも見ているのではないか。

は22年半にもなったアメリカの会社勤務で感じたことは「1970年代後半から1980年代半ば頃のアメリカのビジネスの世界での大方の認識は『日本は子会社的存在で親会社の意向に逆らうことなど許されない』といった感覚で接しているようだ」だった。恐らく、この頃は「何事においても高圧的なアメリカ」であり「逆らうことなどは許されない雰囲気があった」と思う。

私は安全保障条約などという括りの枠外でアメリカを見ていたので、核の傘で守られた庇護国というよりも、80年代後半以降はビジネスの面では対等乃至はそれ以上で、特に製造業の技術と労働力の質の点では完全にアメリカを凌駕しているので、何ら気兼ねをする必要などない同盟国という間柄だと思って接していたし、彼らも我が国に対して一定以上の敬意を示していた。但し、それは余程我が国と長期間密接に接する機会があった者たちに限定されることかも知れないが。

話をアメリカとDPRKとの首脳会談に戻せば、その実現までにはDPRKは兎も角、アメリカの国務省以下が日時・場所・事前の事務レベルでの予備会談・議題等々の他にある最も重要なことは「金正恩の真意が那辺にあるのか、鄭義溶に言わせた内容が何処まで本気なのか」等々精密な検証を要する案件が多過ぎはしないか」だろうと思っている。だが、Mr. Unpredictabilityのトランプ大統領は単身ででも平壌に向かってしまうのではないかと、私は勝手に、一人密かにか危惧している。

そこにあるのが11月の中間選挙対策なのか、本気で再選を目指す為に岩盤の支持層に訴えかけて、あらゆる選挙公約を忠実に実行しようと励んでおられるのかは私如きには解らない。昨夜のPrime Newsでは中間選挙で勝たないとロシア疑惑で民主党に弾劾されかねないという話まで出た。