新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

10月23日 その2 再び日本学術会議の問題について

2020-10-23 10:49:41 | コラム
何となく一筋縄ではいかない案件のように思えてきた:

相変わらず野党とマスコミ連合軍はこの学術会議の件で菅首相とその内閣の大失態のように捉えて、26日から開催される国会で激しく且つ厳しく追及しようと手ぐすね引いている感がある。私はこれはとんでもない彼らの間違いであり、見込み違いだろうと思って見てきた。それは、言わば(韓国における)保守派のような正当な意見を述べる櫻井よしこさんのような方々の見解が正しく、中国の「千人計画」の罠にはまった学術会議側に非があると受けとめていたからである。菅首相が拒否の理由を明かされないのは、武士の情けだと信じていたからだ。

私はこの件に関しては反「野党とマスコミ連合軍」の方々の主張が正しくで、連合軍は毎度のことでただひたすら内閣を貶める為の絶好の手段というか材料だとして、いきり立っているのだとばかりに見てきた。そして、この件ではいち早く櫻井よしこさんの週刊新潮での学術会議の五星紅旗寄りの姿勢を明らかにされたコラム等により、事の次第を知り週刊新潮の取材振りも中々のものであると密かに評価してきた。

だが、昨日発行された10月29日号の巻頭の記事「日本の技術を盗む中国千人計画 第2弾」「謎のベールを剥ぐ!」を早速読んでみた。知り得たことは確かに中国が仕掛けてきたことは「日本の技術を盗む」という見出しの表現が当たっていると思わせるのに十分なとことがあった。「矢張り、中国は怪しからんな」と読めた。だが、最後まで読んでいくと、意外なようで「矢張りそういうこともあったのか」との記述に出遭うので、些か判断を迷わせられた。

それは中国に勧誘された何名かの元大学教授や研究者が「中国での研究環境の(我が国との対比での)素晴らしさ、即ち経済的な憂いがなく打ち込めることと、報酬と食と住環境の待遇の良さを語っているのだ。それは取りも直さず我が国における研究費が余りにも不十分であり、研究の成果を短兵急に求める理解の無さを批判していることでもあったのだ。ノーベル賞受賞者の本庶博士などはオブジーボの研究の完成には40年を要したが、そういう長期の研究を許す環境が我が国にはと整っていないと言われたとの記述すらあった。

それに対して中国では勿論結果を出すことは厳しく追及されるが、研究の予算は潤沢であり我が国の学者が惹かれていくのも尤もだと言わんばかりの記事で、暗に財務省の予算割り当てのつれなさまで非難とも読める記述もあった。そこを中国に上手く付け込まれたとも言えるだろうとも読めた。千人計画に誘い込まれているのは何も我が国からだけではなく、アメリカやドイツからの多くの学者が参加しているとも報じられていた。即ち、矢張り非難すべきは「中国の世界の各国から技術を盗もうとする企みである」と言えるが、参加する方にも問題はあるかも知れない。

私は勿論首相も甘利氏もこのような事情は先刻ご承知だろうと思うし、野党とマスコミ連合軍だって知らないはずはないと思うのだ。それだからこそ、菅首相は「総合的且つ俯瞰的に」とだけしか理由を述べておられないのだと思っている。それにも拘わらず、国会で責めるといきり立つ野党は一体全体何をあぶり出そうという気なのだろうか。週刊新潮の第2弾の内容が正確であるとすれば、国会で何も生まない論戦を展開するだけになるように思えてならない。学術会議を切り離すのか、財務省が考え直すことにでもするのか。



アメリカ人は如何なる判断をするのだろうか

2020-10-23 09:49:27 | コラム
アメリカ大統領選挙とトランプ大統領をあらためて考察すれば:

私が以前にも採り上げた事だが、アメリカで上澄みの層にいるいる人たちの社交性の高さと社交辞令の巧みな表現に出会うと、余程アメリカの社会に慣れない事にはついその気になって「自分も満更ではないのだ」とばかりに、浮かされていまうことがあると思う。いえ、思い上がらせられるかも知れません。家内も私がその社交辞令的な発言を忠実に通訳したのを聞いて「余りに世辞が上手すぎてかえって本当の事を言っていないのではと感じた」という感想を漏らしていた。女性独特のカンにはそのように聞こえるらしい。

トランプ大統領が個人的に話をしている場面がテレビなどで流れることなどあり得ないので、彼が友人や知人と語り合っている際にどれほど社交的な人物なのかは知り得ようがないと思う。いや、何時でもあのように乱暴な口の利き方をして汚い言葉を使っておられることはあるまいと想像している。トランプ氏と個人的に付き合いがある在NYのエコノミストのH氏が、立候補した頃に言っていたと聞いた。だが、彼は「もしもNYの街中でうっかりそんなことを言えば、後ろから刺殺されそうなほどトランプ氏は嫌われていた」とも補足したそうだ。

私がトランプ氏のキャンペーンの演説を聴いていて「あそこまでやるのか」と寧ろ感心している点がある。それは、トランプ大統領はアメリカ人的な社交性も何もかなぐり捨てて、再選される為には自己の最大限の利益と安全保障の為に、ひたすらバイデン氏を罵ることに徹底し、自分の陣営側のはずのファウチ所長までも貶している点なのである。要するに、我が国のように「エールの交換」などという儀式はあり得ない世界だ。

しかも、アメリカ合衆国の大統領ともあろうお方が平気で「汚い言葉」を使い、“you know”を挟んでまで下層階級が多い支持層に受け入れられそうな言葉を意図的に使っておられる点が凄いと思うのだ。明らかに上流階級である誇りまでかなぐり捨てておられるのだ。この点は何度も指摘したことで、トランプ大統領が語りかけているのは知識階級ではなく、労働者階級等である彼の支持層であるということだ。即ち、彼等にとって解りやすい言葉を使っておられるのだ。彼等にこの点についてはYM氏も同意見だった。即ち、「目的のためには手段を選ばず」の状態だということ。

我が国には多くのアメリカ事情通の評論家や専門家が多くおられると思う。その方たちのご意見は尊重すべきだとは思う。だが、YM氏にしても、不肖私にしても彼等アメリカ人たちの中で過ごし、彼等と知り合い語り合って初めて知り得たアメリカの実態と事情を語っているのだと思う。一方、評論家や専門家の方々は外国人として非常に良く勉強しておられルのは間違いないと思う。飽くまでも外国からのお客様であるから、アメリカ側の権威者たちが何処まで本音を語るか、または質問か議論をする際に何処まで突っ込んだ討論が出来るのかは、私には分からない。

YM氏はアメリカでのビジネスの世界を何年が経験してから、ハーバードを経て私とは別な学問の分野で私よりも深くアメリカに浸透した。その意味でも傾聴すべき事を言ってくれると思っている。故に何時もその意見というか見解を傾聴している異色の人物である。彼は相変わらずスタンフォード大学の経済学部教授のOB会との交流などは続けているが、敢えて我が国のマスコミと接触しようとはしていない。また、民主党のナンシー・ペローシ下院議長との関係も維持している。このように私にとっては貴重な友人である。

その彼が自分の周囲には一人もトランプ大統領を好んでいる者はいないと言っているのは、こういう背景があるのだ。その彼にしても、未だにトランプ大統領とバイデン候補の何れが勝つのかは判断出来ないといっている辺りが、今回の選挙戦の混乱の度合いを表していると思う。これでは、何となくYM氏の宣伝のようになってしまったが、このような人物もいるのだと思って語って見た次第。