現状と実態を何処までご承知なのだろうか:
私はアトキンソン氏の主張を否定するものではないが、対策なり何なりを具体的に提案して貰えなければ、折角の建設的なはずのご意見も絵に描いた餅のようなものになりはしないかと危惧している。欧米人が言ったからと言って畏まって聞くべきことかどうかを考えても良いのではないか。彼はこれは文化比較論でもあるとご承知なのだろうか。
ここで余談ではあるが私の経験を語ってみようと思う。それは、1988年に我が社の洋紙部の副社長以下の幹部約30名ほどと、2週間かけて我が国でデミング賞受賞の工場を数多く訪問して、その優れたTQCの実践法を学ぶ視察をしたことがあった時のことだった。その際にはかのトヨタ自動車のカンバン方式も実際に現場で見学する機会も得た。工場側から丁寧な説明も聞けたし質疑応答にも十分の時間を取って貰えた。
質疑が終わってから後でのアメリカのビジネスマンたちの率直な感想は「何だ。結局は運送会社の協力と犠牲の上で成り立っているだけのことじゃないか」だった。要するに中小の運送会社が懸命の努力をしてトヨタ側が指定する時刻に部品を納入しているという協力の上に成り立っている方式だと、彼等アメリカ人は理解したのだった。また、別の会社では親会社や得意先の納入指定時刻に合わせる為には、極端な場合はその為に早めにトラックを現場に到着させて、その時刻になるまで工場の周囲を回っているという話も聞けた。中小企業が果たす役割がこの辺にあったのだ。
この辺りが私が常に言っている「現場で実務を経験していない人が、分かったような顔で物を言わないで欲しい」なのだ。特に、私は英連合王国の親会社対下請けの事情は知らないが、、アメリかでは工場の生産の現場から会社側に転進してきた社員は先ずいないし、工場の現場を経験した管理職も経営者もいないのだ。我が国の方が現場を経験した管理職も経営者もいるのとは大違いだ。アトキンソン氏は我が国の工場の現場や、下請けの中小企業の実態を何処まで仔細に視察してこられて物を言っておられるのだろうか。問題はこの辺りにあると思う。
私はアトキンソン氏の主張を否定するものではないが、対策なり何なりを具体的に提案して貰えなければ、折角の建設的なはずのご意見も絵に描いた餅のようなものになりはしないかと危惧している。欧米人が言ったからと言って畏まって聞くべきことかどうかを考えても良いのではないか。彼はこれは文化比較論でもあるとご承知なのだろうか。
ここで余談ではあるが私の経験を語ってみようと思う。それは、1988年に我が社の洋紙部の副社長以下の幹部約30名ほどと、2週間かけて我が国でデミング賞受賞の工場を数多く訪問して、その優れたTQCの実践法を学ぶ視察をしたことがあった時のことだった。その際にはかのトヨタ自動車のカンバン方式も実際に現場で見学する機会も得た。工場側から丁寧な説明も聞けたし質疑応答にも十分の時間を取って貰えた。
質疑が終わってから後でのアメリカのビジネスマンたちの率直な感想は「何だ。結局は運送会社の協力と犠牲の上で成り立っているだけのことじゃないか」だった。要するに中小の運送会社が懸命の努力をしてトヨタ側が指定する時刻に部品を納入しているという協力の上に成り立っている方式だと、彼等アメリカ人は理解したのだった。また、別の会社では親会社や得意先の納入指定時刻に合わせる為には、極端な場合はその為に早めにトラックを現場に到着させて、その時刻になるまで工場の周囲を回っているという話も聞けた。中小企業が果たす役割がこの辺にあったのだ。
この辺りが私が常に言っている「現場で実務を経験していない人が、分かったような顔で物を言わないで欲しい」なのだ。特に、私は英連合王国の親会社対下請けの事情は知らないが、、アメリかでは工場の生産の現場から会社側に転進してきた社員は先ずいないし、工場の現場を経験した管理職も経営者もいないのだ。我が国の方が現場を経験した管理職も経営者もいるのとは大違いだ。アトキンソン氏は我が国の工場の現場や、下請けの中小企業の実態を何処まで仔細に視察してこられて物を言っておられるのだろうか。問題はこの辺りにあると思う。