新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

「行動規制は考えていない」

2022-07-18 08:22:03 | コラム
岸田総理のみならず後藤厚労相も:

岸田総理は「慎重に検討」された結果で「行動規制は考えていない」と明言されたのだろうか。この時点でもう「後手に回られた」気がしてならないのだが。その一寸前に尾身茂氏は「第7波と見て良いだろう」と言っておられた。

昨日は、ふと気が付いてカープとジャイアンツの試合にチャンネルを合わせてしまった。何と中田某がホームランを打って4対0と主導権を握った如き感があり、日テレのアナウンサーが嬉しそうな声を上げていた。そこに通りかかった家内が、満員の東京ドームの客席を見て「これで良いのかしら」と懸念を表明した。勿論、カープが先手を取られたことではなく、「これでBA.5とやらの感染を防げるのかしら」と言ったのだ。「そうだね」と答えた。

夕方17時20分に何気なく相撲の中継にチャンネルを合わせた。ここでも家内は満員御礼に近いような館内の画を見て、「これで良いのかしら」と言った。確かに観客は皆マスク姿だし、呼び出しも検査役も同じだ。でも、全員が休場になった部屋もあった。今朝の報道では広島カープでは20数名の感染者(乃至は濃厚接触者)が出たとあった。スワローズは大量の陽性者等が発生し、二軍同様の顔ぶれで試合を継続して5連敗となっていた。他にもこれまでで感染者が出た球団がある。

一方では、つい先頃のことで政府か専門家の方だったか失念したが、「自主的に判断して外出の際にはマスクを外して歩いても良いのでは」と公式に語っていた。その頃には第7波の襲来を懸念する声は上がっていた。また、テレビの報道では、誰もマスクをしていないアメリカやヨーロッパの国の画が流されていた。「羨ましいな」と思わずにはいられなかった。

専門家や有識者の中には早くから「マスクはウイルスに対する防御にはさして効果は無いが、罹患した場合に空気中にウイルスを放出しないように防ぐ効果がある」と指摘する人がおられた。でも、国会で議決されたとも聞いたことがないが、マスクは恰も法的に定められた義務の如くに普及した。私は「恐らく、この儘死ぬまではマスク着用からは解放されまい」と一昨年だったかに嘆いてあった。

幾ら「マスクをしないでも良いだろう」と心温まることを聞かされても、バスに乗ろうと思えば英語まで添えて「マスク着用」が要求されている。我がアパートでも「館内に入場される方はマスクを着用願います」と掲示されている。偶に郵便受けを見に下に降りる際にウッカリマスクを忘れたときには、エレベーターの中などで「じろり」と無言で白い目で見られて怖かった。小学校の子供たちが何名か乗るエレベーターを見送ったご婦人もおられた。

ここまでで言いたかったことは、「政府がやっておられる対策がチグハグではないのかな」なのである。「声を上げて応援しなければ」との条件で野球やサッカーを始めとして、多くの競技場での観客の入場を認めてきた。それとどういう因果関係があるのか解らないが、選手たちの方には言わば集団感染が続々と発生してきた。一般人の方でも、遂に国内で感染者が10万人を超えて、第7波だと騒がれている。それでも「行動規制は考えていない」と明言されるのはどういう事だろう。

確か、岸田内閣が出来たときには「これまではCOVID対策の中心となる組織がなかったので、山際大志郎氏を担当大臣に任じた」と言われたように記憶する。だが、岸田総理は「行動規制は考えていない」と言われた。厚労相も追随していた。諸外国よりも遙かに遙かに感染者が少なくても「マスク着用令」は一向に廃止されない。

それでもBA.5とやらの感染力の強さと、感染した際に悪化しやすいことを警告するのは忘れていない。矢張り、何処かチグハグではないかと言いたくもなる。岸田総理は次なる一手を密かに専門家に諮って、慎重に検討されつつあるのだと察したいのだ。だが「行動規制はしない」と言われてしまったのは慎重さが欠けていたのではないか。もう参議院選挙で勝利されたのだから、「行動を慎め」くらい言われても何も不利なことは起きないと思うのだが。