新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

9月11日 その2 民主主義政治は時間がかかるのが問題だ

2021-09-11 15:47:35 | コラム
9月10日のPrime Newsでも採り上げられた:

自ら「口八丁手八丁」を認められた、今や再び多くのテレビ局における強力なコメンテーターとなった橋下徹氏は、機会ある毎にこの民主主義の問題点を提起し批判していた。彼が言うことは「対照的だと指摘されるのは彼自身が経験した大阪府知事は直接選挙で選ばれたので、内閣総理大臣よりも直接に物事を決定し、実行できる地位にあるのだ。だが、内閣は議会制民主主義政治であるから、事に当たって総理大臣の意向だけで迅速に決定できないという問題がある」という点だった。簡単に言えば「決定が遅くなるので、機を逸することが多いが宜しくない」との指摘である。

これと全く同じ問題点を昨夜のPrime Newsで、石破茂氏と先崎彰容日本大学危機管理学部教授が提起されていたのが印象的だった。要するに「遅い」のが民主主義のコストだとの論旨だった。ここでは「中国の習近平主席やDPRKの金正恩総書記は『こうしたい』か『こうしよう』と思えば、直ちに部下に命令して実行できるので、時間の空費がないのだ」との指摘であり、「現在のような状況下で何か法改正をして事態に対応したくても国会が閉じられていては、尚更如何ともし難くなるのではないか」との嘆きだった。

先崎教授はこの辺りを民主主義と自由主義とを対比して論じておられたが、石破茂氏はチャーチルの名言「民主主義は最悪の政治形態らしい。ただし、これまでに試されたすべての形態を別にすればの話であるが。」を引用して同調しておられた。即ち、各都道府県の知事の方が動きやすいのだと言いたいようで、確か中国の習近平主席を対極にある例として挙げておられた。

そこで、本9月11日のことだ。午前11時頃に何気なくチャンネルを変えていたところ、MXテレビの京都大学大学院教授・藤井聡氏の「東京ホンマもん教室」になっていた。藤井教授独得の関西弁で、言ってみれば「寄らば斬るぞ」的な論評と時事解説を暫くの間聞いていた。すると、藤井教授も「民主主義政治には時間がかかり過ぎるが問題である」と批判しておられたのだった。そして、素早い決定が出来る指導者としては矢張り習近平主席と金正恩総書記を挙げておられた。要するに「独裁者の方が時間を無駄にしない事が多い」との論法だった。

このように並べ立ててみれば「そんなことは先刻承知だ。今更貴殿に教えられるまでもない」と言われそうだが、未だ総理・総裁に成れる芽を残している石破茂氏が承知しておられるのだったならば、その時が来たら是非とも改革して貰いたいものだと感じたから言うのだ。橋下徹氏などは何年も前から改善を要望していたように記憶する。藤井教授などは内閣参与だったかで官邸におられた方ではないのか。時の総理なり側近に進言できる機会があったのではないのかと思うのだ。MXで言われても、遠吠えでしかないのではと思うのだ。

私は既に立候補を表明されたお三方の中には、この問題点の改革を唱えていた方はおられない気がする。河野太郎氏は規制改革担当ではなかったか。何方かは昨夜のPrime Newsを見ておられたかななどと希望的に考えている。


9月10日のPrime Newsから

2021-09-11 09:41:07 | コラム
石破茂氏と先崎彰容教授の語りを謹聴した:

昨10日のPrime Newsを私は「近来の傑作だった」と評価したい。2時間弱の間、裏番組のドラゴンズがジャイアンツを負かしてくれるのをCMの間だけ見ながら、真剣に聞いていた。

*石破茂氏は:
石破さんに関する第一の収穫は「石破さんが報道機関もしたり顔で言い募る『何故自民党内であれほど不人気なのか』が私なりに理解できたこと」だった。二番目はマスコミ情報では「石破さんは出馬を見送って河野太郎氏の支持に回る」とされているのは、ほぼ「為にするフェイクニュースだ」と断定しても良い事態だと知ったことで、石破さんは出ないとは一言も言わなかった事だろう。

*先崎彰容教授の指摘:
先崎教授は私は彼がテレビに登場されるようになってから評価している東大出身の日本大学危機管理学部の教授だ。先崎教授がいきなり「河野太郎氏を全面的に否定したい」と切り出したのは、やや驚嘆させられた。だが、その根拠を聞くと「なるほど。尤もだ」と思わせられた。この点が先崎教授による第一の収穫である。その根拠は、河野氏の著作を読まれた結果で内容がなかったことを挙げられ、彼をポピュリズムだとアッサリと断定されたのだった。

私は既に報道機関による世論調査というか人気調査では河野太郎氏が30%超で首位に立っているとは承知しているが、自民党の総裁は一般人の人気投票によるのではなく、議員と党員の投票によるので、世論調査の人気とは別物だと論じてきた。だが、各候補者の著作など読もうと思ったことなどなかったし、各候補者の品定めはテレビ、新聞、週刊誌の情報しかないと見ている。故に、河野太郎氏の人気投票による優位を報道するのは誤解というか誤った印象を与えると述べてあった。また、週刊新潮は既に「河野太郎不信論」を特集している。

そういうマスコミ報道の環境は自民党の候補者たちに関しては「好ましくないのでは」と見ていたので、先崎教授の説には説得力を感じた。このような事情であれば、私は自民党所属の議員さんたちと、地方の党員たちが何処まで信頼できるのかという問題だと思っている。即ち、議員は兎も角、党員の方々はマスコミのフェイクに近いような情報に惑わされないことを希望するだけだ。

*何故石破茂氏は嫌われるのか:
「石破さんが党内の派閥の長等に忌み嫌われるのは何故か」を取り上げる。「マスコミはあれほど石破叩きと石破さんにとって不利な情報を流すのか」に触れていこうと思う。石破さんはPrime Newsでは一言も水月会として河野支持に回るとも、立候補しないとも言われなかった。マスコミ情報では河野・石破連合が明日にでも結成されそうな状態だとなっているにも拘わらずだ。これには(石破さんがあの場で本当の事を言われたとの前提で)石破叩きの臭いしか感じられないのだ。

ここから先は(石破さんの発言の内容を記録していないし、全部覚えている訳でもないので)総括的に述べていこうと思う。私には石破さんが主張されたことは余りにも正論であり、反論の余地がなく組み立てられていると聞こえた。正論というか「政治はこうあるべきで、政治家の姿勢は」というように基本的なことを言われていると聞こえた。一つだけ例を挙げれば「防災省の設置を訴えたが殆ど同調者が現れなかったので、毎年のようにやってくる災害への対応が不十分だ」と強く言われた。私はこの考え方は評価すべきだが、こういう姿勢が嫌われる原因だと思った。

この例だけで論じるが、政府だけではなく各都道府県でも自然災害(「地球温暖化がもたらす」と言われたが)に対する事前の備えも事後も対応も不行き届きなのは否定できない事実だろう。思うに政府も各都道府県の知事さんたちも忸怩たるものがあるだろう。そこに石破さんは防災省論を振りかざして「深い傷に塩を塗り込むようなこと」を主張されるのだから「ウザったい奴だ」となってしまうのかなと思った次第だ。医療逼迫にしても、恐らく菅首相も西村と田村の両大臣も「1年前に手を打っておけば・・・」とばかりに「不味かった」くらいは承知しているだろう。

石破さんも先崎教授も「完全無欠な人も政治家もいないのだから、直ぐそばに(所謂側近ではないいと思うが)にチャンとした助言をしてくれる人物を配置しておくべきだったのではないのか」と指摘された。しかしながら、こう言えば「菅首相にはそういうまともな助言者がいなかった」と指摘しているのと同じだ。そういう言い方を、恐らく安倍前総理にもしたのではないのかななどとふと考えた。安倍前総理は兎も角、菅首相はそれを嫌って何らかの手法で遠ざけるのかも知れないななどとも考えた。別な言い方では「可愛くない奴」と疎まれたのでは亡いか。

*結び:
上記はマスコミ情報とPrime Newsを聞いて、私が思ったことを述べただけで、万人受けするのは期待していない。だが、世の中では「直言居士は容易には受け入れて貰えない」を地で行っているのが石破さんかと思わせられた。恐らくご本人もご承知ではないのかとの印象だった。

私には石破さんが語られたような真っ正面からの抗いようがない正論を謳われて出馬されても、結果は前回のように自ら認めて「惨敗だった」となるだろうと見える気がする。だからこそ、石破さんは自身のブログで「それは回避したい」と書かれたのではないだろうか。お二方が言われたように「総理・総裁は選んだところで終わりではないし、選ばれた方も責任がある。同時に俺は選んでいないなどという態度を採るのなどは許しがたいのだ」と指摘されたと聞いた。結局は自民党の議員と党員の良識に懸かっている。懸かっているのはお国と国民の為と運命である。