新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

7月のスポーツから

2022-07-03 08:40:28 | コラム
二つの国際試合とNPB:

酷暑の下で、7月に入ってからのスポーツには興味と関心がある試合が多かった。

1日のバスケットボール:
この男子代表の試合は、FIBA(International Basketball Federation)のランキングで世界第2位のオーストラリア対38位の我が国の代表の対戦だったので、「第2位の実力」に興味があったし、38位が何処まで対抗できるのかと期待していた。結果を先に言ってしまえば59対98で、言うなれば実力通りのことになっていた。

その第2位のテイームは実力のほどを、先ず強力なデイフェンス力を見せ付けてくれた。我が代表は全く攻め入る隙を与えて貰えず、24秒が経過する前に無理矢理に3ポイントシュートに持っていく他なく、それが外れてもオフェンス・リバウンドは身長差もあって全く取れなかった。オーストラリアのデイフェンスが「ゾーン」なのか「マントゥマン」なのか解らなかったが、日本代表は中に入り込む機会を与えられていなかった。

オフェンスが殆ど通用しなかったのと同様に、デイフェンスも身長の差(アナウンサーも解説者の何故「高さがある」と言うのだろう?)だけの問題ではなく、ほんの一寸隙を与えるか、何処かで誰かを瞬間的にでもフリーにしてしまうと、遠慮会釈なく3ポイントシュートを放り込まれるので、申し訳ない言い方をすれば「勝負になっていない」状態だった。要するに、ランキングの36位の差とはこういうことかと思い切り見せ付けられたのだった。

女子の代表をあそこまで育てられたトム・フォーバス監督が、男子を何処まで育てられるかが興味と関心の焦点だ。先ずは「高さ」の差をどうやって補うかだろうが、そこには女子が見せた3ポイントシュートの精度を何処まで高められるかが重要だと思う。あの試合にはNBA組が不在だったが、今後はNBAに採用される者を如何にして増やすかではないか。オーストラリアには2名いた。

2日のラグビー:
偽りがないことを言えば、私はラグビーの国際試合については「我が国を代表するテイームが出場するのではない」と見ている。私は何も国粋主義者でも何でもないが、WR(World Rugby)即ち「国際ラグビーフットボール評議会」が決められたのだろうと思っている「自国の代表に選出されなかった者が他国(例えば日本)で3年間プレーすれば、代表選手に選ばれる資格が出来る」のに疑問を感じているからだ。

これでは、日本代表とは言っても(名乗っても)「我が国における優秀な選手を集めたクラブテイームではないのか」との感を禁じ得ないのだ。だから、これまでに何度か「日本人だけの代表テイームを作って、海外の強豪国代表との国際試合をさせて、その代表が何処まで通用するのかが知りたい」と主張してきたのだ。

確かに、NPBの野球には外国人選手もいるが、オリンピック代表テイームは日本人だけだった。サッカーもオリンピックもW杯代表にもラグビーのような選手はいなかった。バスケットボールの男子代表には帰化した選手がいた。だが、ラグビーほどには「門戸開放」は進んでいないと思う。

1日の世界の(WRのか?)ランキング2位でヨーロッパの王者とアナウンサーが叫んでいたフランス代表には、白人とアフリカ系と思しき選手がいた。だが、国籍については触れられていなかった、だから、フランス代表と称するクラブテイームかどうかは不明だった。

そこで、試合である。フランス代表には言わば一軍ではない若手が出ていたと報じられた。それでも、試合開始後間もなく綺麗な右側へのパス展開でトライを取られてしまった。しかしながら、その後は我が代表も頑張って前半は13対13で終わった。

3名の元名選手の解説者たちは「この暑さと高湿度が徐々に効いていって、フランス選手たちは消耗するだろうから、我が方にも勝機が」というような希望的観測を語っていた。ラグビーの解説者ではかの大畑大介が出てくると、恰も応援団のようなことばかり言うので聞き辛かった。大畑も最近はその傾向が薄らいだが、あの試合では解説者たちは最後まで世界第2位を倒す希望を失っていなかった。それについて異論は唱えないが、違和感を禁じ得なかった。

試合は42対23の敗戦で、私は我が代表は善戦健闘だったと評価する。だが、色々と故障があったようで、SHは流ではなく、SOも田村ではなくて21歳の李だったという具合で、顔馴染みの代表選手たちではなかったのだから、褒めても良いだろう。でも、「あっ、良いプレーだな」と思うと外国系の選手なのは・・・なのだ。

NPB:
私は昨年日本シリーズまで獲ってしまったヤクルトスワローズが本当に強いのかどうかが解らなかった。しかし、今シーズンでもあの勝ち方である。良く解らないのだ。確かに村上宗隆は良くホームランを打つが、先日はインサイドを速球と落ちる球で攻められると4打席だったか全部三振に終わっていた。あれを他球団のスカウトたちは見ていただろう。山田哲人は「ここぞ」という時以外でも滅多に打てない。でも塩見や長岡や中村悠平がいるのだ。

投手陣は先発では奥川が故障しているので、小川と石川だけで回せるのかと思えば、中継ぎとクローザー人が奮闘している。立派なものだと思って見ている。また、スワローズの強みは昨シーズンで「勝ち方」を身につけたようで、昨夜も10回の裏でサヨナラに持ち込んだように、勝ちを急がない勝負強さを身につけた。

日本大学フェニックスを再建して3年目に甲子園ボウルに出場させた橋詰功氏は「勝った経験がある指導者でなければ」とその経験の強さを指摘しておられたという。高津監督に当て嵌まるのではないか。

読売ジャイアンツも採り上げておこう。昨日の広島に負けた試合を見ていると「菅野智之は終わったと言うよりも、もう過去の栄光を期待するのは間違いでは」と思わせてくれた。解説の槇原は同門の菅野を貶せないので「もう速球の力に頼らず、外していくというか、躱していく投法になった」と言っていた。苦しい言い訳のようにしか聞こえなかった。

原監督がどうしても彼に頼ってしまう気持ちも解るが、槇原も言っていたように「最早、松井秀喜も菅野智之も知らない若い選手が出てきた時代になれば、菅野の全盛期を知らなければ、通用しなくなるのでは」と語っていた。要するに「ジャイアンツのフロントも監督も、世代交代を迫られていると認識すべき時なのだ」と言うこと。

昨日だったかどうか記憶は定かではないが、原監督は広島に勝てそうなチャンスに中田翔と中島裕之を代打に出して失敗した。彼らの「顔」も通用しなくなってきたと自覚すべきだ。増田陸を育成から引き上げたので、知られていない顔だったので短期的には打てていた。だが、昨日は広島にやられてしまった。

悪いことは言わない。もういい加減にFAで出てきた選手を買い入れて使うか、飼い殺しにする戦術を忘れるべきである。だから、スワローズに13.5ゲームを離されるのだ。