3人の元外交官に聞く:
この企画は既に何度か放映されていたので、出席者も予測出来ていた。即ち、並び順から田中均氏、藤崎一郎氏(元駐米大使)、宮本雄二氏(元駐中国大使)だった。外務省入省が1969年の同期だそうで。外務省で位を極めた方々が見る現在の外交問題を語られるという点に興味があった。
司会の反町が何故か話題を先ず田中氏に振る事から入っていったので、同氏の発言が最も多かった感があった。そこで、私がこれと思った話題を採り上げてみよう。
対韓国問題だが、田中氏は韓国を担当した時期もあったので韓国を知っているのだと断った上で「現在の文在寅大統領の反日的で筋が通っていない発言や、その他の者たちの数多くの無理無体な主張に一々反応せずに無視しておく方が良い。反応すればまた熱くなって応じてくるので際限がない。落ち着くまで放っておくべきだ」と指摘された。私は黙っていれば、相手は言い分が通ったと思って付け上がるので反論すべしと言い続けてきたが、練達熟練の外交官はそうは考えていないと解った。
お三方が一致して批判されたのが、河野外相が駐在の韓国大使を外務省に呼んだ時にその発言を中断させて「無礼だ」と非難した態度は宜しくないと厳しく批判された事だった。テレビカメラを入れていた場であのような態度を取るのは今流行のポピュリズムであり、将来ありと期待した河野氏だけに困った事だと思うという訳だ。但し、河野外相はその英語力を活かして韓国の矢張り英語が上手い康外相と密接に電話連絡しておられる点は評価されていた。
輸出管理手続きの変更については藤崎氏だったと記憶するが、あの経産省で行った説明会では「矢張り事前に服装等はどのようにするかくらいは打ち合わせておいた方が良かったし、如何に何でも半袖シャツはあるまいと思っただけではなく、韓国に対して『こういう変更をするから』くらいの告知があった方が良かったのでは」と言われた。これは細川昌彦氏も指摘しておられたが、あの韓国側の2名はあの地位に転じてきたばかりで何も知らず、あの案件の基本的な解説に数時間を要したにも拘わらず、帰国後には経産省を非難する報告をされてしまった点も述べておられた。
お三方の見立てでは「矢張り文在寅大統領がその任にある期間中は、我が国と韓国との間にある諸問題や外交関係には所謂落とし所はあるまいとの事だった。文在寅大統領や韓国に数多くいる人たちにとって「韓国の併合」は許すベからざる何物にもまさる怨念の一件であるから、彼らは譲るまい」と言われるのだ。しかも政権が変わればまた見解が異なってくるので、容易に決着はつくまいと言われていたと聞いた。
トランプ大統領については同じ誇り高き外務省出身の宮家邦彦氏と岡本行夫氏が否定的な発言を繰り返しておられたので、肯定的なご意見は少なかったが、田中氏が「トランプ大統領は対中国の交渉と言うか解決を引き延ばしたままにしておかれる事だろうから、数多ある公約の中で未決になっている我が国との通商交渉では必ずやドカンと大きな要求を突きつけてくる危険性がある」と予測された。私は我が国との貿易赤字はそれほどではなくとも、選挙対策を考えた時に強硬姿勢に出てくるだろうことはあり得ると思っている。
トランプ大統領に関しては外務省お偉方が高い評価をしておられるとは到底予測出来なかった。その点は藤崎氏が「それにしてもあのトランプ氏の言葉遣いは酷いですな」と言われたにに対して田中氏と宮本氏が直ちに賛成された事が素直に表していたと思う。私は既に採り上げたが、昨年の1月には何と“shithole”などという「汚い言葉」を使われ、しかもそれを我が国のメデイアが一斉に誤訳した例があった。私は以前に「トランプ氏の言葉遣いは、その鉄板の支持層であるプーアホワイト以下向けになっている場合が多いので、品格に欠ける場合がある」と指摘した。
お三方は矢張りと言うべきか何と言うか「外交を政府や官僚だけに任せておいて置くのは」という意見を述べておられたが、それは私でもある意味で尤もだとと思う。私はお三方は現在何故そのように外務省を蚊帳の外に置くような状況になっているかをご存じの上で言っておられると思って聞いていた。経産省にしたら「製造や貿易の現場や実務を経験していない者たちを介入させても」という思いがあると見ているのだが。
この企画は既に何度か放映されていたので、出席者も予測出来ていた。即ち、並び順から田中均氏、藤崎一郎氏(元駐米大使)、宮本雄二氏(元駐中国大使)だった。外務省入省が1969年の同期だそうで。外務省で位を極めた方々が見る現在の外交問題を語られるという点に興味があった。
司会の反町が何故か話題を先ず田中氏に振る事から入っていったので、同氏の発言が最も多かった感があった。そこで、私がこれと思った話題を採り上げてみよう。
対韓国問題だが、田中氏は韓国を担当した時期もあったので韓国を知っているのだと断った上で「現在の文在寅大統領の反日的で筋が通っていない発言や、その他の者たちの数多くの無理無体な主張に一々反応せずに無視しておく方が良い。反応すればまた熱くなって応じてくるので際限がない。落ち着くまで放っておくべきだ」と指摘された。私は黙っていれば、相手は言い分が通ったと思って付け上がるので反論すべしと言い続けてきたが、練達熟練の外交官はそうは考えていないと解った。
お三方が一致して批判されたのが、河野外相が駐在の韓国大使を外務省に呼んだ時にその発言を中断させて「無礼だ」と非難した態度は宜しくないと厳しく批判された事だった。テレビカメラを入れていた場であのような態度を取るのは今流行のポピュリズムであり、将来ありと期待した河野氏だけに困った事だと思うという訳だ。但し、河野外相はその英語力を活かして韓国の矢張り英語が上手い康外相と密接に電話連絡しておられる点は評価されていた。
輸出管理手続きの変更については藤崎氏だったと記憶するが、あの経産省で行った説明会では「矢張り事前に服装等はどのようにするかくらいは打ち合わせておいた方が良かったし、如何に何でも半袖シャツはあるまいと思っただけではなく、韓国に対して『こういう変更をするから』くらいの告知があった方が良かったのでは」と言われた。これは細川昌彦氏も指摘しておられたが、あの韓国側の2名はあの地位に転じてきたばかりで何も知らず、あの案件の基本的な解説に数時間を要したにも拘わらず、帰国後には経産省を非難する報告をされてしまった点も述べておられた。
お三方の見立てでは「矢張り文在寅大統領がその任にある期間中は、我が国と韓国との間にある諸問題や外交関係には所謂落とし所はあるまいとの事だった。文在寅大統領や韓国に数多くいる人たちにとって「韓国の併合」は許すベからざる何物にもまさる怨念の一件であるから、彼らは譲るまい」と言われるのだ。しかも政権が変わればまた見解が異なってくるので、容易に決着はつくまいと言われていたと聞いた。
トランプ大統領については同じ誇り高き外務省出身の宮家邦彦氏と岡本行夫氏が否定的な発言を繰り返しておられたので、肯定的なご意見は少なかったが、田中氏が「トランプ大統領は対中国の交渉と言うか解決を引き延ばしたままにしておかれる事だろうから、数多ある公約の中で未決になっている我が国との通商交渉では必ずやドカンと大きな要求を突きつけてくる危険性がある」と予測された。私は我が国との貿易赤字はそれほどではなくとも、選挙対策を考えた時に強硬姿勢に出てくるだろうことはあり得ると思っている。
トランプ大統領に関しては外務省お偉方が高い評価をしておられるとは到底予測出来なかった。その点は藤崎氏が「それにしてもあのトランプ氏の言葉遣いは酷いですな」と言われたにに対して田中氏と宮本氏が直ちに賛成された事が素直に表していたと思う。私は既に採り上げたが、昨年の1月には何と“shithole”などという「汚い言葉」を使われ、しかもそれを我が国のメデイアが一斉に誤訳した例があった。私は以前に「トランプ氏の言葉遣いは、その鉄板の支持層であるプーアホワイト以下向けになっている場合が多いので、品格に欠ける場合がある」と指摘した。
お三方は矢張りと言うべきか何と言うか「外交を政府や官僚だけに任せておいて置くのは」という意見を述べておられたが、それは私でもある意味で尤もだとと思う。私はお三方は現在何故そのように外務省を蚊帳の外に置くような状況になっているかをご存じの上で言っておられると思って聞いていた。経産省にしたら「製造や貿易の現場や実務を経験していない者たちを介入させても」という思いがあると見ているのだが。