新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

9月7日 その2 希望的観測に終わらせてはならない

2021-09-07 09:09:19 | コラム
MLBにおける大谷翔平君の活躍に思う事:

MLBにおける大谷翔平君の今日までの成績は誠に素晴らしいと思ってみている。日頃から辛口だと言われている私でさえ「素晴らしいな」と心中で褒めながら報道に接している。だが、矢張りどうしても気になる事がある。それは、何時も批判している「各報道機関による褒めすぎと、過剰な持て囃し方及び期待感」なのである。私の論点は「彼らによる持ち上げ過ぎは、仮令当該選手が影響を受けているとは思えなくとも、碌な結果をもたらさない」だけである。

私が願っていることは、報道機関の過剰な取り扱いが「大谷翔平君がMLBでホームランキングを獲得し、何百年も?昔の記録であるベーブ・ルースの10勝を超える」を阻んでしまうのではないかと危惧している点だ。兎に角、大谷君がホームランを打ったことを速報で流すに至っては「過剰報道」も度が過ぎていると言いたくもなろうということ。彼らの物事の判断の基準というか優先度には、疑問を呈さざるを得ないのだ。

もっとハッキリと言えば、何回か取り上げた昭和20年代の末期に個人企業的な貿易商の社長さんが「喜んで下さい。私の会社もアメリカ向けに輸出が出来るようになりました」と満面に笑みを浮かべて語っておられた頃の「外国、就中アメリカへの憧憬があった頃の古き時代感覚」を、彼らが未だに引き摺っているのに他ならないのだ。いや、他の例を挙げれば「未だに『憧れのハワイ航路』の世界に生きているのだ」となるのだ。

私の永年アメリカ人の中で過ごしてきた感覚で言えば「未だに外国に出て行くことを、何か前人未踏の快挙である」かのように捉えているとしか思えないマスメディアの超時代遅れというか、時代錯誤はそれこそ絶滅危惧種にも例えたくなるほど、感覚がずれていると貶したいのだ。外国人の中に入って、彼らよりも優れた活躍をしておられる方は幾らでもおられるではないか。国際化だのグローバル化を言い募っているのが彼らではないのか。

それは、確かに大谷翔平君ほどの優れた身体能力を備えた日本人乃至は東洋人は極めて希な存在である。であれば、彼ら外国人たちに勝るとも劣らない大谷翔平君のような選手が現れたのであれば「どうだ。我が国からはこういう選手が出たぞ」と誇らしげな姿勢を採って欲しいのだ。何かと言えば「日本人初」という形容句を被せるのは、彼ら報道機関は未だに劣等意識から抜け切れていない証拠だ。私がこれまでに何度も「アメリカ人は・・・」と指摘して「彼らよりも優れているのだ。劣っていないぞ」と言って見せたではないのか。

ところで、大谷翔平君がホームランキングを獲れるかどうかだが、私は全く何も期待していない。静かに見守って挙げていれば良いのだ。期待していなければ「実際に獲得できたと知った時の喜びが、非常に大きなものになる」と考えているからだ。大きな声で言ってはならないと危惧していることは「大谷に獲らせたくない」と考えている連中がいる辺りだ。

記憶している方がおられるかと思うが、我が国でもNPBでMLBから来た選手が、誰かを追い抜いてホームラン王にを獲得しそうだった場合に、敬遠し続けた事例があったではないか。


自由民主党総裁選挙運動に思う事

2021-09-07 08:10:55 | コラム
間違っても「コップの中の嵐」にならないように:

各報道機関はこの総裁選挙の件について、ここを先途と大騒ぎである。多くの政治というか政界専門のジャーナリストたちはテレビに登場しては、当然のことだとは思うが「知っていることの半分かそれ以下くらい」を語って見せてくれていると思って聞いている。その専門家たちが分析して見せた昨6日辺りまでの状況を、私なりに纏めてみると「一度は先手を打って見せたかの感が濃厚で俄然有利と見えた岸田文雄氏が、菅首相の不出馬宣言の為に優位性が崩れたかのようだったが、どうやら盛り返しに成功しつつあり一歩先に出たのかな」となるようだ。

ところが、今朝のニュースを見ている限りでは「石破茂氏がどうやら不出馬の意向を固めて、河野太郎氏の援護に回るようだ」という事になったようだった。これでは、自由民主党内の情勢は相変わらず小手先の手練手管の競い合いのようにしか見えないので、嘆かわしいのだ。誰一人として「お国がコロナウイルスによる危機的状況にあり、対中国やアフガニスタン情勢のような対外的問題が山積している現在、何としてもここから脱却して見せたいので、議員諸賢や党員のご協力を賜りたい」といったような「お国と国民の為に粉骨砕身の努力する」と標榜していないのだ。

先発された岸田氏は確かにこれまでの控え目というよりは、危険を冒さない臆病な姿勢から脱却して、内容がある語りをするようになったのは確かだ。だが、その方々を回って訴えて出ている語りの内容はと見れば「自己宣伝であり、岸田を宜しく」でしかないように聞こえるのは何故だろう。また、石破氏の支援を受けて俄然岸田氏の対抗馬に浮かび上がったかの如くに報じられている河野太郎氏にしても、あの素っ気ないというか横柄に近いような記者会見での答え方を見ていると「何だかなー」という気がするのが残念だ。

私は何方が立候補され、党内で誰を選ぼうと構わないと思っている。要するに「その選ばれた方が党利党略や自利自略や私利私欲を優先することなく、全身全霊を傾けて国家と国民の為の政治を心掛けてくれれば、それで十分だと考えているのだから。